アンコール遺跡群現地調査報告 カンボジア民族舞踊とは 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2019年2月24日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
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アンコール遺跡全体目次 カンボジア民族舞踊とは 民族舞踊(静止画) 民族舞踊(動画) 今回、アンコール遺跡視察の合間(夕食時)に、カンボジアの伝統舞踊で有名な、アプサラを宿泊先ホテルの遺跡案内人(学芸員)の計らいで、最前列でじっくりみることができました。 カンボジア舞踊は民衆舞踊、民族舞踊、古典舞踊に分けられます。古典舞踊は神々に捧げるための宮廷舞踊で、女神(アプサラ)のダンスであるのに対し、民衆舞踊や民族舞踊は一般庶民のための舞踊で有り、生活や暮らしに根ざしています。 ◆民衆舞踊:カンボジア人なら誰もが踊れる楽しい踊り。 4月のカンボジア正月などに皆で踊ります。 ◆民俗舞踊:人々の暮らしや、農作業の中で生まれた踊り。 ココナツダンス、魚捕りの踊りなどが有名です。 今回の視察では、民族舞踊の魚取り踊りとココナツダンスと女神のアプサラダンスを組み合わせたショーを見ました。 一方、古典舞踊:神々にささげるために宮廷で伝えられてきた踊りでは、アンコール・ワットの壁画から作られたアプサラダンスなどが有名です。カンボジアの伝統舞踊、アプサラについて、カンボジアナビから以下にその概要、歴史などを紹介します ◆カンボジアの伝統舞踊・アプサラとは 出典:カンボジアナビ カンボジアの伝統舞踊といえばアプサラ・ダンスが有名です。アプサラは『天使・天女』を意味し、踊りは神への祈りとして捧げらるものでした。 9世紀頃に生まれたこの宮廷舞踊は、アンコール遺跡のレリーフにも数多く登場する踊りで今やカンボジアの名物になっています。 カンボジアの伝統舞踊、アプサラ シェリムアップのレストランシアターにて 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-4 カンボジアの伝統舞踊、アプサラ シェリムアップのレストランシアターにて 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018-4 踊り子の反り返った手と指の動きが特徴的ですが、それぞれの手や指の動きには意味があり、生命の一生、儚さを花の芽生えから実が落ちるまで例えて表しています。 踊り子は王室古典舞踏学院にて養成されていましたが、ポル・ポト政権のクメールルージュによって、宮廷古典舞踊は王政を祭わるものとして、300人を超す先生や踊り子のうち90%もの人々が処刑の対象となってしまいました。 振り付けを記録した書物もこの時にほとんどが消失したそうです。難を逃れた数人の先生たちの働きによって復活を果たし、1989年から伝統舞踊の復活を目的に舞踏教室が始められました。 「似たような踊りをタイで見たからいいや」と言われる方も多いのですが、実は源流はカンボジアなのです。 アンコール王国が15世紀にシャム(タイ軍)に滅ぼされたときに宮廷舞踊団がそのまま連れて行かれ、アユタヤ朝の娯楽とされ、アユタヤ文化として栄えた後に、カンボジアに逆輸入されることとなりました。タイのアユタヤ舞踊との違いを感じるのも面白いかもしれません。 アプサラショーはアンコール遺跡があるシェムリアップだけでなく首都プノンペンでも見れるとのことです。
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