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普天間基地移設問題に関しては、自民党幹部からだけでなく新聞、テレビなどの大メディア、外務省、防衛省OBの評論家らからも鳩山首相はメチャクチャな批判、攻撃にさらされている。 だが私見では本件に関してだけは、鳩山首相は結果的に適切な対応をしていると思う(笑い)。 日米ロードマップを金科玉条とする自民党幹部やその周辺にいる御用学者や評論家、さらに不勉強な大メディアからは、意図的に米国の統合軍事開発計画の中身や、同計画を対象にした米国の国家環境政策法(NEPA)にもとづく環境アセスメント(戦略、戦術面及び環境配慮からの立地代替案分析)によって「グアム」が9つの代替候補地のなかで最適な立地であると米軍自身が判断しているという事実が隠し続けられている。 ◆青山貞一:米国の海兵隊グアム移転計画(統合軍事開発計画)と日本側の情報操作による世論誘導!? 当然、大部分の外務、防衛官僚らも、自民政権当時の考え方(情報操作)の延長で、普天間代替施設は、日米合意のキャンプシュワブ・辺野古沖しかないと大合唱している。大メディアは、仮に意図的でない場合でも、ほとんどまともな調査をせず、その大合唱に加わっているのは信じがたいことだ。その結果、鳩山内閣の支持率はどんどん低下している。 岡田外務大臣、北沢防衛大臣は、どう見ても沖縄県の伊波宜野湾市長がグアムへの現地視察を含め冷静沈着そして実証的にこの問題を徹底調査した上で述べている諸点をまったく踏まえていないと思える。 しかも、ここ数ヶ月、岡田外務大臣、北沢防衛大臣それぞれが勝手なことを会見で述べているのは信じがたいことである。 おそらく両大臣は単に官僚に取り囲まれているだけでなく、北沢(長野県選出)などは自民党以上に、自民的な思考の延長で普天間しかないと述べているのであろう。いうまでもなく両者ともに自民党出身者である。 自民党的そして外務・防衛官僚的な考えでは、ことの真実が民主党の中枢部そして国民に知られる前に、大メディアを使い鳩山首相をバッシングし、少しでも早く、正式に政府として辺野古への普天間代替施設の立地について合意させようとしているのであろう。真実が明らかになる前に、辺野古に決めさせようということだ。 なぜなら、それが日米それぞれの「関係者」にとって利権的に見てよいからだ。 米国側は、日米ロードマップ策定以降、日本政府が米海兵隊のグアム移転にともない実に数1000億円に及ぶ「カネ」を出してくれることになったこともあり米国は統合軍事開発計画でグアム移転を粛々と進めればよい。 最も重要なことは、伊波市長が繰り返し延べ、ホームページに御証拠を掲載しているように、米国はいずれにせよ司令部だけでなく実務部隊を含め沖縄の海兵隊をグアムに移転させることになっていることだ。 日本政府が辺野古への普天間基地代替施設をつくっても、それがせいぜい数年しか使えなくても、グアムへの海兵隊約8000人とその家族ら約9000人の超高額の住宅施設などの経済負担を日本政府が思いやり予算などで負担してくれれば御の字なのである。 もっぱら、日本側が辺野古に普天間代替施設を造っても、米軍の海兵隊の残存部隊は周知のようにMV22オスプレイの沖縄のやんばるへの配備を考えている。現在行われている日本側の辺野古移転に伴う環境アセスでは、防衛省側はまったくMV22オスプレイ関連施設を環境アセスの対象に含めていない。 私達が行っている国相手の行政訴訟もその点も突いているのだが、いずれにしても日本政府が10億円も投じて「株式会社いであ」(同社は、過去、新日本気象海洋→国土環境→いであと会社名を変えている)に頼んで、同社が行った環境影響評価はあらゆる点で問題がある。行政訴訟の有無にかかわらず同環境アセスが頓挫することは目に見えている。とりわけ既に米国で日本側が敗訴している辺野古周辺の海域にジュゴンが生息しているという事実は辺野古の海を埋め立て飛行場をつくれない決定打となるだろう。 米国はホンネでグアムのアンダーセン基地を利用し沖縄の海兵隊だけでなく、各地から海兵隊を集め司令部だけでなく、実戦部隊を含めた基地をつくるのだから、辺野古に普天間飛行場の代替施設を日本政府が自分のカネでつくることなどどうでもよいのだ。 ましてMV22オスプレイの実戦配備が×だとすれば、もともと沖縄の戦略的役割は低く、本命のグアムへの最終的な全面移転を粛々と実現すればよいのだ。 