エントランスへはここをクリック

ロシア及びウクライナ
の兵の損失について

報告:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
 ※注:東京都市大学は1929年武蔵工業大学として創建され、
当初の工学部以外の学部新設により、2009年(創立80年)に
東京都市大学に名称変更している
青山は大学、大学院で
環境政策・法、公共政策を担当するとともに都市大の4つ
 (東京(世田谷、等々力)、横浜、川崎)図書館長も歴任。

War in Ukraine #1722 18 Oct 2022

独立系メディア E-wave Tokyo 2022年10月18日

イェゴール・アレイエフ撮影/TASS 2022 年 9 月 21 日 

 英国BBC によると、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ウクライナで全面戦争が始まって以来、9 月 16 日時点で5,937人ロシア兵が死亡したと述べた。ロシア軍部は、3月末以降の死傷者数を公表していなかった。

 「これについて長い間話していなかったと言わざるを得ない。私たちの損失についてである。特別作戦での損失は5,937人に達した」ウラジミール・プーチン大統領談。

 ※注:9 月 16 日でのショイグ国防相による発表後に巻末の追記に
  例示したように多くのウクライナ兵の死亡が確認されており、現在
  では7,000人を超えているものと推察される) 青山貞一。


 ロシア国防省が今まで最後に損失を報告したのは 3 月 25 日で、1,351 人の死者が報告されました。

 国防相ショイグによれば、負傷者の総数のうち、「90%以上が任務に復帰した」。

 9 月 16 日の時点で、ロシアは紛争中に少なくとも 6,476 人の軍人を失っている。これらはオープンソースによって確認された損失のみである。 ショイグ(ロシア国防相)は、ウクライナ軍の損失を約 61,000 人の兵士が死亡し、49,000 人が負傷したと見積もっている。

 この秋のロシアの政令第647号による一時(臨時)動員は、国民投票した住民の90%以上がロシアへの加盟を表明しプーチン大統領がそれを承認、新国境の国境線が約1,000km以上となるためであり、いわゆる戦闘要員ではなく、国境警備隊員としてロシア国民に一時動員をかけたものである。約20万人が一時動員されたが、すでにモスクワ州で一次動員された人々は近々解除されることとなっている。但し、4地域のうちドネツク、ルガンスクは2月24日の時点でロシア加盟をプーチン大統領が承認している。

 一方、ウクライナ・メディア(ウクライナ・プラウダ)によると、9 月 下旬時点で。ウクライナでの戦争中に約 55,000 人のロシア兵が死亡したとし、現在(2022年10月17日)、は65,320人+320としている。 この出典は、ウクライナ・プラウダである。

 ウクライナ・プラウダのロシア兵の死亡数はロシア発表より、当初からほぼ一桁多い。これはドンバスなどでの戦闘における民間人がの死亡が含まれているかいなかは不明である。また志願兵、捕虜、囚人らの戦死の扱いについても不明である。

追記  
 
 以下は、上記報告後の2022年10月以降で大量のウクライナ軍兵士の先頭での死亡が確認された記事の例(参考1,2)、第三者のオンブズパースンによる死亡者調査例(参考2)、ウクライナ発表が過小評価な理由(参考4)、ウクライナ軍による戦争捕虜殺害の例(参考5)の事例。青山は毎日単位でロシア軍スポークスマンのイゴール・コナシェンコフ氏の発表(TASS, Interfax, Ria Novostiなどのメディアで動画付き報告)を確認している。

参考1
 ロシア国防軍:わずか5日間で数千人のウクライナの死傷者を明らかにする
  2022年9月12日 出典:Sputnik Mundo(スペイン語版)
  ロシア国防省は、ウクライナ軍がニコライエフ (南)、クリヴォイ ログ
  (中央)、ハリコフ (北東) の地域でわずか 5 日間で被った犠牲者を、
  4,000 人以上が死亡し、8,000 人が負傷したと推定した。 国防スポ
  ークスマンのイゴール・コナシェンコフは、ロシアのミサイル攻撃がニ
  コラエフ地域の第 36 ウクライナ海兵旅団のキャンプを破壊したと述
  べた。
  ...
  コナシェンコフによると、過去 5 日間で、ウクライナ軍はハリコフとニコ
  ラエフ-クリヴォログの前線で数千人の兵士を失った。「合計すると、
  これらの地域におけるキエフ政権の死傷者は、9月6日から10日の間
  に4,000人を超え、8,000人が負傷した」と彼は述べた。

参考2
 ロシア国防省:ウクライナ軍はミコライフ-クリボリジャ方面で24時間に
 230人以上を失う
  2022年10月4日 出典:VZ
   ロシア国防省の報告によると、ウクライナ軍は一晩中、ニコライエフ
   -クリボロジスク方面で230人以上の人員、戦車4両、自走榴弾砲2両
  「グヴォズディカ」を失ったという。 「ニコラエフ-クリボロジスク方面で
   の敵の損失は、たった1日で230人以上、戦車4両、装甲戦闘車18両、
   Gvozdika自走榴弾砲2門、迫撃砲2門、車両20台に達した」と、同省の
   テレグラム・チャンネルのメッセージで述べた。

参考3
 ドネツク人民共和国(DPR)の全期間(2/26~3/4)の総死者数
   5,150人 2022年2月26日から3月4日までの軍事行動の結果、ドネツク
  人民共和国領域における社会人道的状況の概要
  2022年3月4日 出典:現地調査者 DPRオンブズパースン 
  ダルヤ・モロゾワ(Darya Morozova)報告

参考4
 ウクライナが壊滅的な損失を被る理由
   2023年5月25日 出典:VZ(ロシア語)
  ゼレンスキーは、ウクライナ人の犠牲者の規模について初めて発言
  した。彼によれば、AFUは毎日100人の兵士を失っているという。ウ
  クライナ大統領はこの数字に愕然としているが、実際には、第一に
  自国の損失はもっと大きく、第二にキーウ政権はそれを隠そうとする。
  この損失の本当の規模はどの程度なのか、なぜロシアでは著しく低
  いのか。
  ...
  ゼレンスキーが言った時には、この損失は恐ろしく聞こえるが、現実
  にはもっと大きいはずだ。彼は、以前からそれらをひけらかして、い
  やむしろ過小評価していた。特別作戦全体では、(1日)最大で3,000人
  である。 しかし、少し前にロシア国防省は、AFUの損失は3万人であ
  ると述べている。現在、ロシアの推計では、回復不能な損失(死者)
  と死傷者(負傷者)の両方を含めて5万人以上である。この中に、同
  じくウクライナに流失した捕虜が含まれているかは不明である。

参考5
  キーウが露側に捕獲されたアゾフスタル戦闘員捕虜の殺害を決めた理由
  ウクライナ軍はまたもや大量殺人を犯した。今回、米国のHIMARSは、
  ウクライナ人戦争捕虜が収容されていたイェレニフカのDPR流刑地
  を攻撃した。また、そこで降伏したアゾフの軍人もいて、指揮官に対
  する証言を始めていた。
  国土安全保障省当局によると、死者は合計で50人を超えたという。
  なぜウクライナ軍は自国の軍人を滅ぼす必要があったのか?
  金曜日、ウクライナ軍が米国製HIMARS MLRSから、ウクライナ人捕
  虜が収容されているイエレニフカ近くの収容施設に攻撃を開始したこ
  とが明らかになった。国防省の公式報道官であるイホル・コナシェン
  コフ中将はこう述べた。