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真夏の上州で環境調査
(8)「川原湯温泉」で水質調査

青山貞一
東京都市大学環境情報学部
28  July 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


■川原湯温泉

 長野原町と東吾妻町の境界に近いところにある鹿飛橋で、吾妻渓谷の「景観美」を味わった後、水質測定のため長野原町にありダムができると水没する予定の川原湯温泉の河川に向かう。


川原湯温泉近くの川にて
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

 川原湯温泉に近い河川で5月GWに測定した場所に下りるのは困難なことが分かり、近くの別の場所を探す。
 下はやっとのことで探し当てた別の場所で水質測定をしているところである。


が「川原湯温泉」の測定地点

 pHはここでも前回(8.3)に比べ若干高く8.5となっていた。電気伝導率は0.071ms(71μS/cm)で前回の0.073(73μS/cm)より若干低くなっていた。これは昨日夜から今朝までの豪雨による水量増加の影響だろうか。



川原湯温泉近くの川で水質の測定
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼


■前回:川原湯温泉付近(2010年5月5日)測定時


が「川原湯温泉」の測定地点

 下の写真は前回(5月)に川原湯温泉近くの河川で水質測定している筆者。

 測定値は、pHは8.3、電気伝導率は0.073(73μS/cm)であった。


撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 2010.5.5


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 2010.5.5


■豊田乳業(川原湯温泉)

 川原湯温泉ではいつものように、豊田乳業の工場で牛乳をいただく。

 豊田乳業の庭で荒井さんが撮った植物(白い花)は、銀梅草 (ぎんばいそう)といって自生しているものは極めて少なくなっているそうだ。近くの林で見つけて移植したとのことであった。


撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

 今回は豊田豊田乳業取締役で昨年お話を伺った奥様のご主人、豊田武夫さんがいらしたので、八ッ場ダム問題について30分以上議論をする。ご主人は吾妻川、白砂川の水質にも関心を持っていた。その昔は、ご自身も水質測定したことがあるという。


 ご主人はざっくばらんに胸のうちをお話してくださった!


豊田武夫さんと
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼


豊田武夫さんと
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

 下は豊田乳業の工場の写真だがこの写真の手前に、新たなJR吾妻線の新たな川原湯温泉駅ができることになっている。すでに伐採や土地造成の工事に入っているが、ご主人に聞くと、過去何度となく再来年と聞かされているという。まさに蕎麦屋の出前でないか。今回も再来年と言われたとおっしゃっていた。


豊田乳業の工場  撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

 ご主人によれば、JR吾妻線は古く構造的にも危ないので、ここまで来たら長野原町内は新たに建造されている軌道を使用した方が良く、新らたな川原湯温泉駅の設置にも賛同しているとのことであった。

 前にも書いたように、豊田乳業の前に新らたに川原湯温泉駅ができたとしても、今後、鎌倉時代に開設された鄙びた従来の川原湯温泉から運動場のような造成地(下の写真参照)に移築される温泉(街)に、果たしてどれだけお客が行くかは分からない。


川原湯温泉の移転先。この写真は2009年9月に撮影したもの。
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S8 2009.9.18

 鄙びた渓谷の縁にある古い川原湯温泉だからこそ、顧客があるのであって、運動場のようなまっ平らな造成地まで源泉のパイプを敷いて温泉街をつくったら従来の客でさえ、ほとんど行かなくなるのではないかと思える。


 なお、新駅は国土交通省がJR東日本に補助金を提供しつくることとなっているようだ。


新駅(JR吾妻線、川原湯温泉駅)の開発現場
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18

つづく