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パソコン処理速度低下への

具体的対応策
(その2)

青山貞一
20 Feb 2012
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


 2010年5月15日に「パソコン処理速度低下への具体的対応策」を書いた。

 ここでは、その後、筆者が行っている対策について補足する。

(1)OS入れ替え

 処理速度低下に対し最も効果的な対応は、OSの入れ替えである。その意味で、購入時に付属してくるOSやドライバー、リカバリーファイルをしっかりと保管しておく必要がある。

 ただし、OSの入れ替えをすると、当然のことながらハードディスク上のあらゆるアプリケーションソフト、データがなくなるので、あらかじめ外付けのハードディスクに保存してから行わねばならない。

(2)2つめのハードディスク設置

 OSの入れ替えは大変という場合のひとつの方策として、既存のハードディスクをOSやアプリケーションファイル用とし、2つ目のデータ用のハードディスクを設けるのも一法である。

 ただし、古いパソコン用のハードディスクのコネクタは、現在主流のSATAと異なるIDEなどなので、果たしてそれに対応するHDDが入手できるかどうかがポイントとなる。IDE−SATA変換コネクタを使えば最新のHDDを使うことも可能である。

 最新のHDDは転送速度が大別して3Gbpsと6Gbpsがある。6Gbpsを使うためにはそれに対応したマザーボードが必要となるので要注意である。これは現在売られているパソコンの場合でも同じである。

(3)SSDの導入

 今、秋葉原のBTOパソコンショップで話題は、SSDである。SSDとは、Solid State Drive(フラッシュメモリドライブ)の略で、ハードディスクの代わりにフラッシュメモリーを使うことを意味する。

 以下にその例を示すが、まだまだ高額だが、このSSDにOSやアプリケーションをインストールすると、たええばWindows 7の立ち上げが10秒かからなくなる。

Intel SSD 320シリーズ  80GB (MLC) [ +\14,500 ]
Intel SSD 320シリーズ 120GB (MLC) [ +\19,000 ]
Intel SSD 320シリーズ 160GB (MLC) [ +\28,000 ]
Intel SSD 320シリーズ 300GB (MLC) [ +\46,000 ]
Intel SSD 510シリーズ 120GB SATA6Gb/s (MLC) [ +\22,500]
Intel SSD 510シリーズ 250GB SATA6Gb/s (MLC) [ +\51,000]

 もちろん、この場合にもOSの入れ替えが必要となるが、どんなパソコンの場合でも、まさに青天の霹靂の速度が実感できる。秋葉原のBTOショップで体感できる。

(4)レジストリークリーナーの活用

 前回でもレスストリークリーナーを紹介したが、その後、無料のより強力、多様なレジストリークリーナーを発見した。

 これを使うと、他の条件が同じでもパソコンの多くの場面で処理速度が向上する可能性がある。

 なぜか、日本ではマニアが制作し無料使用させているものがないことはないが、あまり存在していない。しかし、海外、とくに米国では膨大な数の有料、無料を問わずレジストリークリーナーが出回っている。

 筆者が現在使っているのは、以下のVectorのサイトにあるパソコン高速化・スピードアップの無料ソフトである。

http://softnavi.vector.co.jp/keyword/speed/

 さまざまなパソコン高速化・スピードアップソフトが無料で出回っているが、それぞれ一長一短あり、どれがベストとは言えないが、あくまで自己責任で試してみて欲しい。

 筆者の場合、WiseRegistryCleanerFree を使用している。インストール時に無料版と有料版の識別が紛らわしく、また類似のいくつものソフトのインストールメニューが出てくるものの、実際の使用は超簡単、クリックするだけである。


WiseRegistryCleanerFreeの初期画面

 課題としては、おまけで付いてきた別のソフトを使ったところ、レジストリーが「洗濯された結果」、今までの関連づけがはずれたり、ソフト、たとえば場合によってホームページビルダーのサイト設定がはずれると言った障害が起きることがある。しかし、これは洗濯した結果のことなので、再度、関連づけやサイト設定をすれば良い。

 なお、このクリーナーは、Windows 2000、XP、Vista、7いずれにも使えるので、10年前のパソコンで試すのもよい。とくに永年使ってきたパソコンで実行すると、見違えるように早くなる可能性がある。

 いずれにしても、あくまで自己責任で使用すること!

