私は今回の新型インフルについて前に以下を書いた。
◆青山貞一:米国主導、日本追随で繰り返されるインフルエンザ大騒動
今回の新型インフルエンザの毒性がかなり早期の段階から「弱毒性」であることが分かり、米国ではオバマ大統領が「馬が出てしまった後に馬屋の戸を閉めても意味がない」と言明、通常の季節インフル並みに対応にしたことは賢明であった。
米国の状況については、早期の段階でカリフォルニア州サンディエゴにいる知人からの報告を独立系メディアに掲載した。以下参照。
Date: Wed, 29 Apr 2009 08:38:47 -0700 Subject: 豚インフルエンザ ---- 青山先生、 豚インフルエンザ(こちらではスワイン・フルー)のニュースが今日のコラムに掲載されていたので、サンディエゴの日常生活について御報告致します。 豚インフルエンザで、日本が水際対策のため、大変な騒ぎになっているようです。 また、カリフォルニアでは非常事態宣言が出されたと報道されているようです。 サンディエゴはメキシコのティファナと国境線で接しており、何十万人が毎日国境を通過しています。 さぞかし大変な騒ぎになっているだろうと、御想像されていると思いますが、実際には日常生活は何ら変わりません。 町で買い物をしていても、マスクをかけている人を見たことがありません。本当に非常宣言が出ているのだろうかと疑いたくなります。 ただ、気をつけて見ていると、トイレなどで、手を入念に洗っている人の数が増えているようです。 以下略 |
周知のように例年の季節性インフルエンザでも世界全体ではかなりの人間、とくに病弱な人、お年寄り、幼児、喘息など呼吸器疾患などの人が重篤な症状となり亡くなっている。
事実、私自身、50歳過ぎ的から重度な喘息患者となり今でも持病として喘息があるが、季節性のインフルエンザはもとより、いわゆる風邪にかかると一気に症状は悪化、酷いときは救急車で近くにある昭和大学第一内科や救急センターに担ぎ込まれた。
しょっちゅう救急車を使うと申し訳ないので、その後は自宅に比較的近い医院で深夜であれ早朝であれ点滴などをしてもらうようにしている。いずれにせよ、「風邪」はまさに万病のもとである。
....
本題の新型インフルだが、早期段階で新型インフルが季節性インフル並みであると分かった時点で、日本政府は米国や欧州諸国同様、通常のインフル対応に切り替えればよかったのである。
通常の季節性インフルに対しH5N1、すなわち強毒性インフルの対応を水際対応を含め行えば、社会機能はどこの国でも麻痺するだろう。経済的損失も計り知れなくなるはずだ。
麻生総理大臣がテレビで「冷静な対応が必要」などと偉そうにだみ声でのたまっているが、ことのはじめから冷静な対応が必要なのは日本政府だったのである。
下の図は主に通常の季節性インフルエンザによる死亡数の推移を示している。毎年、それなりにかなりの人が亡くなっていることが分かる。