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シルクロードの今を征く

Now on the Silk Road

西安のシルク

西安
(Xi'an、中国)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月
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陝西省美術博物館(百度百科)  展示1
  西安のシルク

 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

 次は中国西安市(長安市)のシルク織物の展示販売店です。

◆西安のシルクXi'an 中国西安市)

 せっかくなので、シルクロードの起点、西安のシルク織物の本場に出かけてみました。ここは中国の省立の絹織物研究所に併設された展示即売所です。

 青山はシルクについての知見はありませんが、池田は全国各地、とくに明治、大正、昭和初期に養蚕が盛んだった埼玉の秩父、群馬の桐生、赤岩、長野の上田などにも足を運び現場で見ています。また織物の質と価格については、トルコ、モロッコ、ウズベキスタンなどでも見てきました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 以下は池田のコメントです。

 西安で訪れた絹製品の展示即売所は、次第に少なくなる絹織物の技術者を育成するため、国が補助して製品価格を安くして、国内外に普及させようとしているとのことで、高価な緞通絨毯やペルシャ絨毯や衣類などシルク製品が比較的リーズナブルな価格で沢山並べられていました。

 ウール製の製品もありましたが、やはり絹製がメインで、日本で買うよりはかなり低価格でした。ここでは、係員が、シルクの絨毯の織り方などを実際の機織を用いて説明して下さいます。細かい柄は一日に1cmも進まないと言うほどで、今では技術者が少なくなり技術の継承が大きな問題となっているとのことで、これは日本でも同じ状況です。

 トルコや中東などでつくられているペルシャ絨毯の原料(絹糸)も中国が原産で輸出されているとのことでした。まさに、シルクロードの出発点です。

 素敵な柄のシルクの絨毯にも魅力がありましたが、なにぶん自宅は、畳の生活で絨毯を敷くところがありませんので、奥にあった小物の販売コーナーで、お土産にシルクのスカーフをいくつか購入しました。地方の職人さんから直接送られてきた製品で、細い糸で織り上げられているので柔らかく色合いも綺麗でした。

 中国の絹織物は、日本と同じように、地域によって異なり、特徴のある織り方、柄がありますが、トルファンでは、秩父銘仙のような平織りの絣柄の織物がとても美しく衣類だけでなく、壁掛けやテーブルセンターとして活用されていました。

 今回は時間がなく、シルクをじっくり見る時間がありませんでしたので、また、次の機会には日本に伝わっている様々な織物を見てみたいと思います。

 着物や帯だけでなく、茶道で用いる絹織物は袱紗はもとより、茶入れなどの仕覆、掛け軸などにも様々な絹織物が使われており、正倉院御物の写しなどとして珍重されます。これらの織物はいずれも、漢や唐の時代から中国で織り上げられた錦、金襴、緞子、紗、羅などであり、道具や使う人の格に応じて柄も織り方も様々に選ばれます。そうした日本に伝わる絹織物の原点にちょっとでも触れることができたことは大変貴重なことでした。

 以下はトルファンで視察した際の写真です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900




撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


碑林博物館つづく