欧州紀行奮闘記
(その3:バルセロナ-1)

2002年度 国際ダイオキシン学会

青山 貞一、池田こみち
 環境総合研究所

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写真撮影は青山貞一、文は青山貞一及び池田こみち。なお、上の写真は国際ダイオキシン学会のポスターセッション。
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8月12日 バルセロナへ

 今日はウィーンからバルセロナへの移動日。
 ウィーン空港から飛行機が出発する時刻は午前10時20分なので、1時間半前には空港に行っている必要がある。
 7時頃起床。まだ早い。ホテルのすぐ隣にあるステファン大聖堂の朝のミサに行く。プラハのミサ同様すごく荘厳である。ウィーンの旧市街地には朝のうちに各種搬入車や清掃車などの車を市街地内に入れるらしい。ステファン寺院周辺にも清掃車が入りゴミの収集をしていた。

早朝の廃棄物収集。ステファン寺院前で。


 グラーベンホテルで朝食をとる。三重県から女性二人できているひとと一緒になる。ウィーンは3回目、私達同様、ウィーンからプラハに列車で旅行していたそうだ。午前8時30分にホテル・グラーベンをでて地下鉄でウィーン・ミッテという、ウィーンの中央バスターミナルに向かう。地下深くからエレベータを何度も乗り継ぎ地上にでる。ちょうどウィーン空港行きのリムジンがでる直前なので、自動販売機ではなくバスの運転手から直接空港行きのキップを買う。5.8ユーロだ。さしたる渋滞もなく20分弱で出発ロビーに到着する。東京のように2時間近くもかけ国際空港に行くのとは大違いだ。

 オーストリア航空の出発ロビーカウンタ前には長蛇の列ができていた。出発前午前9時20分にやっとチェックイン完了。ウィーン空港のターミナルビルは結構小さい。しかし、航空機搭乗直前までいろいろなおみやげ屋があって楽しい空港である。オーストリア航空のボーイング737型機で一路、スペインのバルセロナに向かう。

飛行機からみたバルセロナ港

 予定より約30分遅れ午後1時ちょっと前にバルセロナ国際空港に到着。荷物がなかなかでてこない。結局、荷物が出てきたのは午後2時すぎになってしまった。バルセロナ空港は巨大な空港だ。空港から国際ダイオキシン学会の開催場所となっているバルセロナのMONTJUIC、その近くにあるはずの宿泊先ホテルまで国鉄で行く。目指すは国鉄サンツ駅だ。ところがバルセロナ空港から鉄道のターミナルまでが結構ある。

サンツ駅近くにあった造形物

 一人2.5ユーロ(約300円)でサンツ駅までのキップを買い鉄道に乗ると、約20分でサンツ駅に着いた。おおきな国鉄の駅だ。下車後、おおまかな方角を頼りにホテルに向かう。

国際ダイオキシン会議会場近くの闘牛場

 途中何度か通りすがりの市民に道を聞きながら午後3時30分頃、アパルトホテル・カラブリアに着く。このホテルは安い割にはすごく広く、きれいだ。荷物を置き早々に学会開催会場に徒歩で向かう。午後4時ちょっと前に国際ダイオキシン学会の年次会合の会場に到着。受付で例によって10kg以上の膨大な論文集などの資料と昼食、ツアーなどのキップをもらう。何しろこの論文集が重い。

国際ダイオキシン学会の会場

 初日の口頭発表はすでに終了し、コーヒーブレイクをはさみポスターセッションがはじまっていた。
 ポスターに参加する前に、展示会場に行くと、オーストリアのダイオキシン・モニタリング・システム社(DMS)のスタイナーさんのブースやドイツのベッカー社のAMESAのブースがあった。スタイナーさんにウィーン滞在中のお礼を述べ、少し話す。その後、ベッカー社のブースに行くと、ラインマンさんらがいる。しかし、いっさいの機材がない。展示物もない。まだ資材、資料がドイツから届かないと言う。途方にくれていた。ここでも議論する。

ダイオキシンモニタリングシステム社の
展示ブースで。右がスタイナー氏。

 さっそくポスターセッションに参加。宮田秀明摂南大学薬学部教授が鹿児島県の川野辺町で実験している焼却灰などの無害化プラントのポスターを見る。宮田さんは8日からマドリッドに到着後、バルセロナに11日に到着したとのこと。中尾さんら研究室の面々も参加していた。

