日本政府と ラムズフェルド元国防長官の タミフル利権疑惑!? 青山貞一 2007年3月1日 |
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ホテルに着いてテレビをみると、何と宿泊先の近くにある仙台市宮城野区のマンションから中学2年生の男子が転落死亡、と言う大きなニュースが目に入った。地元のせいか、その後も、そのニュースをどのチャンネルも何度かやっていた。 以下のスポニチの記事にあるように、何でもこの中学生は、前日の2月26日、病院でインフルエンザと診断され、治療薬タミフルを処方され、その後、午前9時半ごろと午後6時半ごろの2回にわたり、タミフルを1錠服用、一緒に処方された解熱剤2錠も併用した、ということだ。 .... 厚生労働省によると、2001年2月のタミフル販売開始以降、2006年11月末まで、タミフル服用後に転落等で死亡した人は54人、うち16歳以下が16人に上ると言う。
さらに、207年2月16日にも、愛知県蒲郡市で、中学2年生の女子生徒(14歳)がマンション駐車場で死亡しているのが見つかり、タミフルを服用した形跡があり、転落死とみられている、という。 以下はそれを報ずる北海道新聞の記事。
にもかかわらず、厚生労働省はタミフルの服用と転落とは因果関係が見あたらないと逃げ回った。 相次ぐ、子供の転落死への疑義もあり、マスコミが厚生省や政府に取材したこともあってか、2月28日になって、やっとタミフル使用「情報収集に努める」、さらに「子供を2日間1人にしない」タミフル転落死で注意喚起などととぼけたことをいっている。そして、依然として因果関係は認めていない。 .... このタミフルについては、トンデモない副作用問題とともに、もうひとつ大きな疑惑が以前からあった。 それは国が都道府県に膨大な量のタミフルの備蓄を指示していたことだ。 昨年(2006年)1月当時、私は長野県の政策アドバイザーをしていたが、タミフルの件が気になっていたので、タミフル備蓄の実態を当時の衛生部長に電話で聞いたことがある。 電話のメモ以上に詳しい内容が長野県の新インフルエンザ対策指針(V.1.1)にあったので、それをもとに概要を報告しよう。 長野県新インフルエンザ対策指針(V.1.1)によると、タミフルの備蓄は、2005年11月時点の国の行動計画で1日2カプセル5日間投与で2500万人分、2億5千万カプセルを国、都道府県、流通市場で備蓄又は確保することとなっている。 内訳は、国内備蓄目標が1050万人分、都道府県備蓄目標が1050万人分、流通市場分が400万人分とある。そして、長野県には18万2千人分の備蓄が求められている、と言う。 さらに、この長野県の新インフルエンザ対策指針では、県内の医療機関を受診する新型インフルエンザ患者数は約30万人と推定され、治療のために国と県の備蓄分を併せて300万カプセル以上を確保する必要がある、とも言っている。 長野県新型インフルエンザ対策指針(V.1.1)の関連部分 上記の備蓄の数はとてつもなく巨大なものだ。 同時に、このタミフルは国、自治体が税金を使ってまでこれほどまで備蓄しなければならない、そしてすべきものなのかについても、大いに疑問を感じる。 きわめつけは、2005年10月31日のCNNのニュースに信じられないタミフルに関連する記事であった。この記事は、タミフル問題を考える上できわめて重要な視点を与えてくれる。 CNNニュースの原題は、Rumsfeld's growing stake in Tamiflu(CNN)Defense Secretary, ex-chairman of flu treatment rights holder, sees portfolio value growing. である。 以下に同ニュースの要約を再掲載する。
以下は、昨年(2006年)1月にCNNの記事を素材として書いたブログである。 2006年1月8日執筆 何かと、いわくつきのタミフルだが、最大の疑惑は、なぜ日本だけがかくも膨大な量のタミフルを購入しているかである。 もし、CNNの記事にあるラムズフェルド元国防長官と日本政府との間に、何らかの利権があったとしたらどうなるか? (1)日本は国が膨大な数のタミフルを備蓄していること (2)国のみでなく国の知事で都道府県がやはり膨大な数を備蓄していること (3)日本政府がことあるたびに途上国援助にかこつけてタミフルを供与していること そして (4)これだけ国、自治体が備蓄し使っているタミフルの副作用について厚生労働省はさしたる情報をもっていないこと、 (5)さらに2月16日、2月27日に起きた中学生らの転落死亡について厚生労働省がはなから因果関係が明確でないといってきたこと、 CNNの記事そして上記(1)〜(5)を総合すると、以下の仮説、推論が成り立つ可能性が高いのではないか。 (6)日本政府はブッシュ政権からタミフルの備蓄を要請されたこと、 (7)その背景に鳥インフルエンザなど、新型インフルエンザの恐怖をことさら米国や日本政府が煽ったこと、 (8)それらを背景に政府主要の指示を受け厚生労働省がタミフル備蓄の先兵となって税金を使い巨額のタミフル備蓄に走ったこと、 である。 今後、私の上記の仮説を検証することになる。 いずれにしても、結果的に日本政府(厚生労働省)は米国からの要請にそって備蓄は行ったが、タミフルが有する各種副作用、とりわけ服用後の異常行動についてまともな情報を有していないという、信じられないお粗末な実態が明らかになった。 上記のように、巨大な備蓄をしている国(厚生労働省)が、50数件に及ぶタミフル服用による死亡の原因、とくに異常行動との関連性について知らぬ存ぜぬはありえない。 そんな中、2007年2月28日発売の日刊ゲンダイに以下の記事が掲載された。私の上記の問題意識とほぼ同じものである。 それにしても、タミフル備蓄が日本政府の米国追随の一環だとしたら、50名以上の尊い命がインフルエンザではなく、タミフル服用で亡くなった責任を日本政府はどうとるのか?
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