がんの予防 Aリンパ球 NK細胞の詳細について 青山貞一 Teiichi Aoyama October 24 ,2014 Alternative Media E-wave Tokyo |
@がん細胞を攻撃、死滅させるリンパ球 Aリンパ球 NK細胞の詳細について Bリンパ球を増やす方法−1(食事療法) Cリンパ球を増やす方法−2(免疫療法) ◆リンパ球のさらなる説明 白血球はウイルスや細菌などと戦う役割を担っている免疫システムの要となる存在です。 白血球の主な構成物には@マクロファージ、A顆粒球、Bリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)の3つがあります。 この中で、がんに対し最も戦闘能力が高いといわれているのが、リンパ球で、これらの数を増やすことは、免疫力を高める上で重要なポイントになります。 この場合、リンパ球とは言っても大きく分けて3種類があります。 ●T細胞 ・ヘルパーT1細胞(敵がウイルスの時、キラー細胞を呼び出す役目をする) ・ヘルパーT2細胞(細菌や異物などに反応し、B細胞を呼ぶ) ・キラーT細胞(自分の標的を見極めて狙撃する。一人一人攻撃する相手が違う) ・サプレッサーT細胞(敵をすべて倒したとき、攻撃終了の合図を出す監視役) ●B細胞 ・抗体というミサイルを作り異物を攻撃する。働きすぎるとアレルギー症状を引き起こす原因となる。 ●NK細胞 ガン細胞など抗原が出にくい敵を担当する特殊部隊。ガン転移、がん予防では注目されるリンパ球のひとつです。 このように、白血球、リンパ球と一言で言っても、さまざまな役割をする免疫細胞の集合体であることがわかります。 出典:http://www.menekiplaza.com/column/naturalkiller.html 次に、がん転移やがん予防で注目されるNK細胞について詳しく見てみましょう。 ◆NK細胞(白血球)の形状、働き、特徴 以下の主な出典:http://blood.e840.net/b101240.html NK(ナチュラルキラー)細胞: これはNK細胞が正常なノーマル細胞を攻撃しないようにするためにNK細胞がシグナルを受け取る仕組みと言えます。 腫瘍細胞・ウイルス感染細胞などを傷害するナチュラルキラー細胞(-さいぼう、NK細胞)は、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の一種です。特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要です。 細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味でナチュラルキラー細胞と名付けられています。 形態的特徴から大形顆粒リンパ球と呼ばれることもあります。 NK細胞は、T細胞受容体(TCR)、T細胞普遍的マーカーであるCD3、膜免疫グロブリンであるB細胞受容体を発現していない大型の顆粒性リンパ球であり、通常ヒトではCD16(FcγRIII)とCD56、マウスではNK1.1/NK1.2という表面マーカーを発現していまし。 NK細胞は定常状態でも活性化した細胞傷害性リンパ球に特徴的な形態(大きなサイズ、小胞体に富む細胞質、顆粒など)をしており、新たなタンパク質合成や再構成をほとんどせずに、そのままで細胞傷害性を示すことから迅速に応答することが可能です。 NK細胞(白血球)の活性化機構 NK細胞には強い細胞傷害能があり、また自己を攻撃する可能性があることから、その活動は厳密に制御されています。 NK細胞は様々な形の活性化シグナルを受けなければならないようになっていますが、中でも次に示すものが最も重要なものとなっています。 サイトカイン IFNα/βがNK細胞の活性化に必須です。これらはストレス分子であり、ウイルス感染細胞から放出されるため、NK細胞にとってはウイルス性の病原体の存在を示すシグナルとなります。 遍在的な活性化因子であるIL-2やIFNγもNK細胞を活性化することができます。 Fc受容体 NK細胞はマクロファージやその他の細胞種と同様、Fc受容体(抗体のFc部位が結合する活性化受容体)を発現しています。 出典:http://www.intechopen.com/ これにより、NK細胞は、液性免疫により感作された細胞を標的にした抗体依存性細胞傷害(ADCC)を行うこととなります。 活性化受容体・抑制性受容体 NK細胞はFc受容体以外にも、細胞傷害活性を活性化したり抑制したりする様々な受容体を発現しています。 これらは標的細胞上の様々なリガンドに結合し、NK細胞の応答を制御するのに重要です。 NK細胞がサイトカインに応答することで、感染を排除できる抗原特異的な細胞傷害性T細胞が獲得免疫応答により生じるまでの間、ウイルス感染をコントロールするのに役立ちます。NK細胞を欠く患者はヘルペスウイルス感染の初期に高感受性を示します。 NK細胞(白血球)の受容体 抑制性受容体は、MHCクラスI分子を認識しており、これによりなぜNK細胞がMHCクラスI分子の発現が低い細胞を殺すのかが説明できます。 NK細胞受容体のタイプは構造的に分化しています。 1.CD94:NKG2(ヘテロ二量体) 齧歯類と霊長類で保存されているCタイプレクチンファミリー受容体で、HLA-Eのような非典型的(かつ非多型的)なMHC I分子を認識します。HLA-Eの細胞表面での発現は典型的(多型的)なMHCクラスI分子のリーダーペプチドの存在に依存しているため、間接的にではありますが、これは典型的HLA分子の発現量を検出する手段になっています。 2.Ly49(ホモ二量体) 比較的由来の古いCタイプレクチンファミリー受容体で、マウスでは複数遺伝子があるがヒトは偽遺伝子が1つあるだけでし。 典型的(多型的)なMHCクラスI分子の受容体。 3.KIR(Killer cell Immunoglobulin-like Receptors) 最近進化したIg様細胞外ドメインを持つ受容体の多遺伝子族に属します。霊長類では、典型的なMHCクラスI分子(HLA-A, -B, -C)と非典型的なHLA-Gの両方に対する主要な受容体です。特定のHLAサブタイプに特異的なKIRもあります。 4.ILTまたはLIR(leucocyte inhibitory receptors) 最近発見されたIg受容体ファミリーのメンバーです。 NK細胞(白血球)の細胞傷害機構 NK細胞の細胞質の顆粒には、パーフォリンやグランザイムなどのタンパク質が含まれており、これが細胞傷害活性の中心的な役割を担っています。 パーフォリンは傷害する細胞のごく近くで放出され、細胞膜に孔を開けてグランザイムや関連分子が中に入れるようにしています。 グランザイムはセリンプロテアーゼであり、標的細胞の細胞質でアポトーシスを誘導します。 免疫学においてアポトーシスと細胞溶解の区別は重要です。 ウイルスに感染した細胞を溶解するとウイルス粒子が放出されてしまいますが、アポトーシスならば内部のウイルスを破壊することができるからです。 つづく |