宮田教授と池田こみち。ポスターセッションで

 ポスターを見て歩くと、どこかで見た地図がある。よく見ると神奈川県にある米海軍厚木基地のダイオキシン汚染のリスクアセスメントについてのポスターだ。発表しているのは、米海軍付属研究所の女性の研究者である。いろいろ話していたら隣に、米国環境保護庁のマチュー氏がいた。マチュー氏はインターネットで私に所沢のほうれん草に含まれるダイオキシン類のデータを問い合わせてきた方だ。まさかここであえるとは思わなかった。米海軍の女性研究者、池田さんを交え議論する。彼はexposure すなわち暴露問題を専門に研究しており、大気、土壌、生物、植物などサンプルの対象は問わないとのこと。しかもリスク評価はやらないと言う。まさに行政の縦割り組織に対応した専門家だ。笑ってしまった。と言うのも、自分はあくまでexposuer を専門としており、リスク評価などは別の部署がやっているとしきりに話すからだ。

米国環境保護庁のマヒュー氏(中)
と青山貞一(左)
 

 ところでEPAのマチュー氏のポスターの内容は何と、昨年の同時多発テロによって破壊炎上したニューヨーク市のワールドトレードセンター周辺の環境大気中ダイオキシン濃度のモニタリングに関するものだ。別途14日午前中に口頭発表をするのでぜひ来てくれと言われる。たまたまWTCについては米国環境保護庁のデータをさんざんEPAのホームページで見てデータ解析までしていたいので議論をした。WTC倒壊後2ヶ月以降まで超高濃度のダイオキシンを含む深刻な大気汚染があったことが分かっているが、マチュー氏はここでも自分はあくまでexposuerが専門で、リスク評価はしないと言い張っていた。日本の緩い環境大気の基準を30倍以上も上回る激しい汚染である。消防士や周辺住民の健康調査や疫学調査は現在、厚生省に相当する部署が実施しているとのことだった。

米国海軍健康研究所のウォーカー研究者
と池田こみち。ポスターセッションにて。

 学会開催会場の入り口近くに、Cyber Area が作られていた。
 早速、東京から持参した超小型パソコン、東芝のリブレットをそのLANの端子につなぐ。ウィーン、プラハでうまく動かなかったインターネットだが、ここでやっと受信に成功。メーリングリストなど2日間たまっていた400本以上のメールを一気にダウンロードする。鷹取さんからの数々のメッセージもある。不在中、鷹取さんがしっかりがんばっている様子もわかった。

 しかし、送信となるといわゆるサーバーアドレスが必要となる。そこで会場にいる係の女性に訪ねる。しかし、彼女はその担当ではなく、マイクロソフトのホットメールで東京に一本私のメールを送ってくれるだけだった。結局、ホームページを見たり、ホットメールで一方的に送信すること、また自分のパソコンからインターネットでメールボックスのメールを受信することはできても、送信はできないことが分かった。セキュリティーなどの関係から分からないことはないが、もしこのLANに接続し自由に送受信できたらと思う。

学会会場に設置された
サイバーエリアでの池田さん

 12日のセッション終了後、バルセロナ市庁舎で市長による歓迎レセプションがあった。バルセロナ市の市役所(シティーホール)までバスで移動する。カタロニア地方の伝統芸能を見た後、シャンパンなどでくつろぐ。歩き疲れのところ、また立ちっぱなしのカクテルでさらに足が棒のようだった。夜は技術業務提携先のカナダの化学物質分析会社、マクサム社(Maxxam Analytics Inc.)のテリー氏、日本から参加している武田医師らと一緒にフィラ・ホテルの高級レストランに食事に行く。私には高級すぎるほどの食事だ。夜遅いのでテリー氏がそれぞれをホテルまでタクシーで送ってくれる。これが今回の旅で使った唯一のタクシーとなった。

バルセロナ市長による歓迎レセプション


8月13日 バルセロナ2日目

 午前のセッション終了後、学会から配られた昼食券をもってセッション会場隣にある立派なホテル(フィラ・ホテル)に行く。建物もレストランも偉く立派できれいだが、肝心な料理がホテルの朝食同様、何か味気ない。

 すべてのセッション終了後、 学会主催のレセプションに参加。学会のセッション開催会場の一角は、バルセロナの景勝地だが、そのはずれに中世の町並みを残す「ポーブル・エスパニョーラ」がある。その奥にある大きなテントの下で立食パーティー。中国から参加している女性や京都大学の大学院生と議論する。フランスからの女性研究者やドイツからの研究者とも意見交換。国際色豊かな交流が可能となった。

 どうも昨日同様、立食パーティーだけでは物足りないので、一端ホテルに戻った後、ホテルのそばにある中華料理店に行く。結構地元の住民が来てにぎわっている店なので、安心して入る。料理3品と水2本で約12ユーロ、1400円の夕食だ。値段は廉価なのだが、実はこの中華料理店もプラハの料理店同様、出てくる料理はすべて塩分が多すぎ、塩辛くて食べれない。特に豆腐料理の塩気はすごい。なぜ、かくも塩気が多いのだろうか。

 
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その4につづく