ウズベキスタン現地予備調査 サマルカンド3日目 郷土史博物館 スザニ、サンドリ Viloyai O'lkashunosilk Muzeyi 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2015年3月7日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
次に、民族学分野、とりわけウズベキスタン、サマルカンドと言えば、かのシルクロードの一大拠点であり、シルク織物のメッカでもあります。 とくに現地で「スザニ」と呼ばれている木綿か絹のベース生地に、コットンかシルクの糸を使って刺繍がほどこされている織物は、有名でサマルカンド、ブハラなどウズベキスタンさらには中央アジア諸国の土産物としてもつとに著名となっています。 刺繍にはチェーンステッチ、サテンステッチ、ボタンホールステッチの3技法が使われていますが、その他として縁取り用のカウチングステッチもあります。 人気のモチーフは、チューリップ、カーネーション、アイリス等の花。葉っぱと枝、果物(特にざくろ)、太陽と月などで、ブハラの「夏の王宮」の土産物屋それにサマルカンドのリンギスタン広場のメドレサの中にあります土産物屋でも大々的に売っておりました。。 ところで、このスザニは中央アジア諸国の嫁入り道具のひとつとなっており、結婚式の日、新郎にスザニを渡す習わしもあるようです。 実際に「スザニ」を購入するのは難しく、柄と大きさがほぼ同じスザニでありながら、ブハラの「夏の王宮」の土産物屋では当初、1枚1万円と言っていましたが、サマルカンドのリンギスタン広場のメドレサの中にあります土産物屋では2500円と言っていました。いずれもコットンと絹の生地にコットンかシルクの糸を使って刺繍がほどこされている織物です。 ところで、サマルカンドの郷土史博物館では、以下に紹介するように養蚕に関連した道具から多数の織物や「スザニ」が展示されていました。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 以下は馬の鞍と馬に書ける織物です。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 帰りのウズベキスタン航空の席にあった機関紙が「スザニ」の特集をしており、以下の写真がありました。スザニはこのような最新のファッションにも生きているようです。 Source:Silk Fantasies, Uzbekistan Airways, Forthcoming Issue 民俗学分野で興味深かったのは、ウズベキスタンでは日本の炬燵(こたつ)とほぼ同じものが歴史的に存在していたことです。 日本のコタツと同様な暖房器具が他国でもあり、イランには「コルシ」(Korsi)と呼んでいるそうです。さらにスペインのアンダルシア地方にはブラセロ(es:Brasero)というオリーブの実の絞りかすなどを燃料とするあんかを使った椅子に座って使うこたつがありますが、ウズベキスタンの現地語ではこれを「サンドリー」と言われていました。 外見は100%炬燵ですが、内部の熱をとる部分までは詳細に見れませんでした。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 これはパキスタン北部や天山山脈から新疆ウイグル地区のウルムチ、カシュガルにもあるようで、日本の炬燵はひょっとするとシルクロードを経由して日本に根を下ろしたのかもしれません。 下の2枚の写真は、青山貞一・池田こみち共編、<シルクロードの今を征く>のフンザ・カラコルムハイウェーに掲載したものですが、まさに炬燵そのものです。 This photo of Hunza is courtesy of TripAdvisor This photo of Hunza is courtesy of TripAdvisor つづく |