どうした民主党 第2自民党から脱皮せよ! 青山貞一 2006年12月20日 拡充版:2007年1月6日 |
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■民主小沢氏、仕事始め・参院選へ「イノシシのごとく」 日経新聞 出典:小沢一郎オフィシャルWebより 小沢一郎氏が民主党の代表となった当初、民主党には政権奪取の意気込みというものが国民にそれなりに伝わっていた。感じられた。 このところ民主党そのものの存在感が薄い。 というより存在感、プレゼンスがない。 もちろん、存在感が薄いのは政権与党に媚(こ)びへつらう日本の大メディアの影響も否めない。 政党や議員で圧倒的にメディアに露出度が高いのは自民党だからだ。本来、時の権力を第三者として監視、批判すべきメディアがここ数年、翼賛的に権力の広報機関と化していると言われても仕方ない実態がある。 とはいえ、フリージャーナリストの横田一さんが共著で書いた『政治が歪める公共事業 小沢一郎ゼネコン政治の構造』(緑風出版、1996年)にあるように、小沢氏はもともと政官業癒着のもっとも日本的な政治家であったことも事実だ。 同時に、米国から押しつけられた内需拡大策として400兆円にも及ぶ公共事業を故金丸氏と一緒に推進してきた人物である。 しかし、その小沢氏が、自分をして「変わらずに生き残るためには、変わらなければならない」と映画『山猫』の科白を引き合いに出し、民主党の代表選で自分の心境と決意を述べ、大きな反響を呼んだ。 参考:佐藤清文:『山猫』と地の塩 最近では小沢氏は背水の陣を引く、政治生命のすべてをかけるとまで言い出した。 .... それ以降、褌(ふんどし)がゆるみっぱなしの民主党は、小沢氏の号令一下、知事選挙で自民党とのなれあい翼賛的な相乗りをやめることなど、本気さを感じさせるようになった。そして苦手の雑巾がけ、現場主義にも精を出すことになる。 千葉の衆院補選では自ら自転車に乗り選挙応援に駆けつけ、街頭でビールケースの上に立ち、無名に近い女性県議を一気に衆院議員に当選させた。こうして選挙に強い小沢のリーダーシップを国民に見せつけたのである。 参照:太田和美衆議院議員 昨年秋の衆院補選では、自民・公明に2度破れたものの、福島県知事選では自民、公明、新党日本が推薦する女性候補を打ち破った。沖縄県知事選で惨敗したものの、福岡市長選で勝利するなど、それなりの底力を顕示した。 だが、どうだろう。 その後はと言えば、和歌山知事選では、何と候補者すら立てられず不戦敗。超保守王国、和歌山とはいえ、官製談合で自民系知事が辞職した後の知事選で民主党が候補者を立てられないのでは、ふがいない。あにはからんやである。 さらに来年の統一地方選挙の目玉、東京都知事選では、当初、菅直人衆議院議員の名前があがった。しかし、すぐに海江田万里氏、小宮山議員など、誰が見ても石原知事に勝てそうにない候補の名が上がるばかり、民主党は来年の関ヶ原の戦いで、一体どこまで本気なのかが分からない。1月になっても候補者名すらあがっていない。 .... 周知のように、ゴーマンな物言いと、「公私混同」的行状でこのところメディアで連日「時のひと」となっている石原慎太郎都知事は、本来なら一大ピンチに立たされているはずだ。 もちろん、12月17日のフジテレビ「スタ★メン」のように、石原都知事を緊急生出演させたにもかかわらず、結局、釈明、正当化のための会見となってしまうなど、相も変わらず、権力を徹底批判すべきマスメディアが、権力にこびへつらっている状態があるのは否めない。 このフジテレビ「スタ★メン」では最終的に石原知事が「俺は何も悪いことはしちゃいない」と言っておしまい、となってしまった。メディアとして実に恥ずかしい。 しかし、一回平均2000万円に及ぶ観光旅行まがいの「海外旅行」問題や四男の公費海外旅行、三男の裏金疑惑など、石原知事が消しても、消しても、あちこちで火の手があがり、ぼやから大火になりかけている。三重の水谷建設との問題でも週刊誌に何度もとりざたされている。しかし、大メディアはいずれも追求に及び腰だ。大メディアは、まるっきりそもそも調査報道などしていないも同然だ。安全パイ以外この手の記事を書かなくなっている。 一方、石原知事問題では夕刊紙や週刊誌がまだまだがんばっている。 週刊現代最新号より 参照:暴言しんちゃん絶体絶命!1〜5 きっこの日記 そもそも石原知事に対しては、ゼネコン主導で利権の臭いがプンプンとする。東京オリンピックの開催問題でも、多くの都民は疑義を感じはじめている。 もし、小沢民主党が本気で政権奪取を考えるなら、まずは来年春の参議院議員選挙の一大前哨戦と位置づけ、都知事選に全力を傾注すべきだ。 