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長野県議会の百条委は
政治闘争の一環!

青山貞一

2006年1月27日

青山貞一ブログ版

長野県百条委員会HP


 長野県議会は、ここ数年、田中康夫知事が提出する全国に先駈けた条例案や組織改正案、それらを財政面から支援する予算案、人事案など、田中色が強い「政策」を、ことごとく「政局」化し、廃案あるいは継続審議のうえで廃案としてきた。

 今秋、長野県知事選を控え、これらの傾向は一段と加速化している。

 これら県議会の反田中会派の言動は、県民にとってまさに大いに目に余るものとなっている。しかし、当の会派所属議員らはとどまる様子がない。

 そこでは、その道の専門や国の政権政党からも先進的な「政策」として評価を受けている政策や施策を、ことごとく「政局」化し、葬り去っておいて、他方、田中知事の理念、方向性がよいが、ただ壊すだけ、何ら実績がないと言う、決まり文句が常套化している。

 実績を見ようとせず、目をつむれば、見えないのは当然だが、以下の例にあるように、客観的な指標で見ても、知事の実力、実績は確固たるものがあるはずである。

  田中康夫知事、実力、実績で全国ナンバーワン知事に!
  長野県の財政改革の成果!
  全国一の長野県知事の実力・実績と著しく乖離する県庁所在地でのタメ議論!
  
長野県議会が全面・大幅削除した田中知事肝いり事業予算!
   長野県議会が全面削除した環境保全研究所長の報酬への県議、知事の反論

 ところで、「政策」をことごとく「政局」の種とし、政治闘争の具とする長野県議会の反田中会派が地元メディアとタイアップして設置した「百条委員会」では、過去、半年以上の歳月のなかで呼ばれた証人は膨大な数にのぼっている。

 以下は、長野県の知事部局が百条委員会に費やした時間と経費の概要である。ただし、以下は昨年末までの数。見れば分かるように、3,554時間20分に及び行政職員がこの百条委員会の関連業務に従事している。


知事部局等が百条委員会に費やした従事時間・経費について
 
(1)百条委員会関係業務従事時間

  ア 12月末現在    知事部局・教育委員会事務局 
       3,554時間20分
  イ 従事時間内訳
    (別紙 「百条委員会関係業務従事時間集計表」)
 
(2)百条委員会関係業務経費

  ア 12月末現在    知事部局・教育委員会事務局 
        163,823円
  イ 経費内訳  
    (別紙 「百条委員会関係業務経費集計表」)


 もともとこの百条委員会は、長野県幹部職員の地元新聞へのリーク「内部告発」によってはじまったとされている。これについては、元信濃毎日記者の百条委ブログを参照して欲しい。

 百条委員会は、仰々しく、大山鳴動し、そのあげく、結局、その幹部職員の発言内容が偽証であることを確認するにとどまったのだ。

 そもそもこの百条委員会では、反田中系会派の「反田中的な価値判断」を優先するがあまり、事実確認を軽視したことが廃嫡であり、大問題であった。一言で言えば、結論先にありきだったと言うことだ。

 北山早苗ブログ:公文書隠蔽は岡部氏自作自演、百条委員会は地に落ちてしまうの?

 刑事告発などをするかどうかを認定する百条委員会の最終採決では、幹部職員の公用文書等毀棄(きき)認定はまだしも、知事がそれを指示したかどうかは判断しできず、それを容認したと認定するなど、 まさにやぶ蛇そのものとなったことになる。

 まさに価値判断を優先し、事実認識を誤った典型例であると言えよう。

 以下は、それを伝える地元新聞の記事。 


「働き掛け」記録文書破棄「知事容認」認定 百条委

信濃毎日新聞 2006.1.27

 田中知事後援会の元幹部による「働き掛け」問題などの事実関係や違法性の有無の認定で、県会調査特別委員会(百条委員会、17人)は26日午後、採決を行った。2003年10月、働き掛けの記録文書の情報公開請求を受け、当時の県下水道課長らが記録文書を破棄、公開しなかったことについては、知事が「破棄しようとしていることを知りながら阻止の指示も出さず、情報公開を指示することもなく容認した」と賛成多数で認定した。

 文書破棄を指示した岡部英則・県経営戦略局元参事は証人尋問で、知事から文書の隠匿を指示されたと証言したが、百条委は知事が指示したかどうかは判断しなかった。

 また、岡部元参事の指示で田附保行・元県下水道課長が記録文書を破棄した行為は、「(刑法の罪の)公用文書等毀棄(きき)に該当すると考えられる」と認めた。

 一方、後援会元幹部が県と県下水道公社に、公社事業の発注を県内業者優先とするよう働き掛けた問題では、元幹部が役員を務める下水道関連会社が、公社の発注方法が実際に変更されたことで公社業務を下請け受注した―などとし、「後援会幹部の地位を利用して(自身の)関係企業の利益を導いた」と認定した。いずれも正副委員長2人を除く15人による採決の結果、賛成多数で決めた。

 柳田清二氏(県民クラブ・公明)は、田附元課長が昨年9月1日の証人尋問で、県下水道公社事業の発注先を県内企業優先にするため、公社が協力すると公社役員が述べたと証言したが、役員は証言で否定した―とし、元課長の証言を偽証と認定するよう提案。賛成多数で認めた。

 百条委は次回の2月8日以降、知事後援会が県職員らの懇親会費を負担した問題などの認定も進める。


 百条委員会の事実認定に対し田中康夫長野県知事は、以下の談話を出した。

 いずれにしても、本来、すべきことをそっちのけで、結論先にありきの百条委員会に膨大な時間を浪費してきた事実を長野県民は注視している! 反田中諸会派はどう責任をとるのだろうか?


「百条委は政治闘争の一環」=事実認定開始で
−田中長野県知事


 長野県の田中康夫知事は27日の記者会見で、県議会調査特別委員会(百条委員会)が知事をめぐる問題に関し、2月議会に報告するため事実認定を始めたことに関連し、「百条委は政治闘争の一環として設けたものだと思っている」と述べた。

 田中知事は「議会は小説より奇なりだ」とした上で、「(私自身を)気にくう、気にくわないは結構だ。しかし、(議会に)出すもの全部をけってやろうということで、不幸になるのは誰だろうか」と語り、予算案の削除などに関する議会側の対応を批判
した。

2006/01/27 時事通信

信濃毎日2006.1.28
知事、百条委に反論 文書破棄「容認」認定で