◆シムシティにおける発電システム別の建設費と維持管理費
以下は、主要な発電システムについての単純な発電量、建設費、維持・管理費、リスクなどの比較をしたものである。
実際に使ってみた上での率直な感想としては、石炭、石油などの化石燃料火力発電所は、かなり深刻な大気汚染を地域にもたらし、市民が呼吸器系疾患となり、診療所、病院を相当拡充しなければならいなど、燃料費以外にかなりの間接コストがかかる。また化石燃料系発電に変更した場合、土壌汚染がひどく住宅系、商業・業務系の土地利用が事実上できなくなるという問題がある。
土壌汚染を改善するための装置もあるが、実際に使ってみたところ、改善には相当長い時間と維持管理費、システムコントロールのための費用が掛かることがわかった。その意味では、石炭、石油発電は暫定的とはいえ、あまり使用しないことが望まれる。
風力発電と太陽光発電は、建設コスト以外に、それなりの敷地面積が必要となる。「シムシティ2013」は、箱庭型と呼ばれるように、使用できる土地がはじめから大きく制限されている。したがって、まちづくりの初期の段階から将来人口を想定し、その口規模に対応したウインドファーム、ソーラーファームなどの土地、場所をあらかじめとっておくことが重要となる。とりあえず試行してみるというやり方だと、あとから道路、住宅やビルなどを次々に壊さないと用地が確保できなくなる。
再生可能エネルギーについては、日本ではコストが高いという話が多すぎるが、石油、天然ガスの燃料価格がここまで上昇してくると、燃料代がいらない再生可能エネルギーを使った発電が中長期的に有望となってくる。実際、うまく都市経営をすれば、建設コスト、維持管理費を含め十分採算がとれるはずである。
表1では維持費が毎時の額として表記されているが、1MWあたりに換算すると、風力が26.6、石炭火力が6、石油火力が5.7、太陽光が18、原発が5.9であり、風力、太陽光発電が石炭、、石油、原発より5−6倍も高くなっていることが分かる。しかし、実際には石炭、石油の場合、かなりの燃料費がかかるのに対し、風力、太陽光は燃料費が掛からないという大きなメリットがある。さらに、石炭、石油の場合、上述したように大気汚染排出に伴う疾病への対応という社会的費用が生ずる。実際に石炭、火力を使ってみればわかるが、この費用は決して少なくない。
表1 発電量・建設費・維持・管理費・リスクなどの単純比較
名称 |
発電速度 |
建設費 |
維持費 (毎時) |
燃焼速度 (1日あたり) |
大気 汚染 |
風力発電所 |
3MW/10mph |
$8,000 |
-80 |
- |
- |
石炭発電所 |
75MW |
$17,000 |
-450 |
4.3t/日 |
高 |
石油発電所 |
150MW |
$27,500 |
-856 |
864バレル/日 |
高 |
太陽光発電所 |
8MW |
$33,000 |
-145 |
- |
- |
原子力発電所 |
220MW |
$145,000 |
-1300 |
- |
- |
以下は、オプションを含めた1日当たりの総発電量、発電コスト、想定されるリスクの一覧である。表1の発電コストを見ると、風力発電の垂直タービンやメガソーラー発電が石油発電のいずれのタイプより少なくなっていることが分かる。
一方、表2からは石炭火力や原発の発電コストが再生可能エネルギー系発電のコストの半分から1/3弱となっていることが分かる。しかし、上述したように石炭火力の場合には著しい大気汚染が生じること、原発の場合は使用済核廃棄物処理のコスト、さらには最終処分のコストが含まれていないこと、さらには福島第一原発事故後のような巨額の損賠賞、補償、廃炉のためのコストが必要となることを考えなければならない。
なお、発電所には当然のことながら維持管理などに労働力が必要となる。労働力が不足していると、設備を建設、立地してもなかなか稼働できなこともある。したがって、発電だけを目的とした自治体を設置する場合でも、それ相応の労働力が必要となる。
表2 単純総発電量・発電コスト比較(1日単位)
発電方式 |
総発電量 (MW) |
発電コスト (§/MWday) |
リスク |
風力発電 |
小さなタービン |
72 |
333 |
供給不安定、敷地面積占有 |
大きなタービン |
122.4 |
290 |
垂直タービン |
360 |
275 |
石炭発電 |
汚い石炭 |
300 |
147 |
大気汚染 |
最先端石炭 |
300 |
139 |
きれいな石炭 |
300 |
206 |
石油発電 |
従来型石油 |
600 |
665 |
大気汚染 |
燃焼タービン石油 |
600 |
374 |
クリーンオイル石油 |
600 |
571 |
太陽光発電 |
固定太陽電池 |
193.6 |
213 |
供給不安定、敷地面積占有 |
濃縮太陽電池 |
600 |
206 |
原子力発電 |
第一世代転換炉 |
800 |
147 |
更に水消費、メルトダウン |
第二世代転換炉 |
1600 |
140 |
高速中性子炉 |
2400 |
129 |
出典:http://wikiwiki.jp/simcity/?%C5%C5%CE%CF
※ 総発電量は発電所1施設を同一モジュールで拡張した場合。
発電コストは1MW発電するのに掛かる1日当りの総維持費
(=設備維持費/MW+資源消費/MW、600MWならその600倍)
資源相場は石炭6000、原油9000にて算出。
原子力発電における水消費コストは含まれていない。
