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2012年のGW中の5月1日〜3日、今年に入ってはじめて福島県内の放射線測定調査を敢行した。 会津若松のホテルでNHKの総合テレビを見ていたら、夕方の定時ニュースで福島県内の空間放射線測定値を報道していた。 以下は5月2日夜の報道内容である。 図7 2012年5月2日夜 NHKの総合テレビ定時ニュース の福島県内の空間放射線測定値(1) 図8 2012年5月2日夜 NHKの総合テレビ定時ニュース の福島県内の空間放射線測定値(2) |
では、政府の20km警戒区域内にある原発の隣にある大熊町そして福島原発事故以来、全日本的に有名になった計画的避難区域にある飯舘村はどうであろうか? 図9 政府の警戒区域と計画的避難区域のマップ 出典:日本政府 警戒区域と避難指示区域の概念図(平成24年3月30日現在) ●大熊町の場合 以下は福島第一原発に隣接する大熊町の測定データである。データは17あり、平均値は10.5μSv/hであるが、NHKは表2の一番上にある大熊町大熊の5.12μSv/hのみをニュースで伝えている。これは大熊町の17データ全平均の1/2の値であり、その19倍の高い値もあり、地域代表性がまったくないことも分かる。
図10 福島県大熊町放射線量 2012年05月04日 09時10分時点 出典:文部科学省 放射線モニタリング情報・全国及び福島県の空間線量測定結果 http://radioactivity.mext.go.jp/map/ja/ ●飯舘村の場合 次に、福島原発事故以来、全日本的に有名になった計画的避難区域にある飯舘村はどうであろうか? 飯舘村は事故以来、放射線測定値でいつも高い線量率となっていた地域である。 NHKが毎日報道しているのは、下の表の飯舘村役場の値である。5月6日は0.89μSv/hである。おそらく徹底した除染をした後に測定しているのだろうが、この値は全測定値の最も低い値であることが分かった。 表3 福島県飯舘村の放射線量 2012年05月06日 14時30分時点
下のグラフは飯舘村の全測定値を高い値から低い値まで並べてみたものだが、NHKが報道しているのは一番右にある赤いグラフである。 当然、飯舘村においても大部分の地域は中山間地、森林、草地であり、それらの線量率は10〜40μSv/hはあるだろう。いくら村役場や集会場の周りを除染しても、風雨が放射性物質を山、森林、草地から運んでくれば、再度居住地区も高くなるはずである。 図11 福島県飯舘村の放射線量 2012年05月06日 14時30分時点 出典:文部科学省 放射線モニタリング情報・全国及び福島県の空間線量測定結果 http://radioactivity.mext.go.jp/map/ja/ つづく |