がれき処理受入自治体名公開の判決 −不透明な環境省の体質− 鷹取敦 掲載月日:2014年12月12日
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がれき広域処理の受入検討状況を環境省が情報を一部非開示としたことに対して、公開を求める裁判で、大阪地裁は公開を命じる判決を出したと、今朝(2014年12月12日)の朝刊各紙が報じた。下記はそのうち朝日新聞の記事である。
環境省は、がれき処理に関わる検討会(災害廃棄物安全評価検討会)の議事録も不自然な形で非開示としていた。これについて筆者らはほぼ全ての会議について逐一開示請求を行い、非開示決定に対して異議申し立てした結果、最終的に「情報公開・個人情報保護審査会」が、環境省を厳しく批判し、開示の答申を行った。 この議事録非開示問題についての経緯は、下記に詳しく報告したとおりである。この過程で環境省は当時の細野環境大臣に虚偽の答弁をさせている。 ◆環境省への議事録開示請求の経過報告 http://eritokyo.jp/independent/eforum-col104.htm 今回、記事となった受入検討自治体に関しては、実際に受け入れなくても、検討しただけで復興交付金を交付していたことが、当時、大きな問題となり、ニュースでも取り上げられた。 ◆環境省が主犯・偽装がれき処理検討 http://eritokyo.jp/independent/takatori-fnp0025.htm このように環境省が、不透明、不公正なことを行ってきたことが、国、がれき処理に対する不信と不安を大きくし、がれき処理を進める上で大きな阻害となり、また放射性物質に関する不安を増大させているのである。 環境省は広告代理店への数十億円の委託業務を通じて、広域処理をしないと何十年もがれきがなくならないかのような印象操作を行ってきた。しかし実際には広域処理をほとんど行わずとも、予定していた期限までに福島県外のがれきの処理は完了しているので、広域処理の必要性についても問題があった。環境省が行ったような場当たり的な広域処理は全く不必要・不適切であったのである。(福島県内のがれきは最初から広域処理に対象外であり、現在も進められており、2014年12月11日に相馬市で仮設炉の稼働停止する、など一部で終了しつつある段階である。) 今回の判決で改めて明らかになったように、いまだにこの問題について、環境省が情報の非開示を裁判で主張していたとは驚きである。 ICRPの勧告(Pub.111)では、原発事故後の対応にあたり、透明性、正確な記録と開示、住民参加が重要だと指摘しているが、事故後3年半経っても、このような基本的なことすら、環境省は実践できてない。 |