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アフガンで次々に米国関係者をねらい打ちにした自爆テロが起きている。 オバマ大統領は就任直後からイラクに駐留する米軍をアフガンに移動させ、アフガン駐留の米軍を増派すると言明している。 しかし、私が以下の論考で歴史考証したように、アフガンはいくら米軍が増派しても、米国が手におえる相手ではない。それは歴史が証明していることだ。 ※青山貞一:カイバル峠の世界史的意味〜米アフガン増兵に関連し ごく最近、米国CIA関係者やカナダ軍、合わせて13人がアフガン人の自爆テロで死亡した。 世界中の識者がオバマのアフガン米軍増派を疑問視する中、まさにアフガン戦争泥沼化の予見だ!
この種の米軍関係者の死亡は、ここ2ヶ月を取っただけでも以下の記事にあるように、分かっているだけでもかなりの数に及んでいる。
アフガニスタンの地形図と主要地域 (カブール、カンダハール、ジャジャラバード、マザリシャリフなど) Source:CNN ※アフガンの米軍増派8万人案も 大分合同新聞大義も正義もない米国のイラク侵攻は、石油資源の収奪を目的とした侵略行為であることが明らかになった。米国が理由とした唯一の侵攻理由である大量破壊兵器も見つからなかった。その後、米国は日本を道連れに巨額の復興援助金を傀儡のイラク政府に投入したものの、それらも砂漠の中に露と消えつつある。 今後、米政府の傀儡にしかすぎないイラク政府がまともにイラク国民の過半に信頼される政権となる見通しはない。しかも、傀儡のイラク政府は、したたかなロシア、中国へのエネルギー外交のもと、石油採掘権を両国に貸与するなど、まさにベトナム化している。 このように、今や米国はイラクの石油利権の収奪も思うままにならない状態に陥っている。 オバマ大統領は、就任直後からイラクからアフガンに軍隊を移動させると言明していたが、アフガンや隣国パキスタンへの米国軍の増強は、間違いなく、イラク以上に泥沼化する可能性がある。 米国のアフガン増兵については、すでに以下の論考に詳述したが、今後、私が指摘した諸点を含め、米国は国内の経済財政の極度な悪化とともに、間違いなく取り返しが付かない泥沼の道に踏み出すことになる。 ※青山貞一:カイバル峠の世界史的意味〜米アフガン増兵に関連し そもそも、9.11以降、ブッシュ元大統領が歩んだ道は、いずれも利権、権益に満ちたイスラム系独立国への侵略行為である。 ※青山貞一:エネルギー権益からみたアフガン戦争「世界」岩波書店 この11月から英国でイラク戦争検証の公聴会が始まり、トニー・ブレア元首相も証人喚問されるようだが、英国同様、日本でいち早くブッシュに尾っぽを振ってイラク戦争に追随した小泉元首相をこの種の公聴会を開き証人喚問しよう。 ※イギリスでイラク戦争検証の公聴会始まる!―ブレア前首相も証人喚問 イラクにおける一日あたりの自爆テロによる犠牲数 一日あたりの銃撃死亡/処刑数 ※Iraq Body Count(イラク戦争での死亡者推定数) そして、この間分かってきたこととして、ブッシュもと大統領がアフガン攻撃の根拠としたオサマビンラディンやタリバン、アルカイダなど、米国が言うところのテロリストは、反米イスラム勢力の総称であり、その一部がアフガンやパキスタンを根城としていることはあっても、けっしてアフガンに限定した勢力ではないと言うことだ。 その意味でなぜ、オバマがアフガンに3万人規模の増派(最終アフガン軍事駐留規模は10万人)を行うことに多くのひとびとが疑問を投げかけている。国内で10%を超える失業率や多くの軍人を抱える米国の失業対策事業ともとられかない愚行である。 その意味で、いくら米国が最新鋭の武器と巨大な軍事勢力、それに欧米日の資金を背景にアフガンで掃討作戦を展開しても、けっしてリスクは減らない。今回のアフガン掃討作戦にドイツのメルケル首相は膨大な資金拠出をするらしいが、メルケルは正気かと言いたい。 メルケルに首相が代わってからドイツの外交、軍事戦略と戦術はおかしくなっていると思わざるを得ない。
米国がテロと呼んでいる者は、実はひとりよがりで傲慢な米国、それも金融資本主義、拝金主義とそのグローバル化で世界各地の文化、歴史、社会経済を破壊してきた米国に対峙する地域を問わずイスラム勢力となっていることに早く気づかなければならない。 事実、米国がアルカイダと呼ぶ勢力は、アラビア半島の南イエメンにも、インド洋の孤島、コモロイスラム共和国にも、インドネシアにも、フィリピンにもいるのである。 米国自らが最低限ブッシュ大統領時代中東地域に行ってきたことを反省することなしに、アフガンに増兵しても、間違いなくベトナム化、泥沼化は避けられず、膨大な軍事費、戦費のためにさらなる財政赤字は避けられない。 日本はこんな馬鹿なことばかりしている米国に追随するのではなく、中国、インドなどのアジアの新興勢力との友好を深め、経済、環境分野の交流を促進することが求められている。
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