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第3回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2013-6
A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune

ミノーリのヴィッラ・ロマーナ(4)
Villa Romana in Minori, Italy 4

    青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2020年11月30日 独立系メディア E-wave Tokyo

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6

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ミノーリ(コムーネ)

ビラ・ロマーナ遺跡1  ビラ・ロマーナ遺跡2  ビラ・ロマーナ遺跡3
ビラ・ロマーナ遺跡4  ビラ・ロマーナ遺跡5  ビラ・ロマーナ遺跡6
ビラ・ロマーナ遺跡7  ビラ・ロマーナ遺跡8  ビラ・ロマーナ遺跡9 
ビラ・ロマーナ遺跡10

 本稿の解説文は、現地調査に基づく解説、写真撮影に加え、Wikipediaのイタリア語版を中心に英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 

◆ミノーリのヴィッラ・ロマーナ(4) 

 ここでミノーリにある古代ローマ遺跡、ヴィッラ・ロマーナについて、地形図、ヴェスヴィオの噴火シミュレーションを用いて概要します。

ヴィッラ・ロマーナ(Villa Romana)とは

 下の地形図が示すように、ミノーリやその周辺地域は、狭い渓谷など複雑な地形的となっており、しかも寒い北風から地形的に守られ、温暖な地中海の海流のためもあり、古代ローマ時代から別荘(ヴィッラ)を建造する上で理想的な場所と考えられていました。


アマルフィ海岸コムーネの位置図  Source:Google Map


 これはミノーリだけではなく、周辺のコムーネ、つまりマイオーリ、ポジターノ、リガリ、ヴィエトリスルマーレ、チェターラなどでも同じです。その狭い谷にローマ帝国時代、多くの別荘が造られたのです。

 ローマやナポリなどの大都市のローマ人は休暇をミノーリなどで過ごし、さらにポンペイなどの別荘地で過ごしていたと思われます。

 ヴィッラ・ロマーナを所有する人々は、かなりの財政力と文化それにハイレベルで、富裕層のグルメ人であったことが想像されます。

 ミノーリの考古学博物館では、往時の別荘の複雑な構造や、すばらしい装飾品などを数多く見ることが出来ます。

 海の水面レベルに建てられた別荘、そのレベルの下の階にある玄関など、また海に向かって開かれた大きなプール、これらは計画的に造られたものであることを示しています。さらにヴィッラ・ロマーナの居室の床には、温水が供給されていたことも分かっています。

 今から2000年近くも前にこのような施設が存在していたこと自体、驚きといえます。

 このヴィッラ・ロマーナに類似した別荘や邸宅は、スタビアエ(カステッランマーレ・ディ・スタービア(コムーネ))、オプロンティス(エルコラーノ)などにもあります。その共通点はポンペイにはない、海浜が近くにあったことです。

 しかし、ポンペイ遺跡を含め、往時のまちづくりや建築、土木の秀逸さはうなずけるものがあります。

 ポンペイとミノーリを比較した場合、下の図にあるようにミノーリはヴェスビオ山大噴火の影響範囲内にあるもののスタビアエ(カステッランマーレ・ディ・スタービア(コムーネ))、オプロンティス(エルコラーノ)に比べれば、はるかに少なかったと推察されます。

 今回の「ヴェスヴィオ噴火と周辺地域」では、ほぼ以下の影響範囲の諸地域、コムーネを対象としていますが、ミノーリが一番「ヴェスヴィオ噴火地点から離れていると言えます。


ヴェスビオ山大噴火の影響範囲 L'eruzione del 79 d.C.


 ちなみに、下は有名なヴェスビオ山大噴火のときのポンペイの推察図(イメージ図)です。


ヴェスヴィオス大噴火イメージ図  
Source:Da Wikipedia, l'enciclopedia libera.


  ミノーリに残ったローマ時代のヴィッラ・ロマーナ(Villa Romana)には、2500平方mに及ぶ豪邸があります。そこには広大な中庭そして食堂、ダンスホール、噴水、狩りの様子など、当時のローマ時代の貴族の家と生活が偲ばれます。

 それらの構造物、建築物のうち居室の壁などにはモザイク絵画があり、また厨房やダイニングには水差し、瓶、壷などの古代ローマ時代の建築と様式を博物館で見ることができます。

 下は考古学博物館のすぐ隣にあるヴィッラ・ロマーナの半地下の住宅の遺跡です。見たところ、構造物は破壊されておらず、ほぼ往事のままの姿が残っています。ヴィッラ・ロマーナの特徴は大きな中庭があり、その周りを住居(部屋)が囲んでいる構造にあります。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6


 下は中庭の芝生です。


ヴィッラ・ロマーナ(Villa Romana)
Source:Wikipedia Italiano
CC BY-SA 3.0, Link


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6


 下はヴィッラ・ロマーナの平面図です。上の写真は主に A,C, D を示しています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6


 下ノ図面は上の平面図とほぼ同じものです。


ヴィッラ・ロマーナ(Villa Romana)
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6


ビラ・ロマーナ遺跡5へつづく