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情報操作による世論誘導
 E実際の記事に見る情報操作
青山貞一 27 May 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 ※以下は2009年5月27日午前1時から3時にグーグルニュースにあった記事を対象としている。


 5月26日、小沢前代表の公設第一秘書の大久保氏が84日ぶりに東京拘置所から釈放された。これを伝える4大新聞の記事を巻末にそのまま示す。

 4大新聞の記事は、一見、同じような記事に見えるが、朝日新聞、日経新聞は84日ぶりに釈放された大久保秘書の談話がまったく掲載されていない。


 
 それに対し、

 毎日新聞は、大久保被告は保釈後に弁護人を通じ「問題とされている政治資金に関しては、政治資金規正法の定めに従って適切に処理し、収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはない。裁判できちんと争うべきことで、自分の主張は法廷で明らかにしたい」とのコメントを出した。

 読売新聞は短いながらも、大久保被告は弁護人を通じ、「問題とされている政治資金に関しては、適切に処理し、正しく記載したものであり、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」などとする談話を出した。

とそれぞれ大久保秘書の談話を記事にしている。

 その他の新聞や通信社の記事を見ると、

 産経新聞は談話がゼロ、

 時事通信は、
大久保被告は弁護人を通じ、謝罪の言葉とともに「問題とされている政治資金は、法の定めに従って適正に処理した。やましいことをした覚えはない」と書面でコメントした。

 共同通信は、
大久保被告は26日、弁護人を通じ「私は規正法の定めに従って適切に処理し、かつその通り政治資金収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」とコメントを出し、公判で争う意向を示した。

 東京新聞は、
大久保被告は26日、弁護人を通じ「私は規正法の定めに従って適切に処理し、かつその通り政治資金収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」とコメントを出し、公判で争う意向を示した。

 岩手日報は、
大久保被告は26日、弁護人を通じ「私は規正法の定めに従って適切に処理し、かつその通り政治資金収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」とコメントを出し、公判で争う意向を示した。

 中日新聞は、
大久保被告は26日、弁護人を通じ「私は規正法の定めに従って適切に処理し、かつその通り政治資金収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」とコメントを出し、公判で争う意向を示した。

とそれぞれコメントがある。

 さらに、NHKは、
大久保秘書は「関係者の方々にたいへんご心配をおかけし、まことに申し訳ございませんでした。問題とされている政治資金に関しては、私は政治資金規正法の定めに従って適切に処理し、かつ、そのとおり政治資金収支報告書に正しく記載したものであり、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません。この点は、裁判の中できちんと争うべきことで、自分の主張は法廷で明らかにしてまいりたいと思います」とコメントしています。

 FNN大久保被告は、弁護士を通じて「やましいことをした覚えはありません。自分の主張は法廷で明らかにします」とコメントしている。

 
日本テレビ大久保被告は「やましいことをした覚えはなく、主張は法廷で明らかにしてまいりたい」とコメントを出した。

 
毎日放送、大久保被告は保釈後、弁護士を通じ「政治資金に関しては法の定めに従って適切に処理している」「やましいことをした覚えはなく、裁判できちんと争う」とのコメントを出しています。

とコメントを出している。

民主・小沢氏の大久保秘書、保釈 西松建設違法献金事件

 朝日新聞 2009年5月26日18時16分

 西松建設から民主党の小沢一郎代表代行側への違法献金事件で、政治資金規正法違反の罪に問われている公設第1秘書の大久保隆規(たかのり)被告(47)が26日、東京拘置所から保釈された。3月3日に逮捕されて以来、勾留(こうりゅう)期間は85日に及んだ。

 東京地裁は25日に保釈を認める決定をし、大久保秘書側は保釈保証金1500万円を即日納付したが、東京地検が決定を不服として準抗告した。東京地裁は26日、この準抗告を棄却したため、保釈が決まった。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者を兼ねる大久保秘書は、実際には西松建設からの献金と知りながら、03〜06年分の陸山会などの政治資金収支報告書に同社OBが代表を務めていた二つの政治団体から計3500万円の寄付を受けていたように装う虚偽の記載をしたとして3月24日に起訴された。


