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空前絶後のメディアによる
小沢一郎氏への人権侵害
青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2012年11月12日 
独立系メディア E−wave
無断転載禁


 以下は東京高裁判決直前に2012年11月12日に執筆したものです。2012年11月19日に指定弁護士側で上告断念があり、小沢一郎氏の完全無罪判決が確定しました!

 今日は早稲田大学理工学部に只野靖弁護士をお呼びして脱原発訴訟と脱原発法について特別講義をお願いしました。理系、文系それぞれの学生からたくさんの質問も出ました。先週の池田こみちさん同様、大変有意義な講義になったと思います。

 さて今日の午前は東京高裁で小沢一郎裁判の控訴審判決があります。

 授業を聴講されにきた池田こみちさんのブラックベリー(スマホ)を見たら早々に、控訴審勝訴、実質完全無罪を確認できました!

 独立系メディア E-wave Tokyoは2009年3月から一貫して、この事件は、まさに「国策捜査」であり、旧政権、司法権力、東京地検特捜部そしてメディアによる政権交代潰しの策動である、という青山の仮説のもと論説し膨大な論考を書いてきました。

 ◆独立系メディア E-wave Tokyo: 小沢一郎

 しかしながら、なんと言っても新聞、テレビは、夕刊紙の日刊ゲンダイ以外、すべて「推定無罪」原則なんのその、みんなで書けば怖くないとばかり、ソースも示さず、小沢氏の有罪の心証を抱く報道を、それこそ類型で何千、何万と繰り返してきました。いわゆる情報番組も同様でした。

 そこには「推定無罪」という見識のかけらもなく、あるテレビ局に至っては、ねつ造番組までつくり白昼堂々と流す始末でした。


●前代未聞のマスコミ報道により権利侵害 

 今回(2012年11月12日)の控訴審判決は、2009年春に突然起きた小沢捜査、強制起訴そして裁判が、政権交代潰しのために、旧政権勢力と東京地検特捜部とマスコミの策動であるという私の仮説を立証したことになります。

 私見では、累積で数万の記事、テレビニュース報道がそれをアプリオリに信用する鵜呑度世界一(72.5%)の国民に一方的な情報を垂れ流し、小沢一郎氏を悪役に仕立てた結果、、情報操作による世論誘導に世界一乗りやすい、すなわち「鵜呑度」世界一の70%の国民がまんまとメディアの情報操作にのり、世論誘導されたのです。

  ※全国約50以上の新聞社、50以上の夕刊紙、3500以上の
    雑誌、200以上のローカル局を含むテレビ局、全国で
    200を超すFM放送局、ラジオ局、さらに共同通信、時事
    通信などの通信社が、この4年間に垂れ流してきた小沢
    氏バッシング、名誉毀損、信用毀損、侮辱などの記事、
    ニュースは少なくとも10数万あると思われる。

  ※※ 三浦和義氏の名誉毀損裁判では、通信社の記事を
    掲載した各種メディアにも損害賠償がかかる最高裁判例
    がある。したがって、地方の新聞、テレビ、ラジオなどが
    通信社の記事を転載しただけという言い訳は成り立たず
    いずれも不法行為、あるいは共同不法行為の責を追うこと
    になる。

   
 第5章 不法行為
     第709条 故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル
     者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス
     第719条 数人カ共同ノ不法行為ニ因リテ他人ニ損害ヲ加ヘ
     タルトキハ各自連帯ニテ其賠償ノ責ニ任ス 共同行為者
     中ノ孰レカ其損害ヲ加ヘタルカヲ知ルコト能ハサルトキ亦同シ


  ※※※ しかも多くの場合、過失と言うより故意に小沢氏の
    権利を侵害していると推察できる。また本来、本件につい
    ては、民事の損害賠償だけでなく、メディアがしてきたことは
    刑法にある名誉毀損、信用毀損、偽計妨害、侮辱などにも
    相当するものと思える。これらはいずれも親告罪なので、
    小沢氏が刑事告訴しなければ捜査当局は動かないが、
    民事、刑事共に時効以前なので、ぜひとも対応していただ
    きたい!