(5)Intel 第二世代CPU

 インテルはCore i3, i5, i7のCPUを従来の第一世代から費用対効果にすぐれた第二世代としている。

 もちろん、現在でも第一世代を買えるが、第二世代のCPUは廉価で早くなった。CPUに負担の大きな計算や画像処理にも、Turbo機能がついている。

 また最後にKがつくプロセッサーの場合、CPUクロックの周波数制限を自己責任ではずすことが可能であり、たとえば3.4GHzのCPUが5GHzなどになる。これをOC(オーバークロック)という。



インテルの第二世代CPU  Sandy Bridge
Intel Core i5 2500Kの外観 

 たとえば、Core i5 2500K、 Core i7 2600K、Core i7 2700KなどのCPUがそれである。

 ただし、OCをするためには、それ専用のマザーボードが必要となるので、通常のマザーボードで行えるわけではない。たとえば、通常のM/Bが5000円程度で購入できるのに対し、OC可能なM/Bは1万5千円程度する。

 ただ、何もOCまでしなくても、第二世代のCPUは第一世代に比べもともと早く、高負荷にも耐えられ、いざとなると自動でTURBO機能が働く、さらに高度なグラフィックス機能を標準で装備しているなど、多くの利点がある。

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 以下は2010年5月15日に書いた論考である。

 パソコンも同じものを永年使っていると、極端にパーフォーマンス速度(以下、単に速度)が遅くなってくる。

 以下はパソコンの処理速度が遅くなる理由と私の場合の対策例である。



(1)CPUそのものの速度が相対的に遅くなる

 以下の論考で述べたように、現在のパソコンに含まれるインテル社やAMD社の中央演算装置(以下、単にCPU)の処理速度は、初期段階パソコンの速度に比べ、実に1万6千倍も速くなっている。過去20年間で約800倍、ここ3年だけを見ても約3倍も速くなっている。

 ◆青山貞一・鷹取敦:最新CPUの倍精度浮動小数点演算性能を検証する

 したがって、他の条件を抜きにしても、5年前、10年前のパソコンは当時として最速のものであっても、現在の最速のパソコンに比べると1/10、1/100の速度しかないことになる。

対策:

 対策とはいっても速度の低下がCPUのハードウエアそのものに依拠している場合は、パソコン本体を買い換えるか、技術力がある人はより高速なCPUや場合によってはマザーボード※を通販かアキバなどで購入し、入れ替えるしかない。だが、この場合には電源の容量、ブロアーの風量なども関係してくるので、当然のこととして簡単ではない。

 ちなみにマザーボードはモデルチェンジしたCPUには対応していないので、後から出たCPUには事実上交換できない。

 一方、新しいパソコンは、超高速、しかもインテルでは、Core 2 Duo、Core i7 860 またAMDでもAthlonII X2 245など、ひとつのCPUに2つ以上のCPUを組み入れ、複数の作業を同時並行で処理するパソコンが主流となっている。下はインテル社、AMD社の最新CPU。

  
インテルの最新Core5、Core7 CPU


AMDの最新AthlonU CPU

 しかも、そのCPUを搭載し、OS Windows 7、主記憶2GB、ハードディスク500GBなどを装備した最新のlデスクトップパソコンが5万円以下(ただしディスプレーは別売)で購入できる。


パソコン工房の5万円以下の最新パソコン
Windows(R) 7 Home Premium 32bit正規版
AthlonII X2 245 MCP61P 500GB 2GB DVD MULTI

 青山は現在、以下のスリム型デスクトップのWindows7を使っているが、動作速度、メモリー規模、操作性、静音性など、いずれも申し分ない。



パソコン工房の5万円以下の最新パソコン
Pentium E6500 G41 500GB 2GB DVD MULTI


パソコン工房の5万円台のカスタマイズ可能な最新パソコン
Windows Vista(R) Home Basic正規版(DSP)
15.4inch(1440X900)光沢液晶 Celeron T3100 GL40 320GB 2GB DVD MULTI

