退避等措置計画編の 構成・骨子案 青山貞一 東京都市大学名誉教授・環境総合研究所顧問 掲載月日:2013年7月19日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
ニセコ町では、2013年の春以降、原子力災害計画本編とは別に、退避等措置計画編の策定に向け、議論を開始した。その構成と骨子を示す。 ●ニセコ町地域防災計画(退避等措置計画編)たたき台について 2013年4月に開催された第5回委員会での議論をもとに、ニセコ町地域防災計画(退避等措置計画編)の素案ができた。第6回委員会では、それについての委員からのコメントが出された。退避等措置計画編の構成・骨子案は以下の通りである。 第一章 総則 第一節 計画の位置づけ 第二節 計画の性格 第二章 避難等措置計画の基本的事項 第一節 緊急事態区分及び判断基準 第二節 緊急事態における防護措置等 第三節 防護措置決定の流れ 第四節 防護対象区域の状況 第五節 防護措置の事前準備 第三章 緊急事態における配備体制 第一節 事故発通報の流れ 第二節 各事態における応急活動の内容 第四章 広報及び指示伝達 第一節 伝達手段 第二節 伝達経路 第三節 伝達内容 第五章 屋内退避 第一節 屋内退避の指示基準 第二節 屋内退避の指示 第三節 屋内退避の方法 第四節 屋内退避の留意事項 第五節 コンクリート屋内退避施設の状況 第六章 避難等 第一節 避難等の指示基準 第二節 避難先等 第三節 避難等手段の決定 第四節 避難等誘導 第五節 避難等ルート 第六節 避難ルート上の補給ポイント、スクリーニングポイント 第七節 自家用車退避の留意事項 第八節 バス等による輸送計画 第九節 災害時要援護者等の対応 第十節 一時滞在者への対応 図 泊原発事故時の避難等ルート例 出典:ニセコ町委員会配付資料 第七章 安定ヨウ素剤の服用 第八章 飲食物の摂取制限 第九章 救急医療体制 あらかじめニセコ町から委員に郵送配布されていた退避等計画編たたき台に青山は以下の各コメントをだした。 資料2 P.11 「2 屋内避難指示広報」 木造建物内にとどまる際には「窓や壁等から可能な範囲で距離を置くこと」を追加する。(木造建物は遮蔽効果がコンクリート等より低いので、外部被ばくを低減するため)遮蔽効果については「原子力等の防災対策について」平成22年8月一部改訂、原子力安全委員会の「付属資料8」P.94の表−1、表−2等を参考。 http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/anzen/sonota/houkoku/bousai220823.pdf 資料2 P.11に追加案 屋内に避難するまでに屋外を移動する際には、ハンカチ等をたたみ厚くして(あるいは、しわくちゃにして)口を覆うことでエアロゾルの粒子を除去できることをアナウンスする。遮蔽効果については「原子力等の防災対策について」平成22年8月一部改訂、原子力安全委員会の「付属資料8」P.95の表−3等を参考。 http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/anzen/sonota/houkoku/bousai220823.pdf 資料2 P.11に関する課題 避難時に犬・ネコ等等のペットをつれていっていいか、置いていかなければならないか、つれていく場合、おいていく場合の注意事項。 資料2 P.11 「3 避難指示広報」 バス、自家用車による避難の部分に「車の窓を閉め、エアコン・換気を含めてを動かさないこと」を追加する。(吸入による放射性ヨウ素被ばくを予防するため)(P.12の第4節にある内容をアナウンスに追加) 資料2 P.18 「第7節 自動車避難の留意事項」 自動車で避難中に万が一事故を起こした、あるいはまきこまれた時の事故処理の方法について明記が必要ではないか。(警察を呼んで通常の事故処理をしている余裕はないはず) 資料2 P.18〜19 「第8節 災害時要援護者等の対応」 入院患者や要介護高齢者以外でも、投薬、透析等の対応が必要な市民、避難中にぜんそく等、病気の発作が起きた市民に対する対応の記述が必要では。 いうまでもなく退避等措置計画は、上記の第一章から第九章のいずれもが町民の健康、生命、財産を保護、保全する上できわめて重要なものとなる。 つづく |