アンコール遺跡群現地調査報告 バクセイ・チャムクロン (Baksei Chamkrong) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2019年2月24日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
アンコール遺跡全体目次 <中心部周辺の寺院・遺跡> プノン・バケン タ・プローム・ケル プラサット・バイ バクセイ・チャムクロン トマノン1 トマノン2 チャウ・サイ・テヴォーダ ◆バクセイ・チャムクロン(Baksei Chamkrong) バクセイ・チャムクロン(Baksei Chamkrong)は、カンボジアのシェムリアップに近いアンコール遺跡群の小さなヒンドゥー教寺院 (Hindu temple) です。寺院はシヴァ神に捧げられ、シヴァの金色の像を保持していました。バクセイ・チャムクロンは南大門からアンコール・トムに入るとき左側に見られます。 バクセイ・チャムクロンは10世紀、息子である王ハルシャヴァルマン1世(在位910-944年)により、父ヤショヴァルマン1世に捧げられました。寺院はラージェンドラヴァルマン2世(在位944-968年)によって完成しました。 アンコール遺跡・寺院地図 以下のグーグルマップは、バクセイ・チャムクロン(Baksei Chamkrong)の位置を示しています。位置はアンコール・トムの南大門のすぐ南にあります。 出典:グーグルマップ 出典:グーグルマップ 以下バクセイ・チャムクロン(Baksei Chamkrong)の祠堂の写真です。 バクセイ・チャムクロン(Baksei Chamkrong) Source:Wikimedia Commons 名前 バクセイ・チャムクロンという名は、「翼下で護る鳥」を意味し、王が攻囲されたアンコールから逃れようとしていた時、巨大な鳥が舞い降りて、その翼の下で王を護ったという伝説に由来しています。 構成 東側より Source:Wikimedia Commons この寺院は、煉瓦やラテライトなどの耐久性のある素材と砂岩の装飾により建築された最初の寺院の1つです。当初は煉瓦の周壁がピラミッド型寺院を囲んでいましたが、東側の塔門(ゴープラ、gopura)もわずかに残る痕跡以外ほとんど完全に消滅しています。 バクセイ・チャムクロンの位置 Source:Wikimedia Commons ピラミッド型寺院の4段のラテライトの基壇は直径27メートル、頂上部では15メートル、高さは12メートル。 4本の階段が基壇の頂上部まで伸びます。煉瓦の中央祠堂が8メートル四方の砂岩の基盤に建ちます。東の扉が開き、ほかの3面には通常の偽扉があります。 平面図 Source:Wikimedia Commons 偽扉 Source:Wikimedia Commons 寺院の外面の化粧漆喰(スタッコ)は大半が失われています。中心の砂岩のまぐさ(リンテル)は、インドラが3つの頭の象アイラーヴァタの上に立っている細かな彫刻で装飾されています。 花輪模様がインドラの両側から、遺跡に一般的な様式で広がっています。碑文が小さい扉口の両側にあり、ジャヤーヴァルマン2世からのクメール王朝初期の王たちや、同じく国家の祖先である隠者カンブー (Kambu) など、より以前の伝説的な王たちへの奉献と賛美が記されています。 まぐさ(リンテル)の装飾。アイラーヴァタの上にインドラが、両端にはガネーシャが彫られる。 Source:Wikimedia Commons 以下はバクセイ・チャムクロン寺院の写真ギャラリーです。 Angkor temples, north of Siam Reap, Cambodia Source:Wikimedia Commons Baksei Chamkrong. Angkor Cambodia Source:Wikimedia Commons Temple entrance Source:Wikimedia Commons トマノン1につづく アンコール遺跡全体目次 |