 Windows 7 やWindows Vistaマシンでは、32ビットと64ビットのマシンを選択できる。64ビットのマシンは物理的な限界である主記憶を8GBまで拡張できるが、32ビットのマシンでないと動かないソフト、あるいは64ビットのマシンでないと動かないソフトもあるので、購入に際しその選択には注意が必要である。


(2)主記憶の容量不足によって速度が遅くなる

 パソコンではさまざまな作業で、CPUが頻繁に主記憶にアクセスする。この主記憶の容量が小さく、足りなくなるとハードディスク(HDD)を主記憶代わりに使うことになる。これを仮想記憶という。HDDへのアクセスが多くなると、処理速度は大幅に遅くなる。

 現在、パソコンの主記憶は1GBが標準、平均となっているが、5年前、10年前には500MB、場合によっては256MBしか容量がなかった。このことが処理速度の低下の一因となる。

対策:

 主記憶を増設し1GBとする。私の場合も、10年以上前に購入した古いデスクトップのパソコンやノートの主記憶をいずれも1GBに増設することで大幅に速度が向上している。

 主記憶は現在、バルクなら1GBで3000円前後で購入が可能だが、当然のこととして、パソコンの種類、たとえばデスクトップかノートかによってメモリーの種類、ソケット、形状などが異なるので、購入する場合はしっかり見定める必要がある。

 今では正規のリテール・メモリーでも2GBが6000円前後で購入可能なので、同一CPUのパソコンでも物理的上限まで主記憶を増やしておくとよい。Windowsの32ビットパソコンの主記憶容量の物理的上限は4GBである。



 
1GBの主記憶 バルクなら通販で3000円前後で購入可能


(3)インストールするソフトの増加が速度の低下を招く

 パソコンを使っていると、アプリケーションソフトやドライバーなどのインストールが増える。これらソフトのインストール数が増えると、結果的にCPUからソフトへのアクセスが遅くなる。

 またアプリケーションソフトそのものの容量がどんどん大きくなっているため、主記憶上に置かれるプログラムだけでなく、HDD上に置かれるソフトへのCPUからのアクセスが増え、結果的に速度が低下する。

対策:
 
 どうみても不要なアプリケーション、ドライバーはアンインストールする。またこの種の原因で速度が低下する場合には、大変ではあるが、OSを再インストールすることが有効である。

 また各種データ(ワード文書、PDF,エクセル表、パワーポイント、デジカメ画像ファイル、動画ファイルなど)が増えてきたら、Windowsに付属しているデフラグやクリーンアップソフトを使い、整除するとよい。

 なお、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)に起因する対応策として、少々専門的になるが、パソコンのレジストリーのデフラグ、エラー処理、修復を行うと、速度の向上だけでなく、システムの安定性など、OSの入れ替えに近い効果が期待出来る。レジストリーのスキャン診断、修復の専用ソフトもあるが、以下の無料ソフトでも十分効果が期待出来る。

 無料版 Glary Utilities
  http://www.forest.impress.co.jp/lib/sys/file/delundel/glaryutils.html

 有料版 ResistryBooster
 http://www.pcfixsoftware.com/jp-scan/scan.php
 
 下は無料のGlary Utilitiesの初期メニューである。それぞれのクリーンアップ、修復を行うことで、相当程度の速度改善が行える。Glary Utilitiesは無料で使用出来るが、非常に操作性に優れ、一通り実施することでパソコンは大幅にリフレッシュされる!



