下記のように愛知県が国の災害廃棄物(いわゆるガレキ)の処理に関して国に出していた質問書に対して国が回答した。しかし愛知県は「必要なデータが得られず、不満足」として国に再質問をするという。
■ガレキ処理で国に再質問へ 愛知県(日テレNEWS24)
http://news24.jp/nnn/news8625633.html
東日本大震災の被災地からガレキを受け入れる基準について、愛知県からの質問書に国が21日、回答した。しかし、明確な基準は示されず、愛知県は再質問する構え。これは焼却前のガレキについて、放射性物質の安全基準が不明確だとして、愛知県が国に質問書を出していたもの。この日、国が回答書を出し、「放射性濃度が高いガレキは広域処理の対象にならない」として安全性を強調した。その上で、国は「一律の受け入れ基準を定めるのは困難だ」として、判断を市町村に委ねた。これに対し、愛知県の大村秀章知事は「必要なデータが得られず、不満足な回答だ」として国に再質問する構え。 |
愛知県のサイトには下記のように掲載されている。
■愛知県:東日本大震災の災害廃棄物広域処理に関する質問書に対する国からの回答及び知事コメントについて(平成23年11月21日(月曜日)発表)
http://www.pref.aichi.jp/0000046647.html
これまで本コラムで筆者らが指摘してきたように、環境省はこの問題に関する検討を非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」で行っており、まともな議事録も録音データも非開示としてきた。
■環境省の信頼性損なう正当性のない意思決定手続き〜放射性廃棄物の処理方針の決定〜
http://eritokyo.jp/independent/eforum-col101.htm
■災害廃棄物安全評価検討委員会(第1〜4回)議事録−情報開示−
http://eritokyo.jp/independent/eforum-col102.htm
■環境省の不透明な政策決定過程〜「災害廃棄物安全評価検討委員会」議事録問題〜
http://eritokyo.jp/independent/eforum-col103.htm
■環境省への議事録開示請求の経過報告
http://eritokyo.jp/independent/eforum-col104.htm
■開示されない「災害廃棄物安全評価検討委員会」の会議録音データ
http://eritokyo.jp/independent/eforum-col105.htm
ウェブに公開されているのは議事要旨と配付資料のみであるから、愛知県等の自治体が「必要なデータが得られず」と不信を示すのは当然である。
自治体に受け入れをして欲しいのであれば、専門家たる検討委員がなにをどう発言したのかも含めて検討できるよう議事録も録音データも自治体、国民に公開すべきであるし、そもそも検討会を公開すべきである。
ICRP Publication 111 には「重要な情報はすべて関係者に提供されること、及び情報に基づく決定を目的として意思決定プロセスを追跡できるように記録を適切に文書に残すことを前提としている」(ICRP勧告翻訳検討委員会による日本語版ドラフトより引用 http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,html)とある。
それにも関わらず、環境省は「これらを公にすることは、委員による率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」、「議論の録音内容が公にされることで、発言内容が過大に、広く訴えられること等により、処理方針に基づく市町村等による災害廃棄物の処理事業の適正な遂行に支障をおよぼすおそれがある」などと全く見当違いの理由を述べ、会議は非公開、議事録はウェブに掲載せず5回目から作成をやめ、会議の録音データを不開示としている。
環境行政改革フォーラム事務局では、今後も議事録、会議録音の開示請求、異議申立、訴訟を行っていく予定である。
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