米国政府がなぜこの事実を日本側に公衆の面前で伝えないかという疑問がある。その理由は繰り返すが、本来米国自身が負担すべき沖縄からグアムへの移転に伴う数1000億円の資金を日本側が出してくれることにあると思える。だから、米国政府は率先して日本政府にことの経緯、ホンネを話していないのだろう。 もし、伊波市長が述べていることが事実、というより「真実」であれば、日本側が辺野古を対象に普天間代替施設の環境アセスを行い、同時に、米国側がグアムを対象に統合軍事開発計画の環境アセスを行うという、きわめて異常な事態が進行していることになる。 日本の新政府は、これらの事実を目を見開いて見なければならない。 それにつけても大メディアは本件を福島瑞穂大臣ら社民党が無理難題を鳩山総理に申し入れているとか、数名の少数党の言うことなど聞くことなどないとまで言っているが、少々古い言い方だがまさに彼らは「非国民」である(笑い)。 この問題の本質、本筋は言うまでもなく、日本復帰後、沖縄に新たな米軍基地がひとつもつくられていないこと、その中でこともあろうか、普天間飛行場の代替施設が沖縄県内につくられようとしていることである。 しかも先の総選挙で普天間飛行場代替施設の辺野古移転に反対する民主党議員が全員当選したという事実をもある。ジュゴンの海に巨大で利権に満ちたV字型軍事滑走路を建設することは、トンデモないことであり笑止千万なのである。 ところで、本件に関連し、民主党のなかで、とくに酷いのは長島昭久政務官である。この人はずっと、自民党の回し者のような対応をしており怒りを感じる。元々、長島氏は自民党から出馬する予定だったが、当時それがかなわず、川田龍平氏の母親が立候補した選挙で民主党から立候補、落選している。もとはといえば石原伸晃衆議院議員(自民党)の公設秘書をしているではないか。 経歴からも河野太郎議員同様、米国一辺倒で政権交代直後に米国に行き、例のガルシア島沖の給油活動を日本が継続する意志があるような発言をワシントンDCの記者会見で述べていた。 北沢大臣は長島政務官のように、そもそも何処を向いて政治をしているのか分からないような人物を要職に付けていること自体、不可思議と言わざるを得ない。 帰国後、上層部から怒られ少し静かにしていたようだが、先のNHKの日曜討論(司会や景山日出夫解説委員)では、岡本、森本両氏との議論で、辺野古容認的な発言に追い込まれ、将来グアムに全面移転した場合、辺野古を民間空港として利用すれば良いといったトンデモナイ発言をしていた。 数1000億円を投じて建設する軍施設を数年で使わなくなったら民間に払い下げるなど、フザケルナと言いたい!そもそも民間空港がどこもかしこも経営的に成り立たず、廃港に追い込まれようとしている現実をどう認識しているのだろうか? 河野議員は先週まで米国に行っていたが、以下のスケジュールとブログにもあるように、普天間問題で米国側を煽っているようにも見える! おそらくこの種の政治家や評論家が自民だけでなく民主の中にも沢山いて、情報操作によるメディア誘導をしているのではと考える。 朝日新聞の最新の世論調査では、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる内閣の対応は「評価しない」が60%で、「評価する」の30%を大きく引き離したとされている。 だが、朝日新聞に限らず日本の大メディアが本件に関し、まともな調査もせず、旧政権やその関係者らの言い分を繰り返し、「真実」をまったく伝えようとしていないことこそ問題である。 大メディアは、自民党幹部や省庁OBなどの評論家の情報操作による世論誘導に乗ってプロパガンダを垂れ流し、国民の知る権利に応えていないことの方が大問題ではなかろうか! 以下は、「ごまめの歯ぎしり メールマガジン版。 衆議院議員 河野太郎の国会日記 =========================================================== アメリカ東海岸出張−3 12月16日 08:00 ニューヨーク発 09:12 ワシントン レーガン空港着 10:30 CSIS 意見交換会(−12:10) マイク・グリーンCSIS日本部長、セチェイニーC SIS日本部次長、ビル・ブリアCSIS上級顧問、 ラスト・デミングSAIS教授、ロビン・サコダ(ア ーミテージ・インターナショナル)、シーラ・スミス CFR上級研究員、ジェームズ・アービングトン(レ イセオン)、マーク・マニン議会図書館東アジア研究員 12:15 