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2010年9月の民主党代表選、あれほど大マスコミによる小沢バッシングの嵐が吹きすさんだにもかかわらず、民主党国会議員のほぼ半分が小沢氏に投票したのである。 本質的な理由を簡単にさがすことができる。 それは大マスコミの集中砲火、攻撃があっても、こと国会議員段階では小沢氏と菅氏の間に政治家としての格、資質、見識、品位に雲泥の差、歴前の差があったからである。 投票日当日の民主党の候補者演説会は時間は短かかったが、小沢氏と菅氏の政治哲学、政治理念、外交防衛の基本、政策、予算組みなどについての演説で両者の違いは歴然としていた。 ◆2010年9月14日 民主党代表選挙投票直前決意表明 ・小沢一郎候補 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100914taikai_02.asx ・菅 直人候補 http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20100914taikai_03.asx 菅氏サイドは、電話を使い一年国会議員や中堅議員への利益誘導に類する行為を行ったようだ。中堅には政務三役や委員長ポストなどをチラつかした。 それにも関わらず、国会議員レベルでは小沢氏は堂々と五分五分の勝負をしたのである。 小沢氏が自民党時代、また自民党を飛び出した後でも、政治資金問題や談合問題などでいろいろ書かれ批判されたことはあった。しかし、利権だけなら自民党の幹事長職にとどまっていた方がよいに決まっている。 小沢氏が敢えて自民党を飛び出してまでしたかったことこそ重要である。 小沢氏は今でも日本に民主主義を根付かせること、政権交代を可能とさせること、そのための仕組み作り、人材作り、教育について語る。 多くの日本人は誰しも日本は先進国であると勘違いしているが、日本の先進性は技術だけであって、こと民主主義、政治、情報公開などは後進国もいいところだ。政権交代の有無は、ある国家が民主主義国家であるかどうかの大切なバロメーターであるが、周知のように日本社会では昨年まで政権交代はなかった。 これは政治家はもとより、それを選ぶ国民にも同様なことが言える。私たちの言葉にいうように日本国民の圧倒的多くは「観客民主主義」状態にある。 ところで、民主党の代表となってこの方、小沢氏には大メディアと自民党が執拗に責め立てるような私服を肥やすことなことはなかったと思えるし、小沢氏には職務権限もなかった。洋の東西を問わず、政治にそれなりのカネがかかるのは仕方がないことである。 逆に小沢氏を口汚くテレビなどで攻撃している元新聞記者などのジャーナリストや評論家の多くが自民党時代、いわゆる官房機密費などから講演料などの名のもとに多額のカネをもらっていることこそ、糾弾されなければならないだろう。 ..... いずれにせよ、今回の一連の小沢氏攻撃は異常である! 政権交代が見えてきた2009年の3月、突如、東京地検特捜部は小沢氏の公設第一秘書を逮捕、その後、次々に事務所などの家宅捜査、他の秘書や現役衆議院議員を逮捕した。小沢氏本人に対しても幾度となく事情聴取を行った。 だが、今や流行語大賞となりそうな「法と証拠」で判断すると、東京地検特捜部は小沢氏を起訴することはできなかった。 先行して逮捕した大久保公設第一秘書や現役衆議院議員として逮捕された石川衆議院議員についても、起訴はしてみたものの、裁判はいずれも隘路に入っている。確たる証拠がないのである。 ◆小沢氏元秘書石川衆院議員実質無罪確定=虚偽記載の有力証拠壊滅 ◆「訴因変更」で立ち往生 大久保元秘書公判 毎日新聞 ◆青山貞一:地検特捜部、小沢不起訴と暴走大メディアによる小沢氏名誉毀損問題を徹底検証する! 2010年11月25日号の日刊ゲンダイは、小沢裁判、急浮上し始めた「大逆転」の可能性、司法現場は大混乱、検察が裏金分からないと白旗、公判のめど立たずという見出しで、起訴した石川衆議院議員の公判が維持できそうもなく、検察庁側が立ち往生している状況を報じている。
また第五検察審査会の起訴議決も「違憲」、「無効」の見方が有力と報じている。
これについて、私の入院先の病院に見舞いに来られた大学教授で行政法専門の友人や弁護士も、検察審査会の違法性について言及していた。何ら情報開示がない検察審査会そのものの存在が三権分立からもはみ出していて最高裁も頭を悩ましているのだろう! ◆小沢検察審:情報公開請求の回答は全て黒塗り 日刊ゲンダイ これとて大メディアはほとんど国民に報じていないが、勝手なシナリオを作り、安易な見込みで行ったこの間の地検特捜部の捜査が、前田検事事件で分かったようにきわめて杜撰なものであったことを如実に示すものである。 そして、こともあろうか昨年8月下旬の政権交代後、本来、一国の総理となりうる小沢一郎氏の周辺を特捜部があの時期にいきなり家探し的捜査したこと自体おかしいのである。 その後分かったこととして、小沢氏捜査は、どうみても前政権の法務大臣による政権交代潰しの指揮権発動があったとしか思えない。事実、そのように発言している元参議院の大物政治家もいる。 ◆青山貞一:氷解してきた小沢攻撃の全容〜すべて前政権の意図的策謀か? 以上、この間の復習をしてきたが、いずれにせよ、もともと良くて年内もつかどうかと識者に指摘されてきた菅政権が頓挫、いや頓死する前に、民主党の衆参国会議員の約半分(200名)が投票した小沢氏に総理をやってもらうのが筋である。 その後、小沢氏はニコニコ動画(通称、ニコ動)の依頼に応じ、1時間30分にわたり生出演し、今後、日本を運営していく上での政治理念、ビジョン、個別政策に至るまで対応した。 ◆ニコ動生出演全容 ◆小沢一郎ネット会見、質問にすべて答えます<ニコニコ動画タイムシフト視聴> ◆大手メディアに波紋を起こした小沢氏ネット出演 永田町異聞 ◆「小沢一郎ネット会見」 新聞・テレビはどう伝えたか ニコニコニュース ◆小沢一郎 ネット会見の狙い 日刊ゲンダイ つづく |