焼却炉入札談合、 次々に高額返還判決 青山貞一 2006年4月27日 |
このところ、ゴミ焼却炉の指名競争入札をめぐって各地の市民オンブズマンが自治体に監査請求し、その後、住民訴訟(第4号訴訟)で提訴した談合事件で裁判所において談合の事実が認められ、次々に高額の返還判決がでている。 ごく最近の判決としては、2006年4月25日、福岡地方裁判所は、福岡市内の大型ゴミ焼却炉の指名競争入札で談合があったとして約20億8800万円を福岡市へ返還する判決を出した。対象となる焼却炉メーカーは5社。この額は談合問題に関する住民訴訟としては過去最高額である。原告は、市民オ ンブズン福岡。 この判決は以下のPDFでみられる。 http://www.ombudsman.jp/data/060425.pdf 本福岡地裁判決では、福岡市が受け損害を最終落札額、約298億円の7%と算定、同時に「福岡市長が業者に対し損害賠償請求を行わないのは違法」と、福岡市の怠慢についても断罪している。 最近のゴミ焼却炉談合を容認した地裁の勝訴判決には、福岡市以外に京都市、上尾市があり、同様の訴訟は全国で13件起こっており、それらに与える影響は大きいはずだ。 なお、私たち環境行政改革フォーラム事務局がここ7年、実施しているゴミ焼却炉の建設単価(ゴミ処理量1トンあたりの施設建設費)の国際調査では、台湾などアジア諸国、欧米各国に比べて日本の建設費は、ダイオキシン対策など公害防止設備、ゴミ発電施設などを含めた場合でも2倍以上日本の建設費が高いことが判明している。 以下は、福岡地裁判決関連記事。 2006年4月25日20時23分 読売新聞 福岡市のごみ焼却炉談合、5社に20億円支払い命令 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060425i313.htm 06/04/25 18:05 産経新聞 5社に20億円返還命令 福岡市のごみ焼却炉入札談合 http://www.sankei.co.jp/news/060425/sha060.htm 2006年04月25日17時10分 西日本新聞 談合めぐる訴訟で最高額 「損害7%」と福岡地裁 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/ 20060425/20060425_056.shtml 2006年04月25日14時44分 西日本新聞 焼却炉談合 5社20億円返還命令 地裁判決 福岡市長の違法性認定 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/ 20060425/20060425_051.shtml 2006年04月26日(水) 06時39分 TBS 焼却施設談合、5社に21億円返還命令(動画あり) http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3275889.html さらに以下は、京都市、上尾市、福岡市の焼却炉談合を認め高額返還判決に関連する情報(全国市民オンブズマン連絡会、事務局)。 ・京都市ゴミ焼却炉談合 11億4450万円(5%)返還命令 京都地裁 2005/8/31 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/ 9EF649021A26B5B64925707700026B16.pdf ・上尾市ゴミ焼却炉談合 8億8580万円(5%)返還命令 さいたま地裁 2005/11/30 ・福岡市ゴミ焼却炉談合 20億8801万6000円(7%)返還命令 福岡地裁 2006/4/25 http://www.ombudsman.jp/data/060425.pdf ・談合事件につき原告の請求を認容した住民訴訟判決(2005/8/31現在) http://www.ombudsman.jp/taikai/dangoninyo2005.pdf |