アンコール遺跡群現地調査報告 バンテアイ・スレイ1(Banteay Srei) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2019年2月24日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
アンコール遺跡全体目次 <北東部郊外の寺院・遺跡> バンテアイ・スレイ1 バンテアイ・スレイ2 バンテアイ・スレイ3 バンテアイ・スレイ4 バンテアイ・スレイ5 プノン・クーレン クバール・スピアン1 クバール・スピアン2 クバール・スピアン3 べンメリア1 べンメリア2 ベンメリア3 ベンメリア4 コーケル1 コーケル2 コーケル3 コーケル4 コーケル5 ◆バンテアイ・スレイ1 (Banteay Srei) バンテアイ・スレイは、バンテアイが砦、スレイは女で、「女の砦」を意味します。 大部分が赤い砂岩により建造されています。規模こそ小さいものの、精巧で深くほられた美しい彫刻が全面に施されています。 こうしたことからバンテアイ・スレイは観光客に大変な人気があり、「アンコール美術の至宝」などと賞賛されています。中でもデヴァターの彫像は「東洋のモナリザ」とも呼ばれています。 バンテアイ・スレイ (Banteay Srei) はカンボジアにあるアンコール遺跡の一つで、ヒンドゥー教の寺院遺跡です。アンコール・ワットの北東部に位置します。 アンコール遺跡・寺院地図 バンテアイ・スレイは以下の広域地図の右上にあります。 アンコール遺跡広域地図 バンテアイ・スレイには車でアンコールワットから約50分、シエムリアップ市街地からはやはり自動車で1時間10分ほどかかります。 実際に行くには、@バンテアイ・スレイを含むオプショナルツアーに参加する、A運転手付き自動車をチャーターする、さらにB旅行の最初に空港でレンタカーを借りるなどとなります。トウクトウクや自転車では時間がかかりすぎるので不適です。 なお、シェリムアップの運転手付き自動車は、1日単位で約5000円ですが、会社によっては、さらに遠距離割り増しが必要となることがあります。 オプショナルツアーで有名なべルトラ(Vertona)の場合、ベンメリア+バンテアイ・スレイ+クバールスピアン 郊外3遺跡巡り<昼食付>が85米ドル、約9300円になります。 なお、レンタカーの場合は、空港で借り、空港で返すことになります。この場合は小型車で1日当たり4000円程度、日本で国際免許を取得しておく必要があります。 いずれにも場合も、アンコール遺跡のチケットセンターで周遊券を取得しておきます。 環濠南東より デヴァターの彫像 Source:Wikimedia Commons 歴史 967年、ラージェンドラヴァルマン王が臨席する下で着工式が行われ、息子のジャヤーヴァルマン5世の代に完成します。建立は、近くの土地を領し王師を務めていたヤジュニャヴラーハが行いました。 アンコール朝の衰退に伴い忘れ去られていましたが、1914年に再発見されます。1923年にはフランス人のアンドレ・マルローがデヴァター像を盗み出して逮捕され、注目を集めましrた。マルローは後にこの体験を基に小説『王道』を記しています。 現在はカンボジアの安定に伴い、多くの観光客が訪れています。 平面図 Source:Wikimedia Commons 第二周壁の塔門 Source:Wikimedia Commons 南経蔵 Source:Wikimedia Commons 南経蔵破風 Source:Wikimedia Commons 伽藍 第二周壁の塔門 リンガの並んだ参道 Source:Wikimedia Commons 寺院はラテライトと紅い砂岩で築かれており、東を正面としています。 外周壁の塔門をくぐり75mの参道を進むと、第一周壁とその塔門に着きます。周壁はラテライトで築かれ南北94m東西109mあり濠を囲んでいます。塔門をくぐり土を盛った橋を渡ると、第二周壁とその塔門があり、正面に祠が見え始めます。 塔門をくぐると次は左右にリンガが並んだ参道を進み、第三周壁の塔門に入ると、中には刻まれた碑文が見られます。それを抜けると中央祠堂の前室に至ります。ここまでの塔門は、中央に近づく程に間口と高さを狭めており、遠近により狭い寺院を広く見せています。 バンテアイ・スレイ2につづく アンコール遺跡全体目次 |