平良市(伊志嶺亮市長)主催の「市環境保全条例案に係る市民討論会」が21日夕、JAおきなわ宮古支店大ホールで行われ、詰め掛けた多くの市民らが同条例の起草理由や内容について学んだ。討論では市民から「なぜもっと早く制定しなかったのか」「議会で継続審議となっている理由は」「市民への説明が不十分」など、活発な質問が出され、当局に対しては美しい環境を子、孫たちに残すためにも実効性のある市民のための条例が要望された。
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写真説明・多くの市民や町村民が参加して活発な意見交換が行われた市環境保全条例案の市民討論会=21日夕、JAおきなわ宮古支店大ホール |
今回の市民討論会には、同条例案の起草に協力した理学博士でもある梶山正三弁護士、産業廃棄物問題の専門家で地質学者の関口鉄夫氏の講義の後、討論会のコーディネーターを務める東京農業大学亜熱帯農業研修センターの中西康博助教授も宮古の地下水問題等について説明を行った。
参加者から出た質問としては「私の住む自治体にも環境保全の条例はあるが誰も守ってはいない。ぜひ実効性のある条例を制定してほしい」
これに対して梶山弁護士は「条例というのは行政と住民との緊張感が大切。市民が真剣に自分の問題としてとらえないと実効性を持ち得ない。地域の住民のやる気と問題意識が重要」と述べた。
「なぜ、議会では継続審議が続いているのか」の質問に後藤浩行市生活環境課長は「議員は推進派と慎重派に分かれ、議論が尽くされていない。市民に説明不足や市町村合併後にすべきとの意向がある」と説明。また、個人的に訪問して得た業者社長の回答として「未来に美しい自然を残すことは私たちも同じ気持ち。しかし、条例の規則にあるモニタリング調査にはかなりの経費がかかる。今の厳しい社会情勢では難しい」との見解も紹介した。
また、伊志嶺市長も「議員も条例そのものに反対ではなく施行規則を問題視している。これは後の問題と説明しても理解が得られていない」と現在の議会における状況を説明した。
平良市議の真栄城徳彦氏は「行政としてこの条例の持つ意味、意義、中身、方向性をもっと早く市民に説明する義務があった」と当局の姿勢を批判した。
これに対して伊志嶺市長は「全庁体制で取り組み、これまで住民説明会を開催しても慎重派の出席が少なかった。この討論会(慎重派含めた)を一番最初に力を入れるべきだった。反省している」と述べた。
そのほかの意見として「当局が条例案を通したいのならどの部分が反対なのかを突き詰めるべき。これまで以上に真剣に頑張ってほしい」「美しかった昔の宮古と今は大きく違ってしまった。もっと早く環境を保全する条例を制定すべきだった」などが要望された。
今回の市民討論会は、市議会や文教社会委員会で継続審議が続く同案について法制度、他の条例とのかかわりなど広く市民・郡民で議論し条例案の条項を理解促進し、平良市の環境保全を推進することを目的に開催された。
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