しかし、どうみても民主党はかけ声ばかりで本気さが感じられない。民主党の一番だめなところは、真のエリートでも、ハイブローでも、セレブでもないのに、粋がって泥をしょっかぶらないことだ。民主党のひとたちは何か大きな勘違いをしている。 菅直人が丸坊主になり四国を行脚したのは何のためかと言いたい。 そもそも石原氏は小林よしのり氏との対談で、「選ばれた人間なんだという自覚があれば、誰でも何やったっていいんだって思いこむことが大事だと思うね。..ぼくなんか、自分が死んじゃったら、日本国家は消滅すると思ってるもの(笑)」(1999年8月25日/9月8日号『SAPIO』、小林よしのりとの対談)と言いたい放題を述べている。 その石原氏の暴言、失言は半端ではない。 衆議院議員辞任前後から2001年11月までだけをとっても以下の暴言集にあるようにまさにトンデモばかりである。2001年末のいわゆるババァ発言一つをとっても、石原氏の本質がよく分かる。 参考:石原慎太郎暴言集 こんな石原知事の行状を許してきてのは、都政における民主党の分裂と言うまでもなく腰砕けのマスコミである。 今回の超高額旅費にはじまる石原批判も、もとはといえば共産党都議団による情報公開(暴露)がきっかけとなっている。一体、都政クラブのメディアは石原氏の知事就任以来、何をしていたのか。 ちょっと考えれば分かるが、これは小泉政権に対するメディアの在り方に共通するものがある。何とも恥ずかしい、不甲斐ない。これについては、期をあらためて連載を開始するので読んで欲しい。 .... 一方、肝心な国政でも状況は似たり寄ったりだ。 とくに重要なのは、12月15日、衆議院本会議で民主、共産、社民、国民新の野党4党が安倍内閣不信任決議案を提出した。自民、公明両党などの反対多数で否決されたが、なぜか参院では共産、社民両党が出した安倍晋三首相の問責決議案に民主党は同調しなかったことだ。 小沢氏が来年の参院選に向け積極的に野党共闘を打ち出し、沖縄県知事選では、敗北したものの全野党共闘が実現した。 にもかかわらず、衆議院で民主、共産、社民、国民新の野党4党が提出した安倍内閣不信任決議案を提出しながら、参院における安倍晋三首相の問責決議案に民主党民主が加わらなかったことで、社民党が来年の参議院選挙での民主と他の野党との共闘が難しくなりつつある。 なぜ、衆院で新党日本以外の全野党による安倍内閣不信任決議案に同調した小沢代表が参議院で国会対策担当を説得できなかったのか、理解に苦しむ。 もし、これで来年の参議院選挙で小沢氏が民主党代表になって以来の念願である党共闘にヒビが入れば、一人区で自民候補に勝つことはきわめて難しくなる。当然、与野党逆転など実現せず、政権交代から大きく後退する。 ブレないはずの小沢代表がここ一番で結果的にぶれた意味は大きい。社民などは小沢代表に民主党参議院の国体の総入れ替えを要求している。おそらく理由は参議院民主党が、沖縄県知事選での共産党との共闘に拒否反応を示しているからだろう。しかし、今まで共産党候補者に行っていた票が来れば当選した知事、衆参議員は多数いたはずだ。 たとえば、長野県議会では共産党の多くの政策、条例で田中康夫知事(当時)に賛同していた。個別課題、政策で両党が是々非々対応すればよいのである。 きつく言えば共産党の唯我独尊、独善、総じて夜郎自大的な面は誰でも嫌である。 だが共産党アレルギーだけでいいのか。そうだと結果的に自民党の思うつぼになる。永年、自民党が政権の座にいれたのは、まさに公明党、社会党、共産党のお陰と言えるのだ(苦笑)。 昨年のイタリア総選挙では、イラク派兵問題もあり、中道・左系が勝利した。その左派には100人以上の旧共産党系議員が含まれているという。EUの政権交代には、ドイツの総選挙でもそうだが往々にして旧共産党系との連携がある。 小沢氏の言葉ではないが、日本が変わるためには共産党自身がかわらなければならいことも、事実だ。しかし上述のように共産党を放置すれば結果的に、自民がいつまでも漁夫の利を得る実態にもっと政党ばかりではなく、国民も目を向けなければならない。 小異を残し選挙で大同につくことが今ほど重要な時期はないはずだ。自民党や民主党右派の攻撃だけで、参院選挙での共闘の道を完全に閉ざしてよいものか? 小沢氏のリーダーシップが今こそ問われている。 .... ところで政府・自民がこともあろうか、教育基本法改正にからむ地方タウンミーティングが「やらせタウンミーティング」であったことが分かった。今や泥沼状態だ。 もっぱら、ここでも、巨大メディア、朝日新聞の関連会社、朝日広告社が、広告代理店電通とともに利権をむさぼっていたことが判明した。 イラクの大量破壊兵器問題ではないが、内閣府タウンミーティング調査委員会の林芳正委員長(副大臣自)が、「情報操作で世論誘導」と認めたように、北朝鮮を嗤えない犯罪的な「情報操作による世論誘導」がこの日本であったことになる。 アメリカの社会学者、シェリー・アーンスタインが考案した民主主義の程度を8段階で示す「参加の梯子」の最下段、すなわち「情報操作による世論誘導」をタウンミーティングがやらかしていたのである。 参考:シェリー・アーンシュタインによる「参加の梯子」