アーミテージインターナショナル主催昼食会 15:30 ダニエル・イノウエ上院議員(−16:30) 17:00 リチャード・シェルビー上院議員(−18:00) 18:00 ハドソン研究所レセプション 18:30 在ワシントン スコット・ジョンソンフェロー夕食会 12月17日 09:30 ケント・カルダーSAIS教授(−10:30) 11:15 ペギー・マキーン国務省アフガニスタン担当部 12:00 カート・キャンベル国務省次官補 13:00 ロバート・トムキン コングレッショナルクォータリー 14:00 サイモン・ローゼンバーグ NDN所長(15:30) 16:30 エド・ギレスピ 前全国共和党委員長(−17:30) 18:30 ダニエル・イノウエ上院議員主催夕食会 12月18日 11:20 ワシントン発 ワシントンは医療保険改革で民主党と共和党が激しく対立している。 ダニエル・イノウエ委員長がとりまとめた国防予算案も、委員会は全会一致だったのに、医療改革の審議を遅らせるためにフィリバスターされ、フィリバスターを止める採決が金曜日の朝1時に行われた。イノウエ議員は、夕食会を開いてくれたが、夜の12時にみんな登院しなければならないと笑っていた。 金曜日の朝1時の採決がうまくいけばそれから30時間の審議で採決になる。土曜日の朝7時だ。 イノウエ議員は正月に来日を予定している。沖縄と東京ということだった。 イノウエ議員の委員長室にお邪魔する。暖炉でまきが燃えていた。議事堂の上院側には全部で暖炉が六つあるそうだが、そのうち三つはイノウエ議員が占領している部屋にあるそうだ。他の三つは上院の多数派院内総務と院内幹事、サージェントアットアームズの三人が一つずつ。 イノウエ委員長の部屋には、議事堂からモールを見下ろすバルコニーもある。 上院ではバルコニーが力の象徴になっている。金融改革法案のとりまとめをしているシェルビー上院議員のラッセルビルの部屋にもバルコニーがあって、議員が自慢気にバルコニーを見せてくれる。議事堂とワシントンモニュメントが夕日に映えてきれいだ。 もともとはテッド・ケネディ上院議員が何年にもわたり占領していた大きなバルコニーだそうだ。 ワシントンでは日米関係に対する危機感が強い。 国務省や国防省でも日本の担当者は頑張っている。日本担当者は、鳩山首相が小沢一郎の指示を仰がなければならず、参議院選挙までは普天間基地に関しては、なにも決断は無いということを前提に、それ以外の案件をこなそうとしている。 しかし、ジャパンハンドとよばれる日本担当者は、このままいくと政府内の企画セクションが日本は同盟国として信頼ができないという判断の下に戦略の企画を始めてしまうと心配している。 日本の安全保障にとって最も喫緊な課題は、北朝鮮の核ミサイルに対する抑止だ。 アメリカ政府内では、ICBMで抑止するというだけではきちんとした抑止をできないという考えが強い。戦略核から戦術核、通常兵器の選択肢を並べて抑止のオプションを広げなければならないというのがコンセンサスだ。 ただし、どういうオプションが必要なのかをアメリカが提案するよりも、日本がまず、オプションを求めるべきだという。なぜならば、非核三原則をはじめ、アメリカではなく、日本が決めなければならないことが多いからだ。 具体的な核抑止戦略を、日本国民に説明しながら、日本国民を巻き込みながら、議論していく必要がある。 北朝鮮の核ミサイル配備が現実味を帯びていく中で、鳩山政権がPAC3の予算を削ったことに対する疑問はアメリカ政府、アメリカ議会に共有されている。 MV22オスプレイは沖縄に配備されるだろう。アメリカ側から聞いていないというこれまでの外務省の説明はもはや通用しない。 面倒くさいことを先送り先送りしてきたから、せっかくの環境アセスと時間が無駄になった。きちんと決断をして国民に説明していくことが必要になる。 F22ラプターの日本に対する輸出は、書類上では可能性が残されているが、たぶんないだろう。F35JSFにワシントンは傾いている。 アフガニスタンはかなり難しい状況にあるといわざるを得ない。 国務省はほとんど手詰まりだ。カルザイ政権の新しい閣僚、新しい州知事に期待するというだけで、具体的な戦略があるとは思えない。 日本が支払った警察官の給与が本当に警察官の手に渡ったのかどうかを検証するすべはどうやらなさそうだ。モバイルバンキングで確認ができるという話は、単なるお笑いぐさだった。 ベトナム戦争の時の国務省もこんな感じだったのだろうか。 |