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Windows 10 インストール奮戦記B

BTO超小型タブレット編


青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2016年4月11日, 4月15日, 4月23日更新 
独立系メディア E−wave

無断転載禁

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出典:マイクロソフト社


番外編  超小型タブレット対応

 実は私の場合、Windowsが動く超小型タブレットとして、ドスバラ社のデジノス(Diginnos)という、7インチ画面の超小型ウィンドウズマシンを持っています。値段は確か1万7千円だったはずです。現在売られているドスバラ社のデジノス(Diginnos)にもあるはずですが、このタブレットの一番廉価版はSSD(ハードディスクとして使用)としてわずか16GBしかありません。ちなみにメインメモリーは2GBです。

 Windows 8.1 のマシンですが、いくつかのアプリを入れ、Windows Update を行うと、残りのメモリ−が4GBを切ります。いくらなんでも4GBを切ってはWindows10のインストールは無理です。

 私の場合、最初から32ビットと64ビットのWindows10のインストールメディアをつくっていたので、32ビット用でインスト実験をしてみましたが、すぐにメモリー不足となりました。

 思案の上、16GBの増設メモリーとして購入していましたSDカード(64GBのSDXC)を使うこととしました。もちろん、単なる増設メモリーとして使うこともできますが、このSDXCは高速メモリーであり、VHDあるいはVHDXという仮想メモリーを構築すると、なんとこのメモリーからアプリの立ち上げができるはずです。

 というのも、16GBがメモリー不足となったとき、単なるメモリー増設では、増設メモリーから各種のアプリを立ち上げることはできません。いわゆるデスクトップやノートパソコン内臓のC:ドライブからしかアプリの立ち上げができないのと同じです。そこで何とか、VHDあるいはVHDXという仮想メモリーを構築し64GB増設するとともに、アプリの増設用としても使うことを考えました。

 ここまでは良いのですが、実際にVHDやVHDXを構築するとなると、いろいろ問題が出てきました。

 なお、以下の操作は、マウスを想定していますが、タッチパネルの場合、マウスの右クリックは、一般的に「長押し」と表現されています。すなわあち、マウス操作で左右のボタンのうち、右ボタンを押して離す一連の操作を「右クリック」と呼び、タッチパネルを指先で軽く押し、そのまま少し待ってから離すタッチ操作のことを「長押し」といいます。

処理と手順

@SDカード(SDXC)のNTFS形式によるフォーマット化

 まずはSDカード(SDXC)をあらかじめNTFS形式でフォーマット化します。これはクイックフォーマットでOKです。くれぐれもSDカード以外をフォーマットしないように注意しましょう!


ASDカード(SDXC)の増設

 デジノスの場合、SDXCを増設するスロットがついています。もちろん、SDカードはマイクロSDです。下の写真の下部にある小さなカードがSDXCのマイクロSDです。今回はアダブターは使いません。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


B「ディスクの管理」の呼び出し

 Windows 8.1のWindowsアイコン上でマウスを右クリックし、「ディスクの管理」を選びます。


CVHD/VHDXの作成

◆VHD(irtual Hard Disk)について

 VHDは、正式にはVirtual Hard Diskといいます。VHDはハードディスクドライブと構造的に似せているファイル形式です。VHDは多くの仮想化パッケージで様々なオペレーティングシステム(WindowsやLinux等)をインストールするために利用されています。もともとはコネクティクスの仮想マシンで利用されていましたが、マイクロソフト社によるコネクティクスの仮想マシンの技術を買収後、2005年6月にMicrosoft Open Specification Promiseの下でサードパーティが利用できるVHD Image Format Specificationを策定しています。

サポートしている形式

VHD(容量固定)
あらかじめ決めたボリュームサイズと同等のファイルサイズで作成されます。作成時と使用時のVHDファイルサイズは変化が無いため、VHDファイルのフラグメント化を防ぐことができます。また、ホスト上のファイルオフセットとゲスト上のディスクオフセットが一致するため下位レイヤーのアライメントと揃えることが容易です。しかし、サイズが大きいために物理的なVHDファイルの取り扱いが難しくなることもあります。

