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クラシック音楽を
欧米無料サイトで聴こう!


青山貞一

掲載日: 2006.6.36.5、9.18(更新)


◆モーツアルト生誕250周年

 今年はヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト(W.A.Mozart)の生誕250周年、サッカーのワールドカップほどではないが、やはり日本人がバカ騒ぎしている。NHKはじめ民放テレビ局などもモーツアルト生誕250周年記念番組をたくさんつくり、毎日どこかで特番が聴けるほどだ。

 この3月、仕事でウィーン経由でミラノに行ったとき、ウィーン空港にそれらしき日本人の団体客がわんさかと、旗を持ったツアコンのもと大きな声で闊歩していた(苦笑)。


イタリアのミラノにもモーツアルト生誕250記念のコンサート案内が

 音楽好きの小生にとって、モーツアルト生誕250年を機会として日本人のクラシック音楽ファンが増えるのはよいことだと思っている。永遠のスタンダード音楽でもあるクラシック音楽に親しむきっかけのひとつになればと。だが、どこでも群れて皆でわたれば怖くないとばかり騒ぐのはぜひやめて欲しい!

◆バカ高い日本の音楽CD

 ところで世界を旅して気がつくのは、日本の音楽CDの値段がバカ高いことである。

 公正取引委員会が今回提起した新聞、雑誌・書籍などの「特定指定見直し」の中に、実は音楽CDも入っている。新聞の特定指定見直しでは、公取委は政党と結託した新聞業界の猛反発で涙を飲んだ。 しかし、その他の品目については、見直しが決まった。そのなかに音楽CDもある。

 ただ、周知のように音楽CDは、いったん海外に輸出された日本のCDが海外とくにアジア諸国でリプリントされ、日本に逆輸入され、これにより、日本の多くの消費者がそれを安く購入し、実際はそれほど高くないと印象を与えている。しかし、これは著作権違反を前提にしてのことである。

 当然、売る方も買う方も違法行為を前提としている。もっぱら、アジア諸国のなかには、パリ条約に入っていない国もあるから、著作権違反と決めつけるわけにはいかないが。

◆著作財産権がなくなっても高い日本の音楽CD

 音楽著作権の侵害はもちろん問題だ。しかし、日本の音楽業界がやってきた消費者無視の理にあわないバカ高CDこそ問題である。 それをまさに実力行使で諸外国並みにの価格にしてされてしまったことも事実だ。

 閑話休題

 以前から日本で売られている音楽CDでも、クラシック音楽系の価格は比較的リーズナブルであった。たとえば、ロンドンフィルであれウィーンフィルが演奏したクラシックのCDであっても、日本の音楽CDの相場からするとずいぶんやすかった。

 だが、それらは海外直輸入版があり、ラベルを日本語としたCDが依然として高いことに代わりがなかった。さらに、最新のディジタル録音による著名音楽家や管弦楽団のCDは依然として高額であることには変わりがない。

 周知のように音楽関連の著作権は、50年間が国際的に著作権によって保護される期間となっている。それを経過すると著作財産権がなくなる。もちろん、著作人格権は永遠に残るが、クラシック音楽の場合、モーツアルトであれベートーベンであれ、著名な作曲家の曲であっても、価格に関連する財産権がなくなる。

 むろんCDの場合、制作費、販売費とは別に、クラシック音楽を演奏したり、歌うひとびとの音楽著作権が生ずるから、50年以上経過したからと言って著作財産権がなくなるわけではない。

 昨今のモーツアルトブームにあやかって、100曲で2500円〜3000円など、10枚組として信じられない値段でアマゾンやヨドバシカメラなどでクラシック音楽CDが売られている。



 しかし、それらの超廉価CDは、誰が弾いているかわからなかったり、音質が悪かったり、音量レベルが曲によって著しく異なっていたりで、どちらかと言うと、やすかろう=悪かろうのイメージがぬぐい去れない。もちろん、それで十分と思う人にはそれでよいと思うが。

◆クラシック音楽ファイルを無料ファイルで
 存分に聴こう!


 最初にお断りしておくが、これから先の話(提案)は、けっして音楽著作権の侵害行為を推奨するものではない。合法的に無償でインターネットのストリーミングを通じて聴け、mp3ファイルがダウンロードできるクラシック音楽の薦めである。ご安心のほどを。

 ある日、グーグルを使って海外のクラシック音楽の関連サイトを検索していたら、無料で聴けるだけでなく、mp3ファイルを無料でダウンロード可能、しかも数1000曲のクラシック曲に対応しているサイトに出会った。

 実はこのような欧米系の音楽サイトはたくさんあるのだが、たとえば、http://www.classiccat.net/ は非常に使いやすい。

 

 このサイトは、クラシック・キャットと言う。

 数100人の作曲家が作曲した主な曲をインターネットのストリーミングによって無料で聴ける。ストリーミングで聴けるだけでない。音楽CDのひとつの標準となっている圧縮ファイル(mp3ファイル)を無料でダウンロードすることが可能だ。自分のクラシック音楽ライブラリーをつくることも可能と書かれている。

 たとえば、http://www.classiccat.net/composers.htm は作曲家リストである。どうだろう? これだけの作曲家の主な曲が聴ける、それも無料で聞けるのだ。