レジストリ (Registry)

 Windowsの基本情報やソフトウェアの拡張情報などが保存される場所。主にWindows 95およびWindows NT以降で用いられる内部データベースであり、オペレーティングシステムやアプリケーションの設定、拡張子の関連付け情報などがハードディスク内の記憶領域に記録される。

 Windows 3.1までは、オペレーティングシステムの各種設定情報をINIファイル等の設定ファイルに保持させる方法で行われてきた。しかしこの方法では大量の設定項目を処理するには非効率的であり無駄が多いため、レジストリに置き換えられた。しかしすべてのソフトウェアがレジストリを使用しているわけではなく、独自の設定ファイルを用いているものもある。

 現在のようにレジストリが広く用いられるようになったのはWindows 95からであるが、レジストリ自体はそれ以前、Windows 3.1のころから存在した。ただし関連付けやOLE情報など小規模な利用にとどまっていた。

 レジストリ情報の設定・更新・削除は、通常はOSやアプリケーションソフトウェアによって自動的に行われるが、レジストリエディタ (regedit.exe) の使用により、手動での編集も可能である。

 手動によるレジストリの編集は、ソフトウェアに設定を変更するインターフェースが実装されてない場合、ソフトウェアのアンインストール後にアンインストーラが除去しなかった設定情報を除去する場合、コンピュータウイルスなどのマルウェアによるレジストリの改変の除去・修復をする場合、オペレーティングシステムの処理性能を向上させるために設定を変更する場合に行われる。システム設定情報を直接修正するため、レジストリエディタによる編集はオペレーティングシステムの動作に異常をきたす、システムが起動しなくなるなど高いリスクを伴う。

 何らかの原因によりレジストリに不正な設定が書き込まれたり、レジストリデータベースが破壊された際、システムが自動的にバックアップしたデータベースから復旧できる場合がある。 Windows XPの場合、レジストリデータベースの本体は、\windows\system32\config\ の配下にある。システムは、\windows\repair\ 配下に Windowsのインストール完了時点の設定データベースをバックアップしているため、回復コンソールなどを使用して、ファイルをコピーすることでレジストリの設定値を戻すことができる。 

 出典:Wikipedia



(4)OSの肥大化による速度の相対的低下

 パソコンで圧倒的なシェアをもつマイクロソフト社のOS、ウィンドウズは発売以来、次々にバージョンアップを繰り返してきた。初期段階のものを別としても、Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows 7とめまぐるしくOSがバージョンアップしている。

 
マイクロソフトの最新OS Windows 7

 普通にパソコンを使うだけなら、Windows 2000で十分である。せいぜいXPで良いはずだ。私は今でも2000を使っているが、立ち上がりは若干時間がかかるが、かなり古いCPUでも、主記憶が1GBあれば総体として比較的に軽く速い。

 最近のOS、とくにVistaは、OSそのものの容量が巨大で、主記憶が最低でも2GBないと満足に使えない。あれほど大騒ぎしユーザーを混乱、当惑させたVistaマシンが秋葉原にもほとんどなくなったのは不思議である。

 マイクロソフト社の強烈な宣伝にもかかわらず、Vistaは多くのユーザーに敬遠されていることから、急きょ容量を軽くし、操作性をXP並みとしたVistaの軽量版、Windows 7を出さざるを得なかったくらいだ。
  
対策:

 マイクロソフト社や代理店、販売店の過剰な宣伝に乗ることなく、OSを選ぶこと。通常の仕事なら2000でも十分であり、2000は安定性も高い。現実的には主記憶が1GBで使うXPが、操作性、軽さ、速度、費用対効果でベストかもしれない。

 Windows 7はそれなりのOSだが、従来XPで稼働していたアプリケーションが7の32ビット版で稼働しないこともある(たとえばアドビの動画編集ソフトのプレミア)。


(5)OSの違いによる起動・シャットダウン時間の相違

 パソコンを起動するとき、またシャットダウンする時の時間も気になる。以下はOSによる起動時間、シャットダウン時間の相対比較グラフである。最新のOSであるWindows 7は、いずれも他のOSより早いことが分かる。


出典:http://www.pc-koubou.jp/pc/model/sl520ip_main.php

 下のグラフは複数のウィンドウを開いたときのシステム・メモリーの消費量である。以下をみると、ヴィスタでは開いたウィンドウの数に比例してメモリーを消費しているのに対し、7はウィンドウ数にかかわりなく一定であることが分かる。


出典:http://www.pc-koubou.jp/pc/model/sl520ip_main.php

対策:

 したがって、今後、新規にPCを購入する場合には、速度及びメモリー消費の観点からはWindows 7が良いことが分かる。それにしても鳴り物入りでVistaを出した直後に「7」を出したのは、Vistaがよほどユーザーからの評判が分かるかったからであろう!

