辺野古アセスを徹底検証
①代替施設移設予定地の概要
②沖縄県浦添市でシンポ開催
③差し止め請求を問題提起
●差し止め請求の行政訴訟を提起
その後、パネル討議を行い、会場につめかけた皆さんと質疑応答を行った。
パネル討議における最大の論点は、方法書に戻ってのアセスのやり直しである。それと関連して青山から改正行政事件訴訟法の新たな類型として加わった、差し止め請求を本件で提起したらどうかと提案した。
以下は、差し止め請求に関連する行政事件訴訟法改正の趣旨の説明。
ア 取消訴訟の原告適格の拡大:原告適格の判断において、法律の趣旨・目的や処分において考慮されるべき利益の内容・性質などを考慮すべき旨を規定する。
イ 義務付け訴訟の法定:一定の要件の下で行政庁が処分をすべきことを義務付ける訴訟類型として義務付け訴訟を法定する。
ウ 差止訴訟の法定:一定の要件の下で行政庁が処分をすることを事前に差し止める訴訟類型として差止訴訟を法定する。
エ 確認訴訟を当事者訴訟の一類型として明示:確認訴訟を当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する訴訟の一類型として明示する。
さらに以下は、改正行訴法において「差し止め請求」を規定した第37条の4である。
1.差し止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。ただし、その損害を避けるため他の適当な方法があるときは、この限りではない。
2.裁判所は、前項に規定する重大な損害が生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし損害の性質及び程度並びに処分又は裁決の内容及び性質をも勘案するものとする。
3.差し止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は採決をしてはならいない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
4.前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第9条第2項の規定を準用する。
5.差し止めの訴えが第1項及び第3項に規定する要件に該当する場合において、その差し止めの訴えに係わる処分又は採決につき、行政庁がその処分若しくは採決をすべきでないことがその処分若しくは採決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分若しくは採決をすることがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは裁判所は、行政庁がその処分又は採決をしてはならない旨を命ずる判決をする。
このように改正行訴法により「差し止め請求」類型が我が国の行政訴訟類型に新たに加わったわけだが、問題は「差し止め請求」が現実、実体の裁判でどう機能するかである。私はこの普天間代替施設の辺野古移転問題は、差し止め請求の格好の事案であると考えている。
下の新聞記事は、2009年5月31日の琉球新報。
さらに下は2009年3月31日付けの沖縄タイムスの関連記事である。