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International Workshop on
Sustainable Asia in
Wuhan University, China (1)
成田から武漢へ
Teiichi Aoyama 青山貞一

掲載月日:2008年11月27日

 2008年11月20日〜25日まで中国に出かけた。中国は久々だ。

 目的は、中国湖北省にある武漢大学資源環境学研究院で開催される International Workshop on Sustainable Asia があり、武蔵工業大学環境情報学部(2009年4月より東京都市大学 Tokyo City Universityと名称が変わる)の一員として参加することにあった。

 ワークショップの開催目的は、ふたつの大学の専任教員と大学院生が両国のキャンパスを行き来しながら、毎年いずれかの大学で行っている環境科学、環境化学、生態学、環境政策など主に環境問題を解決しながら持続可能なアジアの将来を模索するための研究の発表と交流を行うことにある。両国の大学院の学生にとっては、最終的な研究報告以前の中間報告的な意味もある。

 今回は武蔵工大環境情報学部(横浜市)から筆者を含め専任教員が5名、大学院生(修士課程6名、博士課程2名)が参加した。留学生の国籍は日本以外は中国、ミャンマー、ドイツである。

 行き先の湖北省武漢市だが、人口は約500万人。省内には800を超す湖があるという。一方、武漢大学は学生数5万人を有する総合大学。人口が約13億人いるという中国でも、5本の指に入る規模の大きな大学である。専任教員数も数1000人いる。なにしろ巨大な大学だ。

 実際、どこからどこまでが大学のキャンパスで、どこからがいわゆる町なのかが分からない。学生の70%はキャンパス内で生活しているという。

 なお、今回の中国行きでは国際ワークショップの開催後、世界的に有名な巨大ダム、三峡ダムの現地視察がプログラムに含まれている。当然、それにも参加した。

 以下のブログは今回の中国行きの概要である。


■初日:2008年11月20日

 11月20日、日本から参加する教員と院生の全員が成田空港の第一ターミナルの中国国際航空(China Air)の空港カウンターに集合。チェックイン後、15時少し前にA300の飛行機は成田を出発。


中国国際空港公司の航空機(A300)に乗る

 北京(Beijing)国際空港で武漢空港に向かう航空機に乗り継ぐ。北京空港は、北京オリンピック開催で大幅に拡張され、従来にも増し巨大ハブ空港となった。北京空港では国際線から国内線への乗り継ぎもスムーズだ。

 一旦、手荷物検査を終えても、さまざまな食事がとれるのがうれしい。夜も8時近くになっているので皆でカフェテラスで簡易な中国料理をとる。

(便利メモ1:飲食費のダブルスタンダード)
 
国際空港はどの国の空港でも異常な高物価だ。とくに飲食費は高額だ。この2月フランクフルト空港で普通のコカコーラが600円もしていた。ローマ空港でも680円と馬鹿高かったことを思い出す。だが、北京空港も例外ではなかった。簡易な中華の夕食は45元、650円もした。これはかなりの高額。ちなみに帰国時にやはり北京空港で日本形式の簡単な「うどん」を食べたが、これが55元、約800円もした。北京市内の中国人が行く普通の店なら200円もしないだろう。また北京で23日と24日に宿泊した四つ星ホテルでは、部屋の中にあったいわゆるミニバーで缶入りコーラが実に25元、350円もしていた。ちなみに、故宮博物院の北門近くのショップで試しに買った500mlのペットボトルのセブンアップは、3.5元、約50円だ。空港内では飲食費は4〜10倍も高いことが分かる。一体いつまで空港内でのこのような異常な物価が続くのだろうか?

(便利メモ2:人民元vs日本円レート)
 
肝心な人民元と日本円の変換為替レートだが、私たちがでかけた2008年11月下旬は1人民元=14日本円が為替レートであった。ただし、実際には手数料がなどがかかる。また国際空港、地方空港、銀行、ホテルにより実際のレートは異なるが、たとえばイタリアのようにマフィアがらみの両替屋が、めちゃくちゃなコミッションをとったり、ホテルによって著しくレートが異なることは少ないようだ。ただ、どこの四つ星、五ツ星ホテルの両替コーナーでも、両替にやたら時間がかかるのには閉口した。日本の成田空港の両替のように、あらかじめ1万円単位で中国元を封筒に入れておくサービスをお願いしたいものだ。これはホテルのチェックアウトでも同様。信じられないほと時間がかかる。団体などで同時に多数がチェックアウトする場合は、相当時間を見ておかないと大変なことになりかねない。