 またたとえばWindows XPの場合、マイクロソフト社から各種アップデートパックが提供されている。このパックは、OSの脆弱性の補完、OSそのものの機能のバグ修復など、XPに関連する問題点を改善するためのアップデート(更新)が含まれている。

 結果として速度の改善にもなるので、XP使用者は必ずアップデートをすること。機種、XPのバージョンなどを自動診断し最適なアップデートやパッチを自動的にしてくれる。


(6)外付けHDDと起動時速度の低下

 パソコンのたくさんの外付けHDDを付けていると、起動時にそれぞれのHDDをチェックしにゆくので、それだけ起動に時間がかかる。ひとつ、ふたつならまだしも、たくさんつけているとかなりの時間になる。

対策:

 ふだん使わない外付けHDDはUSBケーブルをはずしておくようにするとよい。


(7)アプリケーションの肥大化による速度の低下

 アプリケーションソフトも同じ種類のソフトがバージョンアップを重ねるごとに、同一パソコンで処理速度が大幅に低下することが多々ある。

 たとえば、IBMのホームページ作成ソフト、ホームページビルダーは、私の経験では、ヴァージョン7が最も軽く軽快に使えるが、その後、バージョンを重ねるごとに顕著に遅くなっている。

 マイクロソフト社のoffceでもこのことは言える。速度低下だけでなく、余計な機能が増えたり、バージョンが変わるたびにコマンドメニューなどの位置が大幅に変わったりで、慣れるのに相当苦労する。慣れてくると次のバージョンが出る。



 多くのユーザーはソフト会社の営業戦略に踊らされて、出費を迫られている実態がある。
 
 これは機能を増やすためにソフトが肥大化することに理由がある。もちろん、主記憶が多く、CPU速度が高ければ、ある程度速度低下が防げるものの、ソフトに敏速な対応が必要となる場合は古いバージョンで使い慣れた軽いソフトがよい。

対策:

 OS同様、アプリケーションソフトを出している会社は、会社の生き残りのために(ユーザーのためではなく)、不要なバージョンアップを行い、目先を変えている。しかし、これらの多くはユーザーにとって大変迷惑なものであり、費用もばかにならないものだ。

 そこで、ソフトに何を期待するか、そのための機能は何か、敏速性がどの程度必要かなどを見極め、古いOS、ソフトでもそれで十分上記が果たせるなら、あえて安易に最新バージョンに移行しないことである。

 また最も多用されるオフィスと互換性が高いソフトパッケージが、複数の会社から無料ないし廉価から提供されている。通常使うならこれで十分である。またこれらのソフトはバージョンアップをしているが、もともと軽量で容量もマイクロソフトのソフトに比べ小さい。

 OpenOffice.org(オープンオフィス・ドット・オルグ)

 キングソフト Office

 サン Star Suite

 上記の無料、リーズナブルなソフトの販売を受け、マイクロソフト社もWeb版のオフィスを無料提供するなど、新たな動きも出ている。


(8)HDDのファイル書き込み増加による速度の低下

 パソコンに内蔵されているHDDあるいは外付けHDDが、買って数年経ち何度も何度も、各種ファイルを書き換えている場合、HDDアクセスの速度が低下する。

対策:

 Windowsに附属しているシステムツール(アクセサリ→システムツール→デスクフラグあるいはディスククリーンアップ)のうち、デスクフラグを使ってハードディスクを整序する。さらに同じシステムツールのなかにあるクリーンアップシステムを使い、不要あるいは滅多に使わないアプリケーションソフトを圧縮したり、テンポラリーファイルを削除することで速度が向上する。


(9)本末転倒なウィルス対策ソフトによる速度の大幅低下

 信じられないことだが、たとえばノートンのウィルス対策ソフトをインストールしたために、著しくパソコンの処理速度が低下している。

 私の場合、大学の研究室でデルのPC8台を主記憶1GB、OSをXPで使っている。PCはいずれも3−8年前に導入したもので古いが、それなりに十分使えていた。

 ところが、ノートンのウィルス対策ソフトが、あるバージョンからインストールするとPC全体の処理速度が大幅に遅くなり、極端な話、学部学生の演習で使っているプレミアが実質的に使用不能となってしまった。