出典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)
私はこれひとつをとっても、民主党にとってこれ以上ない順風だと思っている。しかも、やらせミーティングは、一度や二度じゃない。200回近く行われていたというのだから、開いた口がふさがらない。 おどろくべきことに、このやらせタウンミーティングは、当初、広告代理店の電通に一会場2000万円もの税金をはらって業務委託していた。 その後も、朝日新聞の広告代理店(朝日広告社)や電通に一回当たり800万円〜900万円、都合9億円以上の税金を世論誘導のためにつかっていたというのだから、まさに北朝鮮やヒットラーを嗤えない。河野太郎衆院議員ではないが、「ふざけんじゃねぇ」だ。フランスならすぐさま大暴動になるだろう。 これほど国民をバカにし、民主主義にもとる話はない。 ..... また、昨年夏、あれだけ日本中を大騒ぎさせ、自民の現職議員に刺客を放ち成立させた郵政民営化法案だが、その実態を見れば、郵政民営化法でつくった「民間会社」が国民の見えないところやりたい放題をしつつあることがわかってきた。 日本道路公団でもそうだが民営化されると言うことは、国の情報公開法の光が差し込まなくなることを意味する。なかで何をしているかが見えないのだ。 政党政治上の問題として言えることは、いうまでもなく郵政民営化法に反対しとして自民党が追い出した多数の自民議員を、来年の参議院選挙での票欲しさに無節操にも大挙復党させたことだ。いうまでもなく、これほど有権者をバカにした話はない。支離滅裂、いや支離破裂である。 もっぱら小泉チルドレンの多くは、はっきりいって国政をあずかる国会議員として最低限の資質をもっていないと言われても仕方ないだろう。直前の東京都議選挙で法定得票数すら得られなかった元杉並区議が、大阪7区の小選挙区で何と当選していたのだから。 参考:青山貞一:ある小泉チルドレン .... 三つ目は、本間政府税調会長の醜聞問題だ。 この人はカメレオン学者と呼ばれるくらい、如才ない。コロコロと自分の立場や考えを変え、シレとしているひとらしい。 その本間氏が3年間、原宿の超一等地にある豪華官舎に、月に2,3回開かれる政府税調の会長と言うだけで、こともあろうか愛人と同棲していたのだ。 通常なら50万円は下らない超高級マンションを「ラブホ」代わりに使っていたことになる。しかも、本間氏は国民に厳しい税制を押しつけ、大企業や大銀行の減税を提案している。こんなことがまかり通っていいはずがない。 こともあろうか、このひとは小泉政権時代、累積債務を減らすため国の遊休地や官舎を民間に売り飛ばせと言っていた。そのひとが、ちゃっかり3年間も愛人と超豪華官舎をつかっていたのだ。 本間氏当人は、豪華官舎から出ればなどと言って、引っ越しをしているが、もし、この本間氏が東京で同様なマンションを借りたとすれば50万円は下らないのだから、まずは、(50万円−8万円)×3年×12ヶ月=1512万円の金を国庫に返却すべきだ。そうでなければ、税金を詐取したと言われても仕方あるまい。 その後分かった話として、何と月々の家賃、7万7千円すら払っていないことが分かった。 本間氏を重用した安倍総理や塩崎官房長官は、「これからも職責を全うして欲しい」などトボケタことを述べている。が、政府・自民党は国民、有権者にいかに弁明しようが、申し開きがたたないことをしている。 .... 四つ目は、なんと言っても今の自民党な二世、三世議員ばかりであることだ。安倍政権のキーパースンだけをとっても以下のように二世、三世ばかりである。 麻生太賀吉 → 麻生太郎 安倍寛 → 安倍晋太郎 → 安倍晋三 塩崎潤 → 塩崎恭久 中川一郎 → 中川昭一 中川俊思 → 中川秀直 (娘婿) 丹羽喬四郎→ 丹羽雄哉 渡辺美智雄→ 渡辺喜美 こんな世襲的な世間知らずのオボッチャン議員には国の将来を任せられない。世襲問題については、何度も書いているのでここに繰り返さないが、金日成から金正日への世襲を安陪、両中川、塩崎ら今の政府や自民党幹部は嗤えるのだろうか? 