 ここでは、かのモーツアルトをクリックするとしよう。

 のところに以下があるのでクリックする。

 http://www.classiccat.net/mozart_wa/index.htm

 まぁ、なんとたくさんのモーツアルトの曲がA,B,C順で並んでいることだろうか! うれしくなる。

 では、ここで超有名なモーツアルトのセレナーデ、「アイネ・クライネ・ナハット・ムジーク」を聴くとしよう。のところに以下がある。

 Eine kleine Nachtmusik (serenade no. 13)

 ここで曲の詳細説明(主に英語)も読めるが、MP3sの部分で右にあるオレンジのアイコンをクリックすると、曲ごとに@mp3ダウンロード、A低音質で聞く、B高音質で聞く、の3種があるので、それをクリックすれば、選んだクラシック音楽が聴ける!

 ただし、以下は見本なのでクリックしてもだめ!
 
Classical : Symphonic download free mp3mp3  play lo-filo-fi  play hi-fihi-fi 
Mozart Eine Klein Nachtmusik
This was recorded by the YPAS Orchestra in Louisville KY 


モーツアルトの小夜曲を演奏中の画面例

 注意としては、mp3ダウンロードは、会員に限定していることだ。

 もちろん、会員とは言っても無料会員なので、少々面倒だが、指示に従い必要事項を記入してゆけば、それ以降は、存分にダウンロードし、通常の音楽ファイル同様に楽しめる。

 クラシック・キャットに限らず、欧米では、この種のサイトがごまんとある。ここでは、地域や大学のオーケストラ、趣味で演奏しているプロはだしのひとなど、著名ではなくともクラシック音楽をこよなく愛し、皆に聴いてもらおうと言うひとびとの善意によって録音からmp3ファイル化までがなされているようだ。

 日本のように、やたらもったいぶったり、無料と言いながらさまざまな条件を付けたりといったことはほとんどない。

 またアマゾンなどでCDを有料で買うことも簡単にできる。

 要するに、日本では商業主義、儲け主義が先に立ってしまい、結果的にバカ高いCDが闊歩している。特殊指定はそれを追認してきただけである。

 アホなブランド志向にならず、モーツアルトなりプッチーニの曲を聴きたいのなら、上記のサイトからダウンロードしたファイルでも十分だと思う。

 ちなみに荒川静香さんのトリノ・オリンピックで一躍有名となったプッチーニのツゥーランドットは以下のサイトでライブ版がストリーミングですぐに聴ける!

 http://www.audiostreet.net/artist.aspx?artistid=1963&mode=music


欧米の無料音楽ファイルからライブラリーをつくる!

 そこで、今年の夏からコツコツと独立系メディア「今日のコラム」の上に「音楽」コーナーとして、欧米の無料音楽ストリーミング及びmp3ファイルを集めて音楽ライブラリーをつくっている。

 まだ不十分だが、結構楽しめる。さらにクラシックだけでなく、一部ではあるがジャズ、ポップスなどクラシック以外のWebも加えた。

 信じられないことだが、かのウィーンフィルでさえ無償で美しき青きドナウなどをmp3で提供している。NHK交響楽団も見習って欲しい。

 以下をクリック!

 音楽


良い音で聴くには!

 パソコンとインターネットを使って音楽を良い音で聴くには、いくつか方法がある。

 簡単な方法としては、秋葉原で数千円で売っているパソコン用スピーカーを買ってイヤホン端子につなぐことだ。これでもそこそこ聴けるが、わずか700円ほどの出費で音質をかなり向上させられる。

 それは、「玄人志向」と言う製品群で有名な台湾のメーカーX−PROが出しているUSBオーディオアダプタ「AUDIOJACK-USB」(以下の写真参照)をUSBとステレオのAUX端子の間に入れることだ。

 ただそれだけで実現する。このアダプタは、たとえば秋葉原、新宿、横浜のヨドバシカメラにゆけば手に入る。税金を含めても700円程度のはずだ。



 
超コンパクトなAUDIOJACK-USB。右側をUSB端子に接続する。右側の黒い部分に各種のチップがモールドされている。これをスピーカーアンプとPC端子の間にいれるだけで、音質が向上する。

 さらに、本格的な音が楽しみたいひとには、PCにサウンドカード(オーディオカード)を入れ、そこそこのステレオのAUX端子につなぐことだ。私の場合どうしているかを知りたい方は、以下をごらんになって欲しい。

 ちょっとした工夫で、2畳ほどの書斎が5.1chの本格的な音響空間となっており、日曜など一日中、このシステムで寝ながらクラシック音楽を聴いている。ウィーンに行かなくとも満足できる。

 なお、ごく最近、5000円そこそこでPCオーディオ用のパワーアンプを製作したので、参考にして欲しい。

 青山貞一:700円のLSIによる本格的オーディオアンプの製作

青山貞一 趣味のDigital Audio System
700円のLSIによる本格的オーディオアンプの製作
本格的オーディオボードでPC音響システムの音質改善を
簡易アダプターでPC音響システムの音質改善を
古ステレオ再使用による最新音響システムづくり