 当初、古いPCで多くのソフトをインストールしているからかと察していたが、今年になって10台分に使えるノートンのソフトを一台に導入したところ、大幅に速度が向上したので、徹底的に調べたら、最新版以前のソフトを使うことで速度が著しく低下していることが分かった。

 もちろん、たくさんある機能を順次はずして行けば、速度は向上するが、これでは何のために毎年高額を支払いウィルス対策ソフトを入れているか分からなくなる。

 これはノートンだけでなく、同じ有料のソフトのたとえば、ソースネクスト社のウィルスセキュリティーソフトZEROでも程度の差こそあれ同じである。

 ノートンの最新版はかなり改善されたものの、それでも最新パソコン以外のパソコンでは処理速度化かなり低下している。

対策:
 
 ウィルス、ウィルスと恐怖心を煽るソフト会社の宣伝が蔓延し、多くのユーザーが有料の対策ソフトを購入し、さらにノートンなどでは毎年、バージョンアップないし使用料金を支払わされてきた。

 しかし、これがパソコンの処理速度を大幅に低下させることになっては本末転倒である。

 そこで対策としては、無料で上記の有料ソフト並みの効果が期待できるソフトを使うことがある。

 私の場合、今でもWindows 2000を使っているが、有料のノートンやウィルスセキュリティーソフトZEROは2000に対応しなくなってきた。

 以下のソフトは、無料であるだけなく、KingSoft社のものはWindows 2000にも対応してくれる。

 マイクロソフト・セキュリティ・エッセンシャルズ


 
 何といってもマイクソロソフト社が提供する無料のセキュリティー対策ソフトであるので、それなりの安心感がある。バージョンアップも頻繁にある。重要なことはこれをインストールしても速度の低下がほとんどないことである。

 キングソフト・ウィルス対策ソフト



 キングソフト社が無料(有料版には宣伝がでない)で提供しているウィルス対策ソフトである。私は上述のようにWindows 2000に対応しているので、2000を使っている古いPCにはこれをインストールしている。機能も豊富、ユーティリティーソフトも拡充している。無料版はときたま宣伝が右はじに出るが、それほど煩わしくないので、重宝している。

新製品がぞくぞくリリース!いま、無料ウイルス対策ソフトがアツい!


10)ウィルス感染による速度低下

 ウィルス対策ソフトによるパソコンの処理速度低下とは別に、ウィルスに感染したことによって、パソコンのパフォーマンス速度が低下することがある。

 ネットワーク機能が低下し、感染しているパソコンの処理速度が遅くなることがある。ただし、そのネットワーク上の他のコンピュータのネットワーク速度は通常どおりであることが多い。

 この原因の多くは、使用中のコンピュータがウイルスに感染している場合に発生することにある。

対策:

 コンピュータへのウイルスの感染が疑われる場合、または感染が確認された場合は、最新のウイルス対策ソフトウェアで対応する。


11)ブラウザの種類による相対的速度の低下

 その他として、ホームページを見る場合、使っているブラウザの種類によって著しく速度が異なる。

 マイクソロソフト社のExplorerもどんどんバージョンアップしているが、グーグル社のChromeはじめ各社が競ってブラウザを無料で提供しているので、試すとよい。ただし、Windows 2000に対応する新ブラウザはないのが残念である。

 以下は現時点でのブラウザのシェアである。

市場シェア 2010年4月

Internet Explorer - 59.95%
Mozilla Firefox - 24.59%
Google Chrome - 6.73%
Safari - 4.72%
Opera - 2.30%
Opera Mini - 0.79%
その他 - 0.90%



 私はマイクロソフト社のエクスプローラー8、グーグルのクローム、モジラのファイアーフォックスの3つを使っているが、最新版はいずれも高速である。またWindows 2000マシン用にはFirefoxを使っているが、これも高速である。