|
|
第1節 ユニバーサル社会の到来 カリフォルニア大学のマーチン・トロウ教授は大学を論じた2部作『高学歴社会の大学―エリートからマスへ』・『高度情報社会の大学―マスからユニバーサルへ』において、大学の「3段の変化」について説いています。 大学の進学率は時代的・社会的背景に対応しているのであり、トロウ教授によると、それは「エリート型(Elite)」・「マス型(Mass)」・「ユニバーサル型(Universal)」の三つに大別できます。エリート型は大学進学率が一五%未満、マス型は15%以上50%未満、ユニバーサル型は50%以上に相当します。 20世紀はマス型の社会、すなわち大衆社会だったと言えるでしょう。フォーディズムに代表される大量生産大量消費大量廃棄が主流でした。 現在の日本の高等教育進学率は、統計にもよりますが、50%前後です。マス型からユニバーサル型への以降の臨界状態にあります。 この現状を踏まえるならば、マス・メディアによるマス・デモクラシーとここのところ言われてきましたが、ユニバーサル・デザインの重要さが認識されてきたように、「ユニバーサル・メディア」による「ユニバーサル・デモクラシー」へと発想を転換していくべきなのです。
21世紀はユニバーサル社会の時代です。その到来はそこまで迫っているのです。 |