以下は日刊ゲンダイの記事です。
◆衝撃 アベノミクス「GDP伸び率」あの民主党政権に完敗
2015年12月16日 日刊ゲンダイ
「世界経済回復のためには3語で十分です。バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買い)」。安倍首相がこう胸を張ったのは13年9月だった。当時から「バカ発言」なんてからかわれていたが、やっぱりデタラメだったことが分かった。
民主党の山井和則衆院議員が今月、内閣府に対して民主党政権時代と安倍政権下で実質GDPはどれだけ伸びたのか――を比較できる数値を求めたところ、数値は民主党政権の方が断然、良かったのだ。
※山井和則衆議院ツイッターアドレス
出典:内閣府
この結果には驚きだ。内閣府経済社会総合研究所の調べによると、民主党が政権を奪取した2009年7〜9月期から、政権を明け渡す12年10〜12月期までの実質GDPの伸び率が「5.7%」だったのに対し、安倍政権が誕生(12年10〜12月期)してから3年間(15年7〜9月期)の実質GDPの伸び率は「2.4%」。つまり、同じ3年間を比べてみると、伸び率は民主党政権時代の方が安倍政権より2倍以上、数値が「良かった」のである。
提灯メディアはアベノミクスを大々的に持ち上げているが、民主党政権に「完敗」しているのだ。山井議員がこう言う。
「これまでもアベノミクスの失敗を指摘してきましたが、野党議員の個人的な意見という目で見られていました。しかし、今回は内閣府の公表数値です。数字はウソをつきません。安倍政権は消費税増税などを理由に言い訳するのでしょうが、民主党政権では東日本大震災がありました。それでも民主党政権の実質GDPの伸び率の方が上回っているのです。繰り返しますが、アベノミクスは失敗したのです」
安倍政権の誕生前(12年11月)と「現状」(15年9月)を比べても、景気は悪化している。「貯金ゼロ世帯の割合」は26%→30・9%に大幅悪化。「生活保護受給世帯数」も約156万8000世帯→約162万9000世帯に増加し、非正規労働者は1775万人(12年4〜6月)→1971万人(15年7〜9月)に増えた。経済回復どころか、庶民生活はどんどん追い詰められているのだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「『アベノミクス』は結局、新たな成長戦略を描けなかった。やったことは異次元の金融緩和だけです。その結果、一部の大企業は潤ったが、庶民生活は追い詰められ、実質賃金は減り、消費は冷え込んだまま。一体、何だったのか」
安倍政権は、二言目には「民主党政権はヒドかった」と批判しているが、民主党政権に負けているのに、よく口にできるものだ。
国民も言葉遊びにだまされていないで目を覚ますべきだ
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<参考>
※名目GDP … ものやサービスの付加価値を合計したもの
実質GDP … 名目GDPから物価変動を除いたもの
上記の事実(ファクト)を大新聞、テレビがこぞって報道すれば、それだけで自民党の支持率が30%ほと減るでしょうね。しかし、ここ数年、アベノミクスを持ち上げてきた大メディは無視するでしょう。東京新聞のこちら特報部当たりが大々的に報道すべきですね!
民主党議員の国会質問ですから、当然、他のメディアも知っているはずですが、こういう重要な事実を国民に知らせないことで、自民党の独裁が強化されているだけでなく長期化されているとも言えます。
GDPとは別に、自民党政権下での高齢者対策費、義務教育費の切り捨てなど福祉・健康・教育分野での予算削減、政策・施策の後退を定量化し、また法人税、法人事業所税、消費税、株株取引税率(大企業vs中小企業)などについても定量化すれば、最終的に自民党がしたことは、巨大企業の内部留保を増やし国民生活を圧迫してきたと言う意味での新たな富国強兵策であることが明白になると思います。
大企業の内部留保を幾ら増やしても、原理的に給与は増えず、各種投資も増えず、結果的に消費は増えないので資産勘定を増やしても当然、GDPは増えませんし、税引き後利益なのでそれ以上国税も増えません。
結局、極度な円安誘導により加工貿易関連輸出産業、企業を太らせたものの輸入関連産業や企業などを疲弊させたこと、太った企業の多くは内部留保に回し従業員などの給与や各種の投資に回らないため、国民経済、国民生活は疲弊の一途を辿ることになったのです。
安倍首相は、総理になってこの方、成長戦略、アベノミクスなど日本経済がえらく経済が成長し飛躍したようなことばかり喧伝していました。
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先の民主党議員の質問で分かったことは、安倍政権になってから民主党政権時代に比べて20〜30%(年次により異なる)以上も低下している事実が判明したことです。大企業の内部留保が増えただけでGDPも国民所得も低下していたのです。
◆アベノミクスは死んだ、経済蘇生は失敗 スプートニク
日本政府のあらゆる尽力にも関わらず、日本経済は全く蘇生する気配を見せていない。大規模支援の甲斐なく状況はますます下降線をたどっており、先週発表された統計は二重のショックを国民に与えた。
先週、日本の失業率が今までの3.1%から3.3%に上昇したことが明らかにされた。この数値は今年1月からの間で最高で、これにより主婦の財布の紐が引き締められた。
ところが今、明らかにされていることはそれよりも更にひどい。小売業の売り上げも当初の予測の0.6%ダウンを上回り、最新の調査では1%減少していることが明らかになった。2014年に行われた消費税増税による、その前後の影響を考慮しない場合、この売り上げダウンは2011年の東日本大震災以来、最大となっている。
工業生産の景気もいまひとつ。11月、指標は3ヶ月間で初めて落ちたが、これは世界第3位の経済大国の復興は少なくとも2016年の初めに持ち越されたことを示している。
メーカーは近い将来にも生産拡大を考慮しているものの、弱弱しいデーターは期待された輸出と需要の増加で経済は押し上げられ、2%の目標レベルまでインフレを速めるという日本銀行の予測に疑問を呈すものとなった。
個々の指標が物語るのは、異常高温気象による冬物の被服販売に大きな損失が出て、これにより小売販売が年間で1%落ちこんだ事実。
エコノミストらは輸出における再生の兆候はすでにあることから、工業に方向転換が起きることは期待できると指摘している。一方で需要は依然として低いままで、とても経済復興に力を貸すどころではない。
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関連論考
◆青山貞一:日本は一人当たりGDPでも7カ国中6位などさんざん |