出典:Wikipedia

 午後10時近くになって湖北省の武漢(Wuhan)空港に到着した。

 武漢空港は地方空港、日本各地にある地方空港と同規模である。預けた荷物を待つ。全員分出たので出口に行くと、昨年、横浜でご一緒した武漢大学の先生たちが大学のマイクロバスで出迎えにきてくれていた。


湖北省武漢空港 到着は午後10時過ぎ、
1時間の時差もありすでに深夜に近かった



武漢大学が空港に差し向けたマイクロバスに乗る

 武漢大学が空港に差し向けたマイクロバスに乗る。高速道路で一路ホテルへ。

(便利メモ3:高速道路料金)
○高速道路料金:
後で分かったことを含め若干中国の高速道路、燃料費などについて解説する。中国の高速道路(日本で言う国土幹線自動車道に類する高速道路)は日本同様、有料である。中国では各地域ごとに高速道路の通行料金基準が異なる。たとえば大型トラックの通行料は1キロメートル当たり0.93−1.62元。これを日本の国土幹線道料金と比べると約1/4。

○ガソリン・軽油料金:正確ではないがガソリン、軽油は日本の半分程度。聞けば燃料サーチャージを国が補填しているとのこと。これは中国の物価からすると高いようだ。

(便利メモ4:高校交通料金)
○バス、地下鉄などの公共交通料金:日本の公共料金の1/10以下だ。ちなみに北京の場合、地下鉄料金は通常1〜2元(=14〜28円)。
○タクシー料金:北京の場合、基本料金は3Kmまで10元(=140円)、以降1Km毎に2元(=28円)だ。仮に30km以上走っても1000円にもならないほど安い。北京などの大都市はもとより中都市でもタクシーは例外はあるが24時間走っており、料金はメーター制である。北京のタクシーは車種が3種ある。それぞれ料金が異なる。とはいえ、いわゆる雲助や高額の白タクもいるので要注意。とくに運転手が客にしつこく声を掛けてくる場合は、危ない!


高速道路の料金所。額を見ると相当安い

 空港からマイクロバスで高速道路を走行中、今回の中国行きの実質責任者であるS先生がホテル(Hongyi Hotel)に携帯電話で宿泊を再度コンファームする。すると、何と「予約している部屋のいくつかが強制的にキャンセルされ、近くのホテルに移るよう指示があった」と。これには一同、頭が真っ白。何だこれ!

 もともと宿泊先の四つ星ホテルは、武漢大学が出資しているホテルと聞いていた。どうなっているのか?

 S先生曰く、宿泊先ホテルで中国の警察(公安)の暴力対策の全国会議が開催され、そこに参加する警察官用の部屋に私たちの大学院生用の部屋をホテル側が勝手に替えてしまったのだという。おそらく世界広しと言え、相当前に日本から正規に予約をしている部屋をホテル側が勝手にいくつも替えるなんてことはありえない。

 翌日、S先生に聞くと。中国では国家権力に関連する団体の会議などがホテルで開催される場合、時としてこの種のトンデモ行為があるという。信じられないことだが事実だ。もっぱら、ホテル側は近くの五ツ星ホテルを私たちが泊まる四つ星と同じ料金で確保したということなので、ここはとりあえず我慢することにした(笑い)。

 午後11時過ぎに武漢大学正門前にあるホテルに到着した。


ホテルの一階ロビーの天井。ドームとなっている

 ホテルに入ってびっくり。四つ星ホテル(Hongyi Hotel)だというのに、受付ロビーがある一階全体でやたらとタバコが臭うのだ。よく見れば立ちながら吸っている人が結構いるではないか!


何しろたばこの煙がくさい。ホテルのロビー

 後で分かったのだが、完全禁煙のマークが掲示されているエレベーターの中でたばこを吸っている客がいた。このように、中国では、多くの場合、いわゆる公衆道徳はあってないような感じである。重度な気管支喘息患者の小生は先が思いやられることになった。

 何しろ出発前からの連日の強行軍で疲れている。

 そこで何はともあれ自分の部屋に行き、シャワーを浴びる。次にインターネット回線接続のチェックを行う。ADSLが入っていると書いてあるがインターネット接続はあまり調子がよくない。ただし何とか使える。

 良いこともある。武漢大学が資本出資しているというこの四つ星のHongyi ホテルは、結構豪華なバイキング形式の朝食付きがついているという。宿泊代は一泊約6500円、20日、21日と都合2泊することになる。

つづく