エントランスへはここをクリック       青山貞一冒頭解説

リンカーンの定義によれば、
中国は民主主義国家である
シンガポール元外務大臣談

青山貞一冒頭解説  
 

みなさま

 青山貞一・池田こみちです。

 今日の 独立系メディア E-wave Tokyo記事は、元シンガポール元外務大臣のジョージ・ヨー氏へのインタビュー内容です。

 昨今の欧米からの激しい攻撃に対し、中国はどう対応すべきか、外交はどうあるべきか、中国5000年の歴史と文化を踏まえた総じて中国流のガバナンスとリスクヘッジについて環球時報の記者がインタビューしている。

 シンガポールは現在でも人口の3/4が中国人でああり、華僑の割合はマレーシアより多い。もともと東インド会社に英国植民地支配されていたが、第二次世界大戦の一番初期、真珠湾攻撃後、大日本帝国がマラヤ、シンガポールを攻略、一時期日本が植民地化している。

 元シンガポールの外相、ジョージ・ヨー氏はシンガポール生まれ、英国、米国の大学を卒業卒後、シンガポールの国会議員、情報、保健、外交、産業などの分野の大臣を歴任している。経歴からは、欧米仕込みの議論となるかと察したが、あにはからんや、孔子、孟子の例えも出てくるすばらしいガバナンス論が提案された、

 ヨー氏は、中央集権的な統治の道徳的基盤に関する中国の哲学は、孔子や老子にまで遡る。どのように統治するかは、常に中国の哲学的思想の中心にあり、中国は民主主義の理念を実現するための独自の方法を見つけるだろうと暗示している。

 最良の民主主義は、その歴史と文化に応じて、人民のために、人民の、人民によるものである。西洋の民主主義においても、さまざまなバリエーションがある。アメリカの連邦制は直接民主主義ではないとし、米国式の民主主義システムが、東アジアや東南アジアの国々で機能することは不可能であると言い切っている。

 第三世界には、西洋ではなく、未来への道を模索している国もたくさんある。西洋諸国は彼らに、未来への道はひとつしかない、西洋のやり方が唯一の道だ、と言っているが、今、彼らは中国が別の方法を持っていることを知っている。

 その意味で、中国の成功は、「西洋のやり方しかない」という従来の常識を覆すことになるだろう。それは、西洋のやり方が悪いということであろうか?西洋のリベラルなシステムには良いところがたくさんある。

 民主主義の本質、つまり民主主義とは何かというギリシャ語の起源にまでさかのぼるが、それは民衆が主人であるということである。リンカーンは「人民の人民による人民のための政府」という言葉を残している。この定義によれば、中国は民主主義国家である。

 ヨー氏は、現在の中国外交は欧米のダブルスタンダードの激しい攻撃のなかで戦狼外交全盛であることは止無負えないが、一段落後、もっと謙虚に、もっと上品となることを提案している。

 今回のインタビューは非常に長いが、中国5000年の歴史と文化を基盤とした実に奥行きが深い、示唆的なものとなっていると思う。
 
 ヨー氏によれば、外交に限らずすべてにおいて、人間にとって最も重要な資質は「謙虚さ」であり。謙虚さがあれば、常に学ぶことができ、不必要な失敗を避けることがいきると述べている。ちなみに易経の六十四卦の卦の中で、唯一、陰の側面がないのが「乾」(谦=謙虚さ)であると最後に締めくくっていおり、米国の傲慢不遜の嵐が吹きすさぶ中非常に考えさせされるはなしであった。


◆リンカーンの定義によれば、中国は民主主義国家である:
 シンガポール元外務大臣  環球時報
http://eritokyo.jp/independent/Chinies-Democracy-ao90.htm

★China is a democracy by Lincoln's definition:
 former Singaporean FM Global Times
https://www.globaltimes.cn/page/202106/1226255.shtml