西松献金事件:小沢氏の秘書、保釈される

 毎日新聞 2009年5月26日 20時31分 更新:5月26日 23時20分

 西松建設の政治資金規正法違反事件で起訴された小沢一郎・前民主党代表の公設第1秘書、大久保隆規被告(47)について、東京地裁は26日、保釈許可決定に対する東京地検の準抗告を棄却する決定を出した。大久保被告は同日夕、3月3日の逮捕以来、約3カ月ぶりに保釈された。花束を手に東京拘置所を出た大久保被告は何度も笑みを浮かべながら、報道陣に一礼して車に乗り込んだ。

 大久保被告は保釈後に弁護人を通じ「問題とされている政治資金に関しては、政治資金規正法の定めに従って適切に処理し、収支報告書に正しく記載したもので、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはない。裁判できちんと争うべきことで、自分の主張は法廷で明らかにしたい」とのコメントを出した。

 弁護人が今月21日に初めて保釈請求。地裁が25日に保釈を認める決定を出し、被告側は保釈保証金1500万円を即日納付していた。【岩佐淳士】


民主・小沢氏の秘書を保釈 西松献金事件

 日本経済新聞 2009年5月26日

 西松建設の巨額献金事件で、東京地裁は26日、民主党の小沢一郎代表代行の公設第1秘書、大久保隆規被告(47)=政治資金規正法違反罪で起訴=について、保釈決定に対する検察側の準抗告を棄却した。保釈保証金1500万円。既に納付しており、同日、84日ぶりに保釈された。

 大久保秘書は午後6時すぎ、東京拘置所(東京・小菅)から姿を見せ、一礼。無言で迎えの車の後部座席に乗り込んだ。関係者によると、岩手県内の自宅に向かったという。

 東京地検特捜部は3月3日に大久保秘書を逮捕し、同月24日に起訴。5月21日に保釈請求していた。(20:22)


小沢・前民主代表の第1秘書を保釈

 読売新聞 2009年5月26日19時32分

 小沢一郎・前民主党代表の政治団体を巡る違法献金事件で、政治資金規正法違反罪で起訴された小沢前代表の公設第1秘書・大久保隆規被告(47)が26日、3月3日の逮捕以来、84日ぶりに保釈された。

 東京地裁は25日、大久保被告の保釈を認める決定を出し、大久保被告は保釈保証金1500万円を納付したが、検察側は「証拠隠滅のおそれがある」などとして準抗告。同地裁の合田悦三裁判長は26日、準抗告を棄却する決定をした。

 大久保被告は黒のスーツ姿で午後6時過ぎ、東京拘置所の通用口に姿を見せた。拘置所職員と集まっていた報道陣にそれぞれ頭を下げた後、迎えに来た乗用車に乗り込んだ。

 大久保被告は弁護人を通じ、「問題とされている政治資金に関しては、適切に処理し、正しく記載したものであり、法を犯す意図など毛頭なく、やましいことをした覚えはありません」などとする談話を出した。

 以上を表にすると、以下の通りとなる。

 メディア    大久保秘書のコメント  本件記事に見る記事評価
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●四大新聞
 朝日新聞    ゼロ             ×  独自記事
 毎日新聞    詳しくあり          ◎  独自記事
 日経新聞    ゼロ             ×  独自記事
 読売新聞    短くあり           ○  独自記事

●通信社
 時事通信    短くあり           ○  独自記事配信
 共同通信    詳しくあり          ○  独自記事配信

●その他新聞
 産経新聞    ゼロ              × 

●地方紙
 中日新聞    詳しくあり          ○  共同通信転載
 東京新聞    詳しくあり          ○  共同通信転載
 下野新聞    詳しくあり          ○  共同通信転載
 岩手日報    詳しくあり          ○  共同通信転載
 神戸新聞    ゼロ             ×
 中国新聞    ゼロ             ×

●テレビ
 NHK       詳しくあり          ◎
 FNN       短くあり            ○
 日本テレビ   短くあり            ○
 毎日放送    短くあり            ○

 「推定無罪」の原則からしても、人権の観点からしても、84日間拘置され釈放された大久保公設第一秘書の談話をまったく記事にしていない朝日新聞、日経新聞、産経、神戸新聞、中国新聞は報道の体をなしていない。

 地方紙の場合、多くは共同通信、時事通信の配信記事を転載しているが、敢えて転載せず独自記事を掲載している場合に談話ゼロが多いところに意図、故意が感じられる。

 これらはいずれも「情報操作による世論誘導」となるだろう。人権上からも信じられないことである!

 これらの新聞社は一体何のために東京拘置所まで取材に行ったのであろうか?単に顔写真を撮るためだけなのか? 


つづく