<海外メディア取材> 今日のフランスの新聞取材(2) Aujourd'hui, la couverture de la journaliste francaise 青山貞一 Teiichi Aoyama 掲載月日:2012年2月24日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
4)青山らがここ2年間、福島、宮城、岩手の被災地現場に入り現地調査し、測定してきたことで分かったことは何か? 一律10km、20kmなど同心円状に指定した避難区域などの政府の措置をどう見るか? 青山らの測定結果からそれらの問題点は何か? 南相馬市は20km圏、30km圏にまたがる福島原発近くの基礎自治体 であるが、私達が行ってきた調査でも海側の空間放射線量率は低く、 山側の線量は非常に高い。国はその実態と関係なく、一律20km、 30kmと線を引いている。その一律の線引きが、その後の町の復旧、復興 のまちづくりの大きな障害となっている。 逆に、飯舘村の場合には、地形と風向、降雨の関係で30kmでも村内の 放射線量は非常に高く、現在も全体として放射線量は高い。 青山貞一・鷹取敦・池田こみち: 福島原発事故に起因する放射性物質による地域汚染の実態解明と 汚染構造の把握(速報),環境アセスメント学会誌、2011年 Vol.9 No.2 5)地震、津波発生後の住民避難に関連し、青山が現地調査を通じて強く感じたことは何か? ・石巻市大川小学校の惨事 すでに2回現地調査で出かけている石巻市立大川小学校の場合、津波 が地震発生後およそ50分経った15時36分頃、新北上川(追波川)河口 から約5kmの距離にある小学校を襲い、校庭に避難していた児童108名 中70名が死亡、4名が行方不明)、教職員13名中、校内にいた11名の うち9名が死亡、1名が行方不明となった。スクールバス運転手も死亡して いる。 当時は小学生全員を校庭に並ばせ、教員らは裏山避難案と三角地帯避 難案をめぐり議論、意見対立し、最終的に三角地帯を目ざすことになった。 しかし、この三角地帯は津波に呑み込まれている。 石巻市立大川小学校、雄勝地区、長面浦地区 出典:グーグルマップ 大川小学校背後の裏山 撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2011.11.21 石巻市大川小学校の慰霊碑の前でお参りする池田こみち 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.21 多くの児童が亡くなった宮城県石巻市立大川小学校慰霊碑前にて 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-24 動画撮影:青山貞一 Yashika ADV-1025HD 2012-11-24 壊れた大川小学校の鉄筋コンクリートの橋梁 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-24 壊れた大川小学校の教室内部 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-24 動画撮影:青山貞一 Yashika ADV-1025HD 2012-11-24 大川小学校の例は、多くの教訓を残していると思える。常日頃の防災 訓練、その避難先の指定が明確でなかったこと、津波が小学校に来襲 しているにも係わらず教員らは避難案を巡り意見対立していたことが 甚大な被害をもらたらした。私達の2度にわたる現地調査では、学校 南側の裏山斜面に子ども達をよじ登らせていれば間違いなく全員助か ったと思える。 ・鉄とコンクリート依存の惨事 他方、岩手県釜石市や釜石市唐丹町では、鉄とコンクリートによる 巨大防潮堤(釜石湾、1200億円かけた世界一の防潮堤)や堤防 (漁港に数100億円かけた堤防、釜石市唐丹町)は、いずれも破壊 され、後背地に被害をもたらした。 私達の市民ヒヤリング調査では、強大な防潮堤や堤防があることで、 市民が慢心し逃げ遅れた可能性が指摘されている。過度な技術依存 やハード依存はかえって被害を大きくしていることが分かっている。 釜石港湾口に1200億円を投入し建設しながら津波で粉々に 破壊されたスーパー防波堤 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 2011.11.18 釜石港湾口に1200億円を投入し建設しながら津波でコッパミジンに 破壊されたスーパー防波堤(防潮堤) 釜石市大平町からさらに望遠で撮影 動画撮影:青山貞一 ヤシカデジタルハイビジョンカメラ 2011.11.20 釜石市唐丹町小白浜漁港の防波堤 撮影:青山貞一 2011.8.24 釜石市唐丹町小白浜漁港 撮影:青山貞一 2011.8.24 撮影:青山貞一 釜石市唐丹町小白浜漁港 出典:グーグルマップ 釜石市唐丹町小白浜漁港の倒れたコンクリ防波堤ブロック 撮影:青山貞一 2011.8.24 その3に つづく |