さらに表3は、シムシティで使うことが可能な発電システムとオプションの詳細である。表中、看板とあるのは、シムシティでは、発電所に限らず、駅はじめ多くの公共施設などを立地した場合、その近くに看板を立てることができるようになっている。維持費は無料だが建設費がかかる。これはあえて付ける必要はない。
表3 シムシティにおける電力供給設備とコスト、維持管理、リスク、建設条件一覧
名称 |
発電速度 |
最大 建設 可能数 |
建設費 |
維持費 (毎時) |
燃焼
速度
(1日) |
大気 汚染 |
効果 |
風力発電所 |
3MW/10mph |
- |
§8,000 |
-80 |
- |
- |
少量の電力の供給 |
追加 |
側道 |
- |
- |
無料 |
- |
- |
|
- |
風力発電の 看板 |
1 |
1 |
§200 |
無料 |
- |
- |
|
小さな水平軸 タービン |
3MW/10mph |
24 |
§5,000 |
-40 |
- |
- |
|
大きな水平軸 タービン |
5.1MW/10mph |
§10,000 |
-60 |
- |
- |
中程度の電力を発生 |
垂直タービン |
15MW/10mph |
§20,000 |
-170 |
- |
- |
大量の電力を発生 |
風力電力増幅器 |
発電ボーナス 200% |
1 |
§40,000 |
-500 |
ControlNet 利用率 1,250 CN |
- |
|
石炭発電所 |
75MW |
- |
§17,000 |
-450 |
4.3t/日 |
高 |
電力の供給、大気汚染 |
追加 |
石炭発電所の 看板 |
- |
1 |
§200 |
無料 |
- |
- |
- |
汚い石炭発電機 |
75MW |
4 |
§5,000 |
-425 |
4.3t/日 |
高 |
電力の供給、大気汚染 |
最先端 石炭発電機 |
75MW |
§15,000 |
-375 |
8.6t/日 |
中 |
電力の供給、大気汚染 |
きれいな 石炭発電機 |
75MW |
§20,000 |
-600 |
5.8t/日 |
低 |
少しの大気汚染 |
石油発電所 |
150MW |
- |
§27,500 |
-856 |
864 バレル/日 |
高 |
電力の供給 大量の大気汚染 |
追加 |
石油発電所の 看板 |
- |
1 |
§200 |
無料 |
- |
- |
- |
在来型 石油発電機 |
150MW |
4 |
§7,500 |
-756 |
36 バレル/日 |
高 |
電力の供給 大量の大気汚染 |
燃焼タービン |
150MW |
§20,000 |
-1185 |
12バレル/日 |
中 |
電力の供給 大気汚染 |
クリーンオイル 発電機 |
150MW |
§27,000 |
-1295 |
24 バレル/日 |
低 |
電力の供給 少量の大気汚染 |
太陽光発電所 |
8MW |
- |
§33,000 |
-145 |
- |
- |
電力の供給 |
追加 |
太陽光発電の 看板 |
- |
1 |
§200 |
無料 |
- |
- |
- |
修理済み 太陽電池 |
12.1MW/時 (ピーク時) |
16 |
§16,000 |
-105 |
- |
- |
電力の供給 |
濃縮太陽電池 |
37.5MW/時 (ピーク時) |
§40,000 |
-320 |
- |
- |
電力の供給 |
太陽光電力増幅器 |
発電ボーナス 200% |
1 |
§40,000 |
-500 |
ControlNet 利用率 1,250 CN |
- |
|
原子力発電所 |
220MW |
- |
§145,000 |
-1300 |
- |
- |
放射能汚染、
大量の水が必要 |
追加 |
原子力発電所の看板 |
- |
1 |
§200 |
無料 |
- |
- |
- |
第一世代転換炉 |
200MW |
4 |
§45,000 |
-1200 |
- |
- |
放射能汚染 大量の水が必要 |
第二世代転換炉 |
400MW |
|
§75,000 |
-2300 |
- |
- |
放射能汚染 大量の水が必要 大量の労働者が必要 |
高速中性子炉 |
600MW |
|
§130,000 |
-3200 |
- |
- |
放射能汚染 大量の水が必要 大量の熟練労働者が必要 |
核融合発電所 |
200MW |
- |
§155,000 |
-1500 |
1,450 CN |
- |
|
追加 |
標準核融合発電機 |
200MW |
2(3) |
§50,000 |
-1400 |
1,250 CN |
- |
|
最先端核融合発電機 |
2,400MW |
2(3) |
§500,000 |
-12800 |
2,500 CN |
- |
|
波力発電所 |
30MW |
- |
§60,000 |
-450 |
700 CN |
- |
|
追加 |
標準波力発電機 |
30MW |
7(8) |
§45,000 |
-400 |
500 CN |
- |
|
最先端波力発電機 |
105MW |
7(8) |
§110,000 |
-900 |
2,500 CN |
- |
|
N LEAFR充電スポット |
- |
5 |
§5,000 |
-40 |
- |
- |
シムの幸福度がUP(かなり広範囲) 充電ステーションはゴミや汚水を全く出さない 発電施設ではない |
出典:http://wikiwiki.jp/simcity/?%C5%C5%CE%CF
つづく |