    第34章 名誉に対する罪
     (名誉毀損)
     第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、
     その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは
     禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
    (侮辱)
     第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、
     拘留又は科料に処する。
    (親告罪)
     第232条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起する
     ことができない。
   第35章 信用及び業務に対する罪
    (信用毀損及び業務妨害)
     第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、
     人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年
     以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 
      注)上記はいずれも親告罪

 この事件勃発後のおける民主党側の最大の問題は、その策動に民主党の前原、野田ら松下政経塾系の民主党議員が躊躇なく安易に乗ったことです。そして小沢一郎氏を座敷牢に蟄居させ、民主党の党員資格停止処分、実質的に除名させたことです。

 小沢氏らを抜いた民主党は結果的に自分たちの公約、マニフェストをことごとく反故にしました。さらに、こともあろうか自公と組み、3党合意で民主党に投票した国民がまったく頼まない、消費税増税を行なうなどを強行しました。まるで、第二自民党的な政治活動に終始してきたのです。


●マスコミ報道を世界一鵜呑みにする国民側の問題 

 ところで、先に私が行った東京新聞土田修編集委員への直撃インタビューでも、土田さんが鵜呑み度70%の典型的な具体例であると述べています。

◆国民目線で快進撃 東京新聞、土田修編集委員インタビュー

 鵜呑度70%以上の日本国民がマスコミの情報操作で世論誘導されているうちに、民主党は実質第二自民党となっていました。

◆青山貞一:マスコミ報道「鵜呑度」、日本人70%、英国人14%

 もちろん、次期総選挙で民主党はぼろ負けするでしょうが、その結果自民党が第一党に返り咲く可能性がきわめて高くなっています。国民にとってこれほどの不幸はありません。もとはといえば、原発にせよ、土建国家にせよ、巨大累積債務にせよ、格差社会にせよ、大部分の不幸の種は自民党なり自公政権にあったからです。

 国民の怒りを受け、それを何とかしようとしたのは、ほかならぬ小沢一郎代表(2009年冬)率いる民主党だったのです。

 ところで少なくとも本件についての橋下大阪市長の以下の発言はまっとうです。先の週刊朝日の度を超した人権侵害記事で大メディアの酷さを肌身で感じていたからでしょう。

◆メディアの責任重い=維新・橋下大阪市長
 時事通信 11月12日(月)12時41分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121112-00000051-jij-pol

 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は12日午前、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる東京高裁の控訴審判決で無罪となったことについて「推定無罪の中でああいう報道をやり続けたメディア(の責任)は重い」と述べ、報道機関を批判した。市役所で記者団の質問に答えた。

 橋下氏は「無罪になって(報道機関は)どう総括するのか。捜査機関側の一方的な発言をあれだけやったら、国民が有罪の心証を抱くのは間違いない」と語った。


●ぜひとも空前絶後の権利侵害行為へ法的措置を!

  かつて三浦和義氏(故人)は獄中から本人訴訟で、事実無根のことを報道したマスコミ相手に名誉棄損などの民事訴訟を800件以上提訴、大部分で勝訴した例もあります。

 小沢氏はおそらくしないでしょうが、弁護士を10人ほど雇って、過去の新聞雑誌記事、テレビ報道に対し不法行為、共同不法行為で損害賠償請求すれば巨額の賠償額となるでしょう。

 本件では、NHKも徹底して地検特捜部のリーク情報を流してきました。私が最初に本件で論考を書いたのは2009年3月、NHKが深夜のニュースで小沢一郎氏の公設秘書だった大久保氏が逮捕されたとき、留置所で容疑を全面的にげろしたと報道したときです。

 案の定、大久保秘書も弁護士も一切NHKが報道したような事実はないと後日会見で話しています。

 先の佐藤清文さんの日本国憲法論によれば、世界の憲法が具備すべき20項目のうち、日本国憲法は19項目をクリアーしているが、唯一残っていたのが、「推定無罪」条項だそうです。
 
◆佐藤清文:自己主張する日本国憲法

 日本ほど人権意識が希薄な国はありません。それは憲法に「推定無罪」条項がないことにも関係あるかも知れません。

 世界ダントツの日本人の「鵜呑度」を悪用した旧政権、司法当局、メディアの人権侵害をどう落とし前をつけるのか見ものです。

 もっぱら、人ごとのように以下を報ずる時事通信社も一貫して小沢氏=有罪の心証を読者に与え続けた張本人です!

 さあ、メディアはどう落とし前をつけるのか、大いにみものです!
 
 是非とも、大メディアに法的措置をとって欲しいものです。