<海外メディア取材> 今日のフランスの新聞取材(1) Aujourd'hui, la couverture de la journaliste francaise 青山貞一 Teiichi Aoyama 掲載月日:2012年2月24日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
今日(2013年2月24日、日曜日)は、朝から3時間、フランスから香港経由で成田に午前6時に到着したフランスの新聞記者によるインタビューを受けました。 このところ海外メディアによるインタビューが続いていますが、取材に応じるだけでなく、こちらからも各国の第一線の記者に積極的に質問を発することで、私にとっても意義あるものとなっています。 今回の日本での取材内容は自分の新聞だけでなくフランスの20の地方新聞にも配信するとのことです。 フランスの新聞社の取材風景 左記者、右青山 環境総合研究所にて 撮影:鷹取敦 米紙の記者もそうでしたが、来られる前に私たちの独立系メディア E-wave Tokyoの英語版の報告、論考それに日本語であってもある程度わかる写真、動画などにも目を通されており、それをもとに質問を用意されていました。 今回の日本滞在はわずか4日間、24日午前の青山貞一取材後は、東京から新幹線で郡山経由で会津若松市に移動し、町役場を会津に疎開させている福島県大熊町の町長、町民らにインタビュー、明日25日は会津若松市から福島県南相馬市に行き、市長や病院関係者、町民にインタビュー、3日目は宮城県石巻市で病院の医師、患者らにインタビュー、さらに同市雄勝地区を訪問し取材、4日目は会津若松市に避難している大熊町町民の一時帰宅に付き添う形で原発10km圏内に入り現地取材をし、その足で成田に戻り帰国するという強行軍とのことです。 青山からは、石巻市雄勝に行くなら小学生ら70名超が津波で亡くなられた大川小学校にもぜひ、寄られたらと提案しました。雄勝に入るには、必ず北上川河畔の大川小学校近くを通ります。 津波で集落全体が崩壊した石巻市雄勝町 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.11.21 今日の青山インタビューは、友人の女性映画監督、野田香里さんとその友人がフランス語通訳を担当、東京都品川区にある環境総合研究所の会議室で約3時間行われました。 フランスの新聞社の取材風景 左から野田香里さん(通訳、女性映画監督)、 フランスの新聞記者、青山、フランス語通訳者 環境総合研究所にて 撮影:鷹取敦 記者の質問内容とそれに対する青山からの答えの概要は、以下の通りです。 1)日本政府、東京電力などは3.11の大地震、大津波は千年に一度と言っているが、それは本当か? あえて政府やTEPCOが千年に一度ということの裏にどのような意図があると思うか? 明治時代の内務省資料をもとに千年に一度ではなく、せいぜい100 年に一度、強大な地震、津波は起きていること。明治三陸津波では、 3.11より死亡者が多いこと、津波高、遡上高も3.11とほぼ同じことを 説明。 千年に一度と言うことで免責をねらっていることは間違いない。全体を 通じ、半分は自然災害であるが、残り半分は間違いなく人災であると 思われる。とりわけ福島第一原発事故は過失、不作為による人災である。 同じ太平洋に面し震源に近い女川原発は13mの堤防を設置している。 世界で起きている地震の10%が日本周辺で起きているという事実 出典:青山貞一、政策学校一新塾基調講演パワーポイント 出典:青山貞一、早稲田大学理工+政経、環境政策論講義パワーポイント 津波と遡上高の関係 出典:社会実情データ図録
2)3.11後、地震、津波、原発事故の被災地がどう復旧、復興しているか、その妨げとなっているのは何か、基礎自治体と国、県との関係はどうなっているか? 除染、がれき広域処理問題の課題は何か? フランスとはタイプが違うものの日本は極度な中央集権国家であり、 基礎自治体は、予算の多くを交付金、特別交付金、補助金といった 形で国あるいは県を経由して受けている。基礎自治体の首長が復旧、 復興にいろいろ苦労し、創意工夫しようとしても、国はあれこれ難癖を つけ、基礎自治体の政策実現をじゃましてきた現実がある。 フランスの新聞社の取材風景 左から記者、野田香里さん(通訳、女性 映画監督)、フランス語通訳者、青山 環境総合研究所にて 撮影:鷹取敦 3)南相馬市を事例に復旧、復興の実態、膨大な農地が津波で塩水をかぶった後、市民、農業はどうなったのか? 再生可能エネルギー計画はどう実現されるのか? 南相馬市は3.11直後、地震、津波、原発事故の三重苦に直面し、 冬場にガソリンも届かず、陸の孤島となった。市長が国や県に連絡し ても物資は届かず、自衛隊に連絡してもガソリンは危険物を取扱える 運転手がいないことを理由に来なかった。市長は自らYouTube で窮状を日本語と英語で訴え、それがきっかけとなり内外からの支援 が寄せられた。市長は災害がれきを使って津波の防潮堤を構築する 案を提案したが国はそれを受け入れなかった。 Press Interview of The Foreign Correspondents' Club of Japan, Mr.Katsunobu Sakurai, Minamisouma city Ch 5 市長は、津波で潮をかぶった農地を活用し、太陽光発電、風力発電 などの再生可能エネルギーの一大拠点(メガーソーラーなど)とすべく、 再生可能エネルギー推進ビジョンを策定(青山はその委員)した。民間 事業者もこの計画に賛同したものの、農水省は塩をかぶって当面5年間 は満足に農業ができない土地の農地転用を認めていない現実がある。 南相馬市の東日本大震災の津波による被災状況図 撮影:青山貞一 南相馬市海浜部の津波被災地 撮影:青山貞一 南相馬市浜通り海浜被災地で放射線を測定する池田こみち、鷹取敦 撮影:青山貞一 南相馬市櫻井市長(左)、青山貞一、池田こみち(右) 撮影:鷹取 敦 櫻井勝延南相馬市長、南相馬市にて 撮影:鷹取 敦 南相馬市櫻井市長との議論。3階の市長応接室にて 撮影:鷹取 敦 その2に つづく |