エントランスへはここをクリック     世界紀行へ戻る      2004.10.10

オランダ紀行(2)
ペッテン、北海に面する
温暖化防衛最前線のむら


青山貞一・池田こみち
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アムステルダム 
ペッテン、温暖化防衛の最前線  

デン・ヘルダー、温暖化防衛の最前


 オランダ紀行(1)に述べたように、私たちは国土の過半が海水面より低いオランダの地球温暖化防衛の最前線を見ようと、土曜、北海(Zee Noord)に面するまちペッテン村(Petten)に出かけた。

 アムステルダム到着後、中央駅の旅行相談センターに行き、担当者に私たちの意図を詳しく説明した。

 担当者は北海に面するペッテン村と言う小さなまちを紹介してくれた。調べるとペッテン村の北にデン・ヘルダーと言う大きな港まちがある。ペッテン村からデン・ホルダー市まで北海沿いに一大堤防がつくられていることも知らされた。

 アムステルダムから北海に面する小さなまち、ペッテン村に行くには、まずアムス中央駅からアルクマール駅まで列車で行く。次にアルクマールで路線バスに乗り換える。

 そこでアムス中央駅からアルクマール駅まで写真にある列車で向かう。当然2等で十分だ。写真にあるように、都市間を結ぶ鉄道でも自転車の乗り入れはOKであった。


アムステルダム→アルクマール

アムス駅でアルクマール行き列車に乗る ひっそりとしたアルクマール駅

 アルクマール駅で下車。路線バスを探し、往復切符を買いペッテン村まで行く。バスは1時間に1本しか走っていない。途中、写真(下)にあるように運河にそってたくさんの風力発電装置が見えた。たまにオランダの伝統的風車もあったが、今は圧倒的に多くがデンマーク産の3枚羽か、2枚羽の風力発電である。実際、ベルリンからオランダに入った段階で、やたら風が強いと感じたが、これは北海に向えば向かうほど風は強く感じるようになった。


 アルクマール駅からConnexxionと言う名の路線バスで約30分で、北海に面する堤防のまち、ペッテン村についた。ペッテン村は人口2000人足らず小さな村だ。下の写真はペッテン村の中心街。だがほとんど人影もない。ホテルの主人に聞いたら何と、創業以来日本人にペッテン村で会うのは初めただ、と。青山は世界数10カ国の100以上の都市にでかけているが、日本人が最初だと言われたのは本当に珍しい。インド洋の小さな島でも、マグロ漁などで日本の船が行っており、日本人が初めてと言うことはないからだ。

ペッテン村の中心部

 
北海に面する大堤防のまちペッテン村には、写真(下)のようなおとぎの国に出てくるようなかわいらしい住宅がたくさんある。写真(下右)にある住宅の後ろは北海に面する大堤防となっている。

ペッテンの住宅、おとぎの国のよう 後ろのみどりの背後は大堤防

 繰り返すがオランダの地球温暖化防衛の最前線、北海に面する堤防がペッテン村でやっと見れた。以下の写真にある堤防は、自然地形の堤防ではなく、海洋土木的上の構造計算に基づいた100%人為的堤防である。堤防の上に立って両側を見ると、明らかに陸地の方が海水面より低い。何とも不思議な気分である。

ペッテンの大堤防の北海側。堤防は緩い傾斜で自転車競技のバンクとしても使える?
ペッテンの大堤防の内側は写真のように放牧場としても利用されていた
 

 ペッテン村を回ってみて分かったのだが、北海に面する地域には下図のように、まず巨大な第一堤防がある。そして数km先に第二堤防、さらに第三堤防があることが分かった。万一第一堤防を超えて海水が流れた場合、第一堤防と第二堤防の間が遊水池として機能するようになっていた。



 このオランダの巨大堤防は、下の写真にある左下(ペッテン村)から突端のデンホルダーまで何10kmと続く。堤防の上は、自転車や場合によって自動車が自由に走行できるようになっているのも大きな特徴である。



北海を背景に、筆者(青山)。対岸はスウェーデンとなる。

 
アムステルダム 
ペッテン、温暖化防衛の最前線  

デン・ヘルダー、温暖化防衛の最前