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メアリー・ステュアートの足跡を追って
スコットランド
2200km走破


グラスゴー大学1
Universoty of Glasgow

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
2018年12月10日公開
独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁


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ペイズリー1  ペイズリー2 グラスゴー1  グラスゴー2
グラスゴー大学1 グラスゴー大学2

出典、翻訳等について

 本稿では、現地調査時に入手した資料、撮影した写真以外に、概要、歴史などでは日本語、英語のWikipediaを、また写真についてはWikimedia Commonsを、さらに地図についてはグーグルマップ、ストリートビューを使用しています。その以外については逐次出典を付けています。さらに、Wikipedia の英文版など外国語版などについては、逐次池田、青山が日本語訳しています。

 グラスゴーと言えば偉人をたくさん輩出したグラスゴー大学が有名です。以下グラスゴー大学について全体を紹介します。

◆グラスゴー大学の概要



Source:Wikimedia Commons
CC BY 3.0, Link



出典:グーグルマップ


出典:グーグルマップ


1650年のキャンパス
Source:Wikimedia Commons
Public Domain, Link


 グラスゴー大学(The University of Glasgow)は、スコットランドのグラスゴー市に本部を置くイギリスの大学です。1451年に設置されました。500年以上の歴史を有する英語圏最古の大学の一つであり、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学と並ぶアンシャン・ユニヴァシティー(古代の大学)に属する大学です。

 中世から高位聖職者を輩出し、近世では、蒸気機関の発明や電力単位のワット(W)で知られるジェームズ・ワット、経済学の祖であり国富論を著したアダム・スミス、物理学者のウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)など歴史上の重要人物も多く輩出しています。

 また、日本の産業発展に貢献すべく創設された工部大学校(東京大学工学部の前身)で教鞭を執ったヘンリー・ダイアーも本学の出身です。近代に入ると、世界各国からエリート層が留学して来るようになり、母国で政治家や科学者となって国家に貢献した卒業生も多いといいます。

 日本からの留学生も帰国後に名声を得たものが多く、著名人としては化学者の高峰譲吉、ニッカの竹鶴政孝(ドラマ「マッサン」モデル)、男爵いもの川田龍吉男爵、三菱財閥の岩崎隆弥、物理学者の田中舘愛橘が挙げられます。

 大学は英国のアイビー・リーグとも言われているラッセル・グループの一員で、また国際的に重要な大学から組織されているウニベルジタツ21の創立メンバーの一員でもあります。

 医学、歯学、獣医学の分野では、英国最高峰に位置し、特に医学部はGlasgow Coma Scaleの研究で世界に知られています。また、工学部は英国で最初に設置された工学部(1840年)であり、産業革命で大きな役割を果たしました。2007年現在、同大学に関係するノーベル賞受賞者は7名に上っています。


出典:グーグルマップ


模型図
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link


沿革

 1451年にローマ教皇ニコラウス5世の認可状により、神学の大学として設立されました。当時は独立国であったスコットランドの国王ジェームズ2世が、隣国イングランドで既に創設されていたオックスフォード大学とケンブリッジ大学に対抗できる大学の設置を希望したことが創立の発端です。

 また、ウィリアム・ターンブル司教により創立されたとも言われています。大学はこれにより、スコットランドでは二番目に古い大学となりました。

 設立時、大学はグラスゴー大聖堂に隣接して存在していましたが、9年後の1460年にそこから南側に600m程離れたハイ・ストリート沿いに移転しました。当時のハイ・ストリートはグラスゴー随一の繁華街であり、中世期に形成された街並みを有していましたが、産業革命以降スラム化が進行しました。

 このため410年後の1870年、都市計画によるスラムクリアランスとグラスゴー市街地の西側への伸展とともに、ウエストエンドの丘陵地であった現在の敷地に大学は再度移転しました。

 現キャンパスにおける最古の建造物は東側通用門のゲートハウスであり、これはハイ・ストリート沿いにあった大学の17世紀建造の旧玄関部分を移築し再利用したものです。また、高い塔がそびえるゴシック様式の現在の大学校舎は、この時新しく建設されたものです。

 近年、旧大学跡地は国鉄が走るだけの建物も無い更地となっており、そこにあるハイ・ストリート駅の近くに大学の旧玄関部分が位置していたといいます。

 スコットランド最古の大学は、ここよりわずか40年ほど古いセント・アンドルーズ大学です。グラスゴー大学はグレートブリテン島全体では4番目に古い大学ということになります。スコットランドでは、グラスゴー大学、セント・アンドルーズ大学、アバディーン大学が教会によって創立された大学で、エディンバラ大学だけが町によって創立された大学です。

古代の大学(Ancient University)各校の創立年。

 黄色がスコットランドの大学。

 オックスフォード大学 (1249年)
 ケンブリッジ大学 (1284年)
 セント・アンドルーズ大学 (1411年)
 グラスゴー大学 (1451年)
 アバディーン大学 (1494年)
 エディンバラ大学 (1582年)

 トリニティ・カレッジ (ダブリン大学) (1592年)

キャンパス

 グラスゴー市内を見渡す高台にゴシック様式の美しい校舎を持ち、スコットランドの観光名所となっています。また校内の博物館、美術館は一般に公開されているほか、建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュゆかりのマッキントッシュハウスがあります。

 付近は高級住宅街でありながら学生向けの酒場、商店が集まる学生街でもあり、地下鉄が最寄のHillhead駅から市中心部へ通じています。

 同大学の運動場は本校舎から離れたグラスゴー郊外にあり、シャトルバスが大学、各学生寮、運動場を連絡しています。グラスゴーは欧州のポップカルチャーを代表する街であり、繁華街は夜遅くまで学生と若者で賑わっています。


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