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昇仙峡、自然と文化・歴史短訪

羅漢寺
Rakanji, Yamanashi pref.

青山貞一・池田こみち
 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年12月21日
 

天台山 羅漢寺(2018年10月31日撮影)  出典: CC 表示-継承 4.0, リンクによる

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羅漢寺概要

 山号 天台山
 宗旨 曹洞宗
 本尊 阿弥陀如来
 開基 伝・俊屋桂彦、伝・有金(開山)
 中興年 伝・大永年間(1521年 - 1527年)
 中興 伝・俊屋圭彦
 札所等 甲斐百八霊場第六十四番
 文化財 木造阿弥陀如来坐像、木造五百羅漢像(県文化財)
 羅漢寺 (甲斐市)の位置(山梨県内)羅漢寺 (甲斐市)
 所在地 山梨県甲斐市千田4835羅漢寺 (甲斐市)


羅漢寺(らかんじ)の位置 昇仙峡の入り口近く、羅漢寺橋の北西にある
所在地 山梨県甲斐市千田4835羅漢寺 (甲斐市)
出典:グーグルマップ


 羅漢寺(らかんじ)は、山梨県甲斐市千田にある寺院。現在は曹洞宗寺院で、山号は天台山、本尊は阿弥陀如来。

沿革


 現在の羅漢寺は山梨県を代表する景勝地の一つ昇仙峡にあり、荒川右岸、標高1058メートルの羅漢寺山南東山麓に位置する。かつては「北山筋の高野山」と呼ばれた真言宗寺院で、旧地は現在地からさらに北西に位置し、荒川支流の羅漢寺沢沿いの斜面上にあった。

 甲斐国では平安時代に天台・真言密教の影響で山岳信仰が成立し、甲信国境の金峰山は富士信仰と並ぶ御獄信仰の山となり、羅漢寺はその拠点となる修験道場であった。『甲斐国社記・寺記』によれば創建年代は不明だが、開祖は天台座主有金、開山は俊屋桂彦であるという。『甲斐国志』では創建は戦国時代の大永年間(1521年 - 1527年)で、中山広厳院(笛吹市一宮町金沢)4世住職の俊屋圭彦が中興して末寺とし、曹洞宗に改めたとしている。

 諸堂は慶安4年(1651年)3月の火災で焼失して廃寺(羅漢寺廃寺)となり現在地に移転したと考えられているが、『国志』によれば小堂が建てられて活動が続けられていたという。昭和60年(1985年)には寺域の発掘調査が実施され、本堂や庫裏の遺構が確認され、陶磁器や金属製品などの遺物も出土している。

文化財
県指定文化財

・木造阿弥陀如来坐像 - 昭和59年(1984年)11月8日指定
・木造五百羅漢像 - 昭和59年(1984年)11月8日指定


・参道入口(2018年10月31日撮影) 出典: CC 表示-継承 4.0, リンクによる


・参道入口(2020年10月撮影) 出典:U Hi氏 グーグルストリートビュー


・羅漢寺橋(2020年10月撮影) 出典:YATYA 777氏 グーグルストリートビュー


・本堂(2018年10月31日撮影)  出典: CC 表示-継承 4.0, リンクによる


・羅漢寺の木造阿弥陀如来坐像と木造五百羅漢像  出典:CC 表示-継承 4.0, リンクによる


参考:

・笹本正治「天台山羅漢寺をめぐって」『甲斐の美術・建造物・城郭』(岩田書院、2002)
・研究例会「御獄信仰と羅漢寺-問題提起-」『甲斐路61』(山梨郷土研究会、1987)
・清雲俊元「甲斐金峰山信仰について」
・末木健「羅漢寺跡発掘調査報告」
・上松又次「天台山羅漢寺などの彫刻」
・羽中田壮雄「御獄路南・西口の石造美術」


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