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ウィーンフィル

ニューイヤーコンサート

2011

青山貞一


掲載月日:2011年1月10日
初出:独立系メディア



 2011年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、フランツ・ウェルザー・メストの指揮で第一部、第二部、それに恒例のアンコール曲がウィーンの楽友協会のコンサートホールで演奏された。

 私は毎年かかさずウィーンフィル・ニューイヤーコンサートをNHKの中継で楽しんでいる。

青山貞一:ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2010
◆青山貞一:ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2008 


ウィーンの楽友協会コンサートホール  青山貞一撮影

 その昔、ウィーンにある環境分野のベンチャー企業と環境総合研究所はパートナーシップを組んで仕事をしていた。

 そのころ、よく仕事でウィーンに出かけていたが、ウィーン市民に聞いてもこのコンサートは数年前から予約しないと聴けないとか、チケットにはプレミアが付き高額でなかなか手に入らないと聞いていた。

 ということで、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは無理だが、ウィーンに行くとあちこちでクラシックコンサートをしており、あるときウィークデーの夜、シェーンブルン宮殿のプラチナの間で弦楽四重奏などがリーズナブルな料金で2時間半ほど楽しんだ。

青山貞一:真冬の夜のウィーン:シェーンブルン宮殿コンサート

 
ウィーンのシェーンブルン宮殿にて  青山貞一撮影


ウィーンのシェーンブルン宮殿にて  青山貞一撮影

 ウィーンに行かれるひとは、ぜひ、このシェーンブルン宮殿のなかで行われるミニコンサートに出かけて欲しい。

 ところで、このウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、全世界に地元テレビ局のORFが中継(日本はNHK)してくれ、居ながらにして世界一の交響楽団の演奏が存分に楽しめるのは実にありがたいものだ。


◆指揮者 フランツ・ウェルザー・メスト氏について

 今年の指揮者、フランツ・ウェルザー・メスト氏は、1960年8月16日 生まれ50歳、もともとオーストリアの指揮者である。



 本場、オーストリアのリンツで肺疾患の専門医の父と国民議会議員の母のもとに生まれ、14歳で地元の音楽高校に入学した。

 ここで作曲家バルドゥイン・シュルツァーに学ぶ。当初の志望は指揮者ではなくヴァイオリニストだったが、1978年11月19日、シューベルト没後150周年記念日にシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」の演奏のため会場に向かう途中、交通事故に遭遇、背骨を3ヶ所も折る重傷を負った。

 それによりヴァイオリニスト志望の断念を余儀なくされ、志望を指揮者に転向し、ミュンヘン音楽大学に進学、1979年のカラヤン国際指揮者コンクールでは参加者中最年少ながら、セミ・ファイナリストの一人に選ばれている。

 指揮者として、はじめは地元リンツ、後はオーストリア全体のユース・オーケストラの指導を通じて指揮者としての経験を培う日々を送る。



 たまたま演奏を聴いたアンドレアス・フォン・ベニヒセン男爵がマネージャーになることを申し出、1985年には養子縁組関係を結び、それと前後して元の姓名フランツ・メストからフランツ・ウェルザー=メストに名乗りを改めた。ウェルザーとは、ベニヒセン男爵ゆかりの地であるリンツ近郊のウェルスに由来する。

 姓を改めた後のウェルザー=メストは、スウェーデンのノールショピング交響楽団の首席指揮者に就任、スイスのヴィンタートゥール・ムジークコレギウム管弦楽団の指揮も任され、指揮者としての本格的なキャリアを重ねた。

 1986年、ヘスス・ロペス=コボスの代役としてロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してモーツァルトのレクイエムを演奏、大成功を収め、同楽団との関係を深めていく。この頃からEMIへの録音も始まっている。

 1990年、クラウス・テンシュテットの後任としてロンドン・フィルの音楽監督に就任。



 2度目の来日から間もなくロンドン・フィル音楽監督を辞任し、チューリッヒ歌劇場の音楽監督に就任する。ここでの成果はめざましく、それまでやや地味な存在だったチューリッヒはドイツ圏でも有力なオペラハウスに躍進した。多くの公演映像がDVDで紹介されているほか、2008年には来日公演も果たしている。

 1998年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演へのデビューを成功のうちに果たし、2002年からはアメリカのクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めている。

 2010年からウィーン国立歌劇場音楽総監督。オーストリア人としても、ドイツ圏出身者としてもカラヤン以来約半世紀ぶりの就任となる。2011年1月1日、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮した。これも、カラヤン以来となるオーストリア生まれの指揮者であった。



引用・参照 Wikipedia 日本語


◆2011年の曲目

 今年の曲目は以下の通りである。第二部では、ハンガリー。ロシア(スラブ)、スペインなどエキゾチックな曲がふんだんに取り入れられていた。

指揮:フランツ・ウェルザー・メスト
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

《プログラム》

−1部−

騎兵行進曲 作品428(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「ドナウ川の乙女」作品427(ヨハン・シュトラウス)

アマゾン・ポルカ 作品9(ヨハン・シュトラウス)

デビュー・カドリーユ 作品2(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「シェーンブルンの人々」作品200(ヨーゼフ・ランナー)

ポルカ「勇敢に進め!」作品432(ヨハン・シュトラウス)


−2部−

喜歌劇「騎士パスマン」からチャールダーシュ(ヨハン・シュトラウス)

ワルツ「別れの叫び」作品179(ヨハン・シュトラウス)

リストの主題による「狂乱のギャロップ」作品114(ヨハン・シュトラウス父)

メフィスト・ワルツ 第1番(フランツ・リスト)

ポルカ・マズルカ「遠方から」作品270(ヨーゼフ・シュトラウス)

スペイン行進曲 作品433(ヨハン・シュトラウス)

バレエ音楽「イベリアの真珠」から ロマの踊り(ヨーゼフ・ヘルメスベルガー)

カチューチャ・ギャロップ 作品97(ヨハン・シュトラウス父)

ワルツ「わが人生は愛と喜び」作品263(ヨーゼフ・シュトラウス)

 アンコール曲は、いつものように美しき青きドナウとラデツキー行進曲である。


 以下は演奏のスナップ写真。 撮影は青山貞一

 出典はすべて 2011.1.10放映のORF及びNHK BS2





ストリングスセクション










コントラバスセクション


チェロセクション





クラリネット、ファゴットセクション


フレンチホルンセクション





ブラスセクション





オーボエとフルート


ピッコロ