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環境総合研究所(ERI)による現時点での原発事故時の影響シミュレーション(1時間平均値)の実施公開状況は以下の通りです。 使用しているモデルは風洞実験設備で検証した3次元流体数値計算モデル、計算手法は有限差分法です。 地形データは国土地理院の数値地形データ(50mメッシュ)を使用、コンピュータのCPUはIntel社の第一世代〜第三世代のCPU(Core i3 550, i5 750, i5 2500k, i5 3550)です。 表1 環境総合研究所(東京都品川区、ERI)の自主研究による 原発事故時シミュレーションの実施状況と将来予定
◆原子力防災計画、UPZ/EPZとの関連について 上記のシミュレーションでは、いずれも150−250kmの範囲を対象にメッシュ規模1−2kmで広域を対象としています。 しかし、原災法や新たな防災指針によりUPZとして、原子力防災計画を策定義務が課せられる地域に役立つ、原発近傍でのシミュレーションが必要となります。それらについては、関連する市町村から具体的要望がある場合に限り、秋頃までにシミュレーションを行う予定です。 すでに原子力防災計画の策定義務が課せられる地域の自治体から相談が来ていますが、その場合には当該自治体の要望との関連で詳細シミュレーションを行った上で対応する予定です。 当然のこととして、本来、これは国がすべきものですが、現実には国が機能不全となっています。具体的な防災計画や防災指針、避難経路などUPZ/EPZの要件を具体的に満たすことがないまま、政府は各地の原発を再稼働させようとしていることになります。 ◆IAEA 文書において示された緊急防護措置計画範囲(UPZ)について 1.現状 IAEAの安全要件GS-R-2及び安全指針GS-G-2.1(DS-105)において、緊急防護措置を迅速に実施するための整備がなされていなければならない区域として、緊急防護措置計画範囲(UPZ:Urgent Protective action planning Zone)を定めることが提案されているところ。これに対し、我が国においては、既に原子力施設等の防災対策について(防災指針)において防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ:Emergency PlanningZone)が示され、原子力防災対策が進められているところである。 2.UPZ とEPZ の比較 UPZは現行の防災指針において示されているEPZとほぼ同様の目的のために設定を提案されたものと考えられる。又、現行のEPZの対象施設やその半径については、IAEA文書において示されたものを満たしているとされている。 (以下を参照のこと) |