3.11後も依然として 日本国民のマスコミ「鵜呑度」 世界最悪 青山貞一 October 27, 2015 独立系メディア E-wave Tokyo Independent Media E-wave Tokyo 無断転載禁 |
私達(独立系メディア E-wave Tokyo)は、以前から国民が全国的な新聞やテレビなど大メディアの記事、報道を鵜呑みにする度合いを「鵜呑度」として社会指標化し国際比較をしてきました。 これについては、すでに多くの論考や動画を公開していますので、まだの方はたとえば、以下をご覧ください。 ◆青山貞一: 考えない日本人 マスコミ報道 鵜呑み度 日本人70% 独立系メディア E-wave Tokyo 過去の調査ではっきりしたことは、世界中で一番「鵜呑度」が高い国は日本であり、国民のほぼ70%が新聞、テレビの報道内容を鵜呑みにしていることです。他方、「鵜呑度」が最も低い国は英国でほぼ14%、米国、ロシア、西欧諸国はおおよそ25−35%の範囲にあることです。 , ところで、上記の国際比較の元データは、世論調査会社、日本リサーチセンターが行ったものをベースとしてきましたが、残念ながら最新データは2005年のものでした。以下は調査対象の全部ではありませんが、主要国の鵜呑度について2000年と2005年の調査結果を一覧表示しています。 何と多くの国々で「鵜呑度」が下がっている中、世界一「鵜呑度」が高い日本は2005年が2000年よりも2.5%も上昇していることが分かりました。他方、英国はもともと「鵜呑度」が世界で一番低かったのですが、2000年に比べ2005年調査では1.7%下がり、12.5%となっています。 日本は2010年後、東日本大震災、福島第一原発事故など多くの災害、事故を経験し、少しは「鵜呑度」が下がったのではないかと推察していました。 残念ながら日本リサーチセンターの各国調査は、手元に届いていないのですが、今回、日本の公益財団法人新聞通信調査会が日本人相手に行った大メディアへの国民の信頼度(=これを青山は鵜呑度としています)が公開されました。 正式には2015年メディアに関する世論調査結果発表です。この調査は、全国18歳以上、5000人を対象にしています。また調査結果の発表は、2015年10月26日です。 結果をみて唖然としました。 日本国民は新聞で69.4%、、テレビ(NHK)で70.2%と、依然として世界ダントツの「鵜呑度」70%を維持していることが分かったからです。すなわち3.11以降も日本人のマスコミ鵜呑度はほとんど変わっていないことがはっきりしてきました。2005年の調査で日本国民の「鵜呑度」72.5%と過去最大になったことに比べれば少し下がったと言えますが、70%は2005年以前ずっと続いてきたパーセントです。 以下は調査結果を報ずるニュースの一部です。 調査結果の発表は、2015年10月26日ですが、調査派2015年8月21日(金)から9月8日(火)までの間に行われていることから、原発再稼働問題はじめ安倍政権の集団的自衛権、安保法制などに関わる日本を揺るがす大きな社会問題、政治問題が起きている最中での調査となります。 日本の大メディアについては、それらの報道に関して腰が引けてる、国民が知るべきことを報道していない、或いは非常に小さくしか報道していないなどの批判が渦巻いていたはずです。 今回の結果は、ひとつは日本の多くの国民は、依然として従来通り大メディアの内容を70%が鵜呑みにしていること、ふたつめは、その大メディアがとりわけ権力批判に腰が引けている報道内容もそのまま鵜呑みにしている現実が浮き彫りになりました。 その本質は、日本国民は英国など諸外国の国民のように大メディアの報道を安易に信ずることなく、仮に多くの情報源の一つとして大メディアを見たり読んだりしても、自分自身の頭でそれらの内容を吟味、選択、評価していないことにあるのではないかと思っています。 これは私見ですが、日本の大メディアは政治、外交、防衛、軍事などではきわめて偏った報道をしていると思われます。たとえば外交、防衛などでは米国そしてせいぜい英国から流れてくる情報ばかりがこれでもかこれでもかと報道されています。たとえばISIL問題、ウクライナ問題、スプラトリー諸島等々、係争中の問題についてそれが顕著です。これではコトの本質を見極めることは出来ません。 ところで、以前、 ◆青山貞一: 考えない日本人 マスコミ報道 鵜呑み度 日本人70% YouTube 独立系メディア E-wave Tokyo https://www.youtube.com/watch?v=d7Dl-Mh_bec ◆<論点>青山貞一:日本人のマスメディア<鵜呑み度>は世界一 独立系メディア E-wave Tokyo http://eritokyo.jp/independent/aoyama-unomi001..html ◆青山貞一:さらに進む日本人の鵜呑み度? 信頼できる情報源調査結果 独立系メディア E-wave Tokyo http://eritokyo.jp/independent/aoyama-democ144724...html を見られた(読まれた)ウォールストリートジャーナル紙の記者が青山にインタビューに来られたとき、2時間ほどさまざま議論しました。 その記者が帰り際に青山に、「民主党政権が崩壊した後、おそらく自民党政権(あるいは名称は変わろうと自民党的な政権)が今後200年続くでしょう。」と言われました。 記者はそこまで述べませんでしたが、その根本的な原因は、日本人が自分の頭で自立的そして自律的に考えることをしないことないこと、それはおそらく江戸時代からつづいてきた寄らば大樹、よらしむべし知らしむべからず的、すなわち受動的な姿勢が現在さらに将来も大きく変わらないことにあると思えます。 追伸 日本国民の約70%が大メディアを鵜呑みにしていることに加え、日本国における「鵜呑度」問題は別途あると思われます。 それは、政党新聞ないしそれに準ずる機関紙、また事実認識より価値判断(イデオロギー)を優先する週刊誌、雑誌などを鵜呑みにする国民です。これらは上述の70%と重なっている場合もあり、逆に「鵜呑度」の70%には含まれず、残りの30%に含まれる場合があります。 日本では憲法により思想信条の自由があることから、それらをとやかくいいませんが、70%に含まれない30%のなかに、事実認識より価値判断(イデオロギー)を優先する週刊誌、雑誌などを鵜呑みにする国民がいることもおそらく事実でしょう。 共通しているのは、自分の頭で考えることがないことです。 |