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スコットランド+北イングランド現地調査図(総延長約2200km) 図は2000年から2010年における燃料別のスコットランドの発電量である。この間の原発による発電割合は、おおよそ25%〜30%となっていることが分かる。 出典:Department of Energy and Climate Change, The National Archives, United Kingdom スコットランドの原発事情だが、過去から現在におけるスコットランドにある原発施設は、以下の通りである。 @北部DounreayのDFRとPFRの合計2基が閉鎖、 Aエジンバラ東部の北海沿岸にある2基のAGR型のTorness原発、 Bグラスゴー南にあるHunterstonの2基のGCRは閉鎖、2基のAGR が稼働中である。 さらにすでに完全に閉鎖されているが Cスコットランドとイングランドの西側境界線近くの Annan in Dumfries and Gallowayに4基の原発があった。 スコットランドで現存している原発は、エジンバラ東部のダンバー近くの北海沿岸にTornessのAGR型原発2基とグラスゴー南のHunterstonにあるAGR型原子炉2基の4基のみとなっている。 <スコットランドのトーネス原発視察> 上述のようにスコットランドで現在稼働している原発は、エジンバラ東部のダンバー近くの北海沿岸にTornessのAGR型原発2基とグラスゴー南のHunterstonにあるAGR型原子炉2基の4基のみである。 現地調査の最終日、スコットランドのエジンバラ東部で現在稼働中のトーネス原発を現地視察することができた。ただし、トーネス原発に到着したのが午後6時35分、すでに施設見学ツアーは終了していた。 ◆トーネス原発の基本情報
下の写真がトーネス原発を上空方見た全体図である。施設近くにはA1の高速道路から簡単に入れる。また原発をぐるりと囲む、いわゆる防潮堤が誰でもが入れ歩ける2段の散歩道となっていた。 これは防潮堤から原発施設の間がオフリミットとなっている日本の原発とまったく異なっており、市民は誰でも車を駐車場に置き、散歩道(図中Waklway)を散歩したり、防潮堤の外で釣りができる。 スコットランド・エジンバラ東約50km、ダンバー近くにあるトーネス原発 参考:グーグルマップ 以下は、A1モーターウエー(スコットランドの高速道路)からトーネス原発に到着するまでの動画。 動画:青山貞一 Yashika HD 2012-7-25 場所はイングランドとスコットランドをつなぐ北海側の幹線道路、A1のダンバー近くである。この地域には、トーネス原発以外、すこしの民家以外はほどんと何もないので車の車窓からすぐに分かる。 スコットランドのトーネス原発(2基の原発が稼働中) 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2012-7-25 北海側から見たトーネス原発。巨大な壁で陸側を遮蔽している 出典:The Guardian, UK 肝心な防潮堤の構造と高さだが、下図がその構造を示している。鉄筋コンクリートの防潮堤はUpper WalkwayとLower Walkwayの2つがある。右側が北海側、左側がトーネス原発側である。 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2012-7-25 2つの防潮堤及びWalkwayは下の写真にある階段で結ばれている。構造は鉄筋コンクリート構造、海水面からの最大の高さは約7mである。 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2012-7-25 スコットランドのトーネス原発の温排水の排水口構造図 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2012-7-25 以下は、トーネス原発の温排水の排水口。釣りをする市民がいた。 スコットランドのトーネス原発の温排水排水口の構造図 撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 2012-7-25 なお、敷地の境界線で測定した空間放射線量は、以下に示すように0.11〜0.12μSv/hであった。線量計はロシア製のRADEXである。 コットランドのトーネス原発敷地境界で測定した放射線量 撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 2012-7-25 <2011年6月末のスコットランドのトーネス原発事故> このスコットランドのトーネス原発では、福島原発後の2011年6月28日に、原子炉の海水冷却用フィルターに大量のクラゲがひっかかり、2基ある原子炉の運転を手動停止していた。 この事実は、AFP(フランスの通信社)などの通信社を通じて日本にも一部配信されていたので、記憶にある方もいるだろう。 トーネス原発を運営しているのはフランス電力公社(EDF)の傘下にあるEDFエナジーである。そのEDFが2011年6月30日に発表した声明によると、「大量のクラゲが詰まって冷却フィルターが使用できなくなったため、手動で原子炉2基を停止した」とある。 EDFエナジー社によればこの措置は、安全のための予防的措置であり周辺住民や環境への危険は全くないと強調している。 EDFエナジー社のトーネス原発前にて 撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2012-7-25 EDFエナジー社によれば、クラゲや海草などの漂流物によって冷却用の海水の流れが妨げられる事態は、原発の安全対策の想定範囲内で、めずらしいことではないとし、直後からクラゲの除去作業及び新たにクラゲが侵入するのを防ぐための監視を行っており、私達が現地を訪問したとき、トーネス原発は運転を再開していた。 クラゲと言えば、再稼働が大問題となっている日本の関西電力の大飯原発でも類似の事故が起きていた。 なお、過去の事故歴は以下の通り。翻訳未了 Shutdown after sea-water intake blockage by jellyfish ? June 2011 On 30 June 2011 both reactors were shut down due to blockage of sea water intakes by a large mass of jellyfish. The shutdown was required to comply with established safety regulations. Shutdown after drumscreen blockage by seaweed ? August 2006 Complete blockage by seaweed of the main cooling water intake drum-screens is an initiating event considered in the Station Safety Report (SSR). The event resulted in supplies of main cooling water being lost for a period. As a consequence, water supplies to the reactor seawater (RSW) system, which provides a safety role, were lost for a time on one reactor and restricted on the other. The station responded to the event by shutting down both reactors within 70 minutes of receiving the first indication of impaired main cooling water flow and provided adequate post trip cooling. Unplanned power excursion ? December 2005 An unplanned power increase on Reactor 2 at Torness during the night shift of 30 December 2005. Operators responded to the event by taking corrective action to restore normal core reactivity levels. Station and Company investigations identified that improvement to the training of operators covering reactivity fundamentals is appropriate. Failure of a gas circulator ? May 2002 This was thought, from forensic evidence, to be linked to the development of an unexpected fatigue related crack in part of the impeller. In August, another gas circulator on the other Torness reactor showed signs of increasing vibration and was promptly shut down by the operators. Its subsequent disassembly revealed a fully developed fatigue related crack in a similar position to the first failure, but the prompt shutdown had prevented consequential damage. Crash of an RAF Tornado near the site - November 1999 In November 1999 a RAF Panavia Tornado crashed into the North Sea less than 1 km from the power station following an engine failure. The UK Ministry of Defence commended the two crew members for demonstrating "exceptional levels of airmanship and awareness in the most adverse of conditions"; they ensured that the Tornado was clear of the power station before abandoning the aircraft.[10] つづく |