ウズベキスタン現地予備調査 サマルカンド3日目 郷土史博物館 野生生物・昆虫 Viloyai O'lkashunosilk Muzeyi 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2015年3月7日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
ところで、この郷土博物館では、動物(野生生物)、鳥類、昆虫などが標本展示されており、サマルカンドの総合博物館といえるものです。 以下は動物(野生生物)、鳥類、昆虫などが標本展示です。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ◆ムフロン 下の写真にありますヒツジのような動物は、ムフロン、英名、e:Mouflonのようです。ムフロンは、ヒツジ属にする種であり、国際自然保護連合(IUCN)による野生動物として分類されています ムフロンはもともと、コーカサス北部と東部、イラク、イラン北西部に棲息していました。 3000年前には、アナトリア半島、クリミア半島とバルカン半島にさらに広がっていたそうです。通常、険しい山岳地帯の森林限界付近に棲息していおり、、冬になると標高が低いところへと降りてきます。 体は赤茶色した短い毛をしています。 オスは角を持ち、成熟したオス羊の角の長さは約85cmでほぼ一回転しています。 重さは、オスで50kg、メスで35kg。体長約1mほどあります。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ◆マーモット 下の写真の右側にいる3匹は、いずれもマーモットです。マーモットは、Afrosiab考古学博物館の論考でも紹介しましたが、やはりウズベキスタンにポピュラーな動物のようです。 マーモット (Marmota) は、哺乳綱ネズミ目(齧歯目)リス科アラゲジリス亜科マーモット属に分類される動物の総称であり、大型のジリスです。 主にアルプス山脈、カルパチア山脈、タトラ山脈、ピレネー山脈、ロッキー山脈、シェラネバダ山脈、ヒマラヤ山脈などの山岳地帯に生息していますが、中国東北部からモンゴルにかけての草原に生息するタルバガン、北米大陸に広く生息するウッドチャックなど、平野部に生息する種もいくつか存在しています。 一般に巣穴の中で生活しており、冬季は冬眠する。大部分のマーモットは社会性の高度に発達した動物で、危険が迫るとホイッスルのような警戒音でお互いに知らせ合う。 食性は主に草食性である。草、果実、コケ、木の根、花などを食する。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 下は博物館2階の野生生物の展示です。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ◆ラーテル 下の写真の生物は、ラーテル(Ratel、学名:Mellivora capensis、異名:ミツアナグマ)です。 ラー輝は、ネコ目(食肉目)-イタチ科-ラーテル亜科-ラーテル属に分類されます。小型の雑食性哺乳類です。本種のみでラーテル属を形成しています。 好物の蜂蜜を巡って、ミツオシエ科の小鳥と共生関係にあります。 また、「世界一怖い物知らずの動物」とギネスブックに認定された生き物としても知られています。 日本語による異名(過去の標準和名)は「ミツアナグマ(蜜穴熊)」。英名 honey badger、中国語名「蜜?」と同様の命名です。 「ラーテル」 ratel はアフリカーンス語由来、学名は「ケープ地方の、蜜食い」といった意味です。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ラーテルの分布 ◆猛禽類 下の写真の猛禽類は、おそらくイヌワシのはずです。イヌワシは、アフリカ大陸北部、北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸、韓国、北朝鮮、日本(北海道、本州、四国、九州)に分布し、冬季に南下することもあります。日本では亜種イヌワシが周年生息しています。 形態は全長75-95センチメートル。翼開張168-220センチメートル。全身の羽衣は黒褐色や暗褐色です。後頭の羽衣は光沢のある黄色で、英名(golden=金色の)の由来になっています。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 イヌワシの分布 ◆カスピオオカミ 世界には以下の表にあるように11種類のオオカミが棲息しています。なかにはすでに絶滅しているオオカミもいます。
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-3-3 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ◆カラカル 下の写真の生物は、カラカル(Caracal caracal)のようです。 カラカルは、哺乳綱食肉目ネコ科カラカル属に分類されるネコです。本種のみでカラカル属を形成しています。分布は、アフリカ大陸(サハラ砂漠除く)、アフガニスタン、イラン、インド北西部、サウジアラビア、パキスタンなどとなります。 なお、は体長55-90 cm、尾長20-30 cm、体重8-23 kgで、長くほっそりした四肢を持っています。体毛は短く、地色は赤褐色で顎、胸、腹にかけて白色です。耳は三角形で大きく黒く、先端に特徴的な房毛があります。 生態は砂漠、草原、丘陵地に生息し、夜行性ですが、昼に行動することもあります。動きがとても俊敏で、警戒心が強いようです。食性は肉食性で小型哺乳類や鳥類を食べます。鳥類を捕らえる時は地上から3 mほどまでジャンプして捕らえます。 繁殖期は9-12月で妊娠期間は約9週間。岩の隙間や樹洞、ツチブタやキツネのすてた穴を利用し2-4子を産みます。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2015-3-3 ◆カスピトラ なお、博物館の展示の中にはありませんがでしたが、ウズベキスタンには、すでに絶滅しているカスピトラ(裏海虎、Panthera tigris virgata)がいたそうです。 このカスピトラは、トラの中では最も西側に生息しており、現在のイランやイラク、アフガニスタン、ウズベキスタンなどに棲息していたようです。 世界で3番目に大きなトラであり、野生のものが最後に目撃されたのは1958年で、1970年代には絶滅したと考えられています。記録では1974年絶滅とされることが多いようです。耳が短くて小さくほおの毛が豊かでした。オスのカスピトラの体重は大きいものでは240kgもあったようです。 カスピトラは、食肉目ネコ科に属するトラの一亜種であり、カスピ海沿岸のカフカスからアラル海周辺、イラン・アフガニスタン・パキスタン北部の山岳地帯にかけて分布していましたが、すでに絶滅しています。別名ではペルシャトラと言います。 カスピトラは下の写真にあるように、顔の下半分の毛が長く、顔が大きく見えるのが特徴です。 トラの絶滅亜種に共通していえることですが、カスピトラもまた毛皮や骨(漢方薬にされる。成分上薬効はないとされている。)を得るために乱獲の対象となっています。 1899年に撮影されたベルリン動物園のカスピトラ。色彩強調写真。 以下は蝶類です。アフガニスタンには非常に珍しい蝶類が棲息していると聞いたことがありますが、そのアフガニスタンに近いウズベキスタンにも、珍しい蝶類がいそうです。 下の箱では、右3列はシジミチョウ科、しかも日本の蝶のゼフィルスのチョウように見えます。一方、左の2列はジャノメチョウ科、ミスジチョウ科、ヒョウモンチョウ科のチョウようです。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-3-3 以下の箱では、左2列がヒョウモンチョウ科、右2列はタテハチョウ科とミスジチョウ科のチョウのようです。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2015-3-3 つづく |