VHDX(容量可変)
あらかじめ決めたボリュームサイズよりも小さいファイルサイズで作成され、使用に応じてVHDファイルのサイズが増加されます。VHDX形式の場合、オフライン編集を行うことによってファイルサイズが縮小し、物理的なVHDファイルの移動が容易になります。

差分
元のVHDイメージと使用した場合の差分を扱います。

ハードディスクへのリンク
物理ハードディスクのリンクまたはパーティションとして使用します。

分割
論理フォーマットではなく格納方式であり、固定+分割/可変+分割/差分+分割で使われます。Virtual Serverやバージョン2007までのVirtual PCでサポートされていました。Windows Virtual PCやHyper-V、Windows 7以降のVHDサポートではサポートされていません。

VHDの利点
重要な利点は、VHDから物理マシンをブートすることから得られることです。

簡単な配布 - 人や部単位で必要な標準環境を事前に構成して用意することができます。

バックアップと復元 - バックアップ先の一つの候補としてVHDを選択することができます。例えば、VHDのコンテンツの変更(ウイルスの感染やファイルの削除)は簡単に元に戻すことができます。

複数のユーザーでの使用 - 複数のユーザーが、元のVHDとそれぞれのユーザーの差分VHDを作成し使用するということも可能になるため、それぞれのユーザーが安全に実行可能な環境を用意することができます。しかし、元のVHDを狙われるということが無いように適切なセキュリティ管理を行うことで効果を得られることになります。

出典:Wikipedia

 少し待っていると、下のような表が画面に出ます。表の上に「操作」があるので「VHDの作成」を選びます。




D仮想ディスク構築のための処理

 「VHDの作成」を押すと以下が出ます。

 そこで、ドライブを指定します。

 SDXCを置くドライブをD:などと入力し、ファイル名は kasou.vhd などとします。

 全体としては、 D:\kasou.vhd  となります。

 次に仮想ディスクの大きさを入れます。64GBの場合なら59000MBと入れます。

 その後、VHDあるいはVHDXを選びます。どちらかを選ぶと自動的に下の<容量固定>または<容量可変>が決まります。どちらかをを選びOKを押します。両者の違いは後で説明します。




ESDXCの物理フォーマット

 OKを押すと自動的に、SDXCの物理フォーマットが始まります。通常、80分前後の時間がかかります。


F物理フォーマットしたSDXCのうち、仮想HDDの未割り当て部分を右クリックしし、表示されるメニューから、[新しいシンプルボリューム]を選択します。

 青山の場合、VHDでは、どうしてもFの作業がうまくゆかなかったので、VHDXで試したらうまくいきました。




G仮想HDDのフォーマットとマウント

 Fのあと、「新しいシンプルボリュームウィザード」が表示されるので、そのまま{次へ}を押します。あとは以下の通りです。「次へ」をつづけます。



ボリュームサイズの指定は、そのまま[次へ]を押します。



ドライブ文字またはパスの割り当ても、そのまま[次へ]を押します。

ファイルシステムに[NTFS]を選択して、[次へ]を押します。



ウィザードの完了画面で、[完了]を押し、フォーマットを開始します。



 ここまで来たら、「PC」から仮想ドライブ(SD)がD:などに表示されているかどうかを確認してください。

 さらに、仮想ドライブをクリックし、kasou.vhd の存在を確認し、左クリックしてください。これにより仮想ドライブがタブレットパソコンにマウントされることになります。

 これで約60GBの仮想ドライブ(SD)の完成です。

 ただし、この仮想ドライブは、シャットダウンした場合、マウントがはずれるので、起動した際に、「PC」から上記の操作、すなわちkasou.vhd の存在を確認し、クリックしマウントしてください。


HWindows10のインストール

 この後、電池をフル充電した後、あらかじめ準備しておいた、Windows10のUSBメディアをつかってインストールしてください。

 下の写真はデジノスのWindows10をインストールしている最中のものです。




 下の写真はデジノスへWindows10をインストールし終わったところのものです。デジノスの場合、タッチパネル系のドライバーをインスト前あるいはインスト後にインストールする必要はありませんでした。




つづく