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   ウズベキスタン現地予備調査
サマルカンド1日目

シェル・ドル・メドレセ
Sherudoru-madrasasi

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda

掲載月日:2015年3月22日  独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁  Copyright by T.Aoyama & K.Ikeda


 次に、レギスタン広場に3つあるメドレセの3つ目について紹介します。

 下の写真の右側にあるシェル・ドル・メドレセです。


正面から撮影したレギスタン広場  出典:池田こみち Nikon Cool;ix S6400

 このシェル・ドル・メドレセは、17年の歳月をかけ1636年に造営されたメドレセです。シェル・ドル・メドレセは、レギスタンの広場を挟んで前にあるウルグ・ベグ・メドレセをまねて造られたとされています。

 シェル・ドル・メドレセの最大の特徴は、メドレセの正面に偶像崇拝が厳禁されているライオン(トラとも言われています)とその背中に人間の顔が描かれていることにあります。周知のように、イスラム教で禁止される動物と人間の顔が描かれているのです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はシェル・ドル・メドレセを撮影する池田こみち。この日は晴天、すばらしい写真が撮影できます。
 

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 拡大すると以下のようになります。確かにライオン(トラ)と人間の顔が描かれています。その理由は定かではありませんが、時の権力者が自分の権力を表現するために行ったという説もあります。

 しかし、偶像崇拝を厳しく禁じているイスラム教の教えに反することから、建築に当たった建築家が自殺したという伝説も残っています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は両側ともにどう見ても虎にしか見えないライオンが小鹿を追いかけている絵が描かれています。そしてそのライオンの背中には人の顔がある太陽が描かれています。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はウルグ・ベグ・メドレセから見たシェル・ドル・メドレセです。やはりはっきりと2頭のトラが向かいあっていることが分かります。

 ところで偶像(ぐうぞう、英 idol もしくは cult image)とは、木・石・土・金属(などの具体的なモノ)で作った像で、神や仏などの存在をかたどって造られた像、かつ崇拝の対象となっているようなもののことを指します。

 したがってイスラム教の教えを学習するべきメドレセ(神学校)の正面に2頭のトラが向かいあうというい偶像が存在することは、当然のこととして


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下はグーグルアースの3次元CGで見た3つのメドレセです。手前がシェル・ドル・メドレセです。




 下はグーグルアースの3次元CGで見たシェル・ドル・メドレセです。


グーグルアースの3次CGで見た3つのメドレセ

 なお、この日はこの後、アムール・ティムール廟などを視察しますが、この日最後にホテルに帰る前にタシケント通りに面する広場で以下の2頭の金色のライオン(トラかな)の像を見ました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 ライオン像の近くでは、多くのサマルカンド市民が清掃をしていました。聞けば明日、ウズベキスタン大統領がブハラからサマルカンドに来とのことです。

 しかし、ライオンの像について聞いても誰も分からないとのことでした。青山、池田は2頭のライオン(あるいはトラ)がこの場所にあるのは、間違いなくシェル・ドル・メドレセの2頭のライオン{トラ)に関係しているという確信をもちましたが、真実は??です(笑い)。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


◆サマルカンド市の紋章はユキヒョウ

 ところでサマルカンド市の紋章は下にあるように一見、トラかライオンに見えます。
 
 そこで帰国後、徹底的に調べて見ると、これはユキヒョウでした。


サマルカンド市の紋章

 下はそのユキヒョウの写真です。何ともすばらしい孤高なイメージです。


ユキヒョウ   出典:Wikipedia

 そこでさらに調べて見ると、ユキヒョウの生息地は、以下に示すように、まさに中央アジアです!!

 具体的にはフガニスタン東部、インド北部、
ウズベキスタン東部、カザフスタン東部、キルギス、タジキスタン、中華人民共和国西部、ネパール、パキスタン北部、ブータン、モンゴル、ロシア南部のアルタイ山脈、天山山脈、ヒマラヤ山脈、ヒンドゥークシュ山脈、パミール高原とあり、まさにサマルカンドはまさに南北生息域の中心と言えます!


ユキヒョウの生息域   出典:Wikipedia
 
 なお、下はユキヒョウを国章あるいは市章としている例です。いずれも中央アジア諸国です。サマルカンド市の紋章は最後にあります。ユキヒョウは非常に希少な野生生物ですが、おそらくこれらの地域にあっても昔からユキヒョウは、尊ばれてきたことがこのことからもよく分かります。







ユキヒョウ(Panthera uncia、雪豹)

 ユキヒョウは哺乳綱ネコ目(食肉目)ネコ科ヒョウ属の1種です。かつて単型属のユキヒョウ属 Uncia Gray, 1854 に分類されていましたが、実際はヒョウ属のトラ Panthera tigris に近縁です

 ユキヒョウはヒョウよりも体躯は小柄で、体長100-150センチメートル。尾長80-100センチメートル。肩高60センチメートル。体重オス45-55キログラム、メス35-40キログラム。尾は太くて長く、斜面や雪上でバランスをとるのに適しています。尾も含めた全身は長い体毛で被われ、冬季には特に伸長(例として腹部は夏季5センチメートル、冬季12センチメートル)し温度の低い高山帯に適応しています。体色は背面が淡灰色や淡黄色、腹面は白い。体側面には大型で不明瞭な黒や暗褐色の斑紋で縁取られた褐色の斑紋がまばらに入り、正中線に沿って黒い筋模様が入っています。

 耳介は小型。眼は上部に位置し、岩陰に隠れながら獲物を探すのに適しています。虹彩は灰黄色で、瞳孔は丸い。鼻孔は幅広く、これにより冷たい空気を吸い込んでも温めて湿度を与えることができます。足裏は体毛で被われ、防寒や接地面積が大きく雪面でも滑りにくくなっています。
 
 標高600-6,000メートルにあるステップやハイマツからなる針葉樹林、岩場などに生息し、大型のネコ科動物として、また、食肉目としては最も高い場所に生息します。獲物や積雪にあわせて夏季は標高の高い場所へ、冬季は標高の低い場所へ移動します。夜行性で、昼間は岩の隙間やヒゲワシの古巣などで休みます。

 食性は動物食で、主に中型の哺乳類を食べるが、小型哺乳類、鳥類なども食べまた家畜を捕える事もあります。主に夜間に狩りを行います。繁殖形態は胎生。1-5月に交尾を行います。妊娠期間は90-105日。岩の隙間や洞窟、樹洞に体毛を敷いた場所に、1回に2-5頭(主に2-3頭)の幼獣を産みます。授乳期間は2か月。生後2-3年で性成熟します。寿命は10年以上、21年に達するとする説もあります。

出典:Wikipedia


つづく