実質、日本の国会議員は世襲制であるのか? と問われても仕方あるまい。詳しくは、以下。 参考:青山貞一:大マスコミが書かない二、三世議員総理たらい回し こんなひとたちに「格差社会」がわかるはずもない。こともあろうか、自民党はメガバンクから政治資金を再度もらおうとしている。すんでのところで銀行側が自粛したが、自民も自民、メガバンクもメガバンクだ。何を考えているのか。 その後も続々とスキャンダルが噴出している。2006年末には共同通信のスクープ一発で佐田行革大臣があっという間にぶっとんだ。その後に入った渡辺喜美議員も言うまでもなく二世議員だ。 そして、新年早々は、ひさびさの朝日新聞のスクープ、松岡農水相秘書による”口添え疑惑”報道で、ここ数日、メディアが食らいついている。 ..... 事々さよう、国民、有権者の目から見て実にわかりやすいトンデモ不祥事がこのところ政府・自民内でたてつづけに頻発している。 その背景には、衆議院で超多数を自民党の奢り、傲慢、無節操が明々白々になっていることがある。また安倍内閣がもともと論功行賞内閣であり、危ない人物を大量に登用、重用したこともある。 にもかかわらず、民主党はどうだ。政権与党の一大ピンチを政権奪取に生かすパッションが感じられない。 昨年は、ホリエモンや村上ファンド関連事件、偽装建築確認事件、BSE問題など、過度な規制緩和がもたらした深刻な社会問題が噴出した。しかし、それらを徹底追求すべき民主党は、永田議員(当時)の「偽メール問題」で出鼻をくじかれただけでなく、瀕死の重傷をおってしまった。 この夏も、攻勢に転ずる矢先に、朝日放送の山本モナなる女性キャスターと細川衆院議員の不倫醜聞が発生し、やはり出鼻をくじかれて居待った。一体、民主党はやるきがあるのかと言いたい。 .... さらに、自民党よりも「右より」と言われる前原議員を民主党の代表とさせていたことに象徴されるように、今や国家主義への道をひた走る自民党と政権交代を目指す民主党の本質的違いが明確でないことも大きな問題である。これは今後、自民からの大きな攻めどころとなるに違いない。 集団的自衛権を容認し、憲法を改正と言う点でも、前原議員等松下政経塾系議員を中心に、自民に同調するような議員が多いことも民主党の存在をわかりにくくしている。 最近では防衛庁の防衛省への格上げ法案で民主は自民に同調している。 教育基本法の改正や憲法改正に向けての国民投票法案でも民主党のスタンスは、国民にとって非常に分かりにくい。 そもそも弁護士法違反で逮捕された西村前衆議院議員が石原慎太郎氏と盟友関係にあったことからも分かるように、民主党そのものの政治的な国家論的理念のポジショニングが不可解となっている。ごちゃまぜでは、自民党とほとんど変わらない。事実多くの有権者はそう思っている。 民主党は教育基本法改正で一時期、審議拒否をしていた。しかし、そもそも民主党が出した自民党案の対案には、「国を愛する心」で自民党と文言が少しちがうだけで似たような表現となっている。 問題は、自民党の教育基本法改正における愛国心だけではない。教科書検定制度で分かるように、もともと日本では、米国、カナダ、ドイツなどと違い、国家が小中高等学校の教育現場に介入し続けてきたことが問題なのに、今回の改正をみると、国家がさらに地方の教育現場に「積極介入」する道を開いている。 どうして民主党はここを徹底追及しないのか?表では地方分権を主張しつつ、その実、中央集権をよしとしているのは、自民党だけでなく民主党もそうなのかと思われる。 参考:加藤秀樹:教育基本法の本当の大問題 ..... 私はつねづね、民主党は第2自民党であると呼称してきた。 もともと選挙で自民党から出たいが、選挙区割などで自民党の公認が得られないからしかたなく民主党から出る、といった議員がいる。 事実、調べてみれば、その手の議員がわんさといる。 これは小泉総理時代顕著だったが、安陪政権となった今でも、もともと国家主義をあらわにしている安陪議員の考えに同調する民主党議員がいるのは紛れもない事実である。 自民党はブッシュ政権同様、絶えず「敵」をつくり、危機を煽ってきた。それをバネに自らの存立基盤をつくってきたといえる。現在はまさに北朝鮮問題がそれだ。 もし、明確な敵が見えなくなれば、自民党など、さして21世紀に通用する理念や政策があるわけでなく、自壊の道をたどるらざるをえないはずだ。 だが、自民から政権を奪取すべき民主党も自民と同様に、21世紀を主導する政治理念をもっているとは言えない。そこがまさに致命的である。 そうだとすれば、既得権益を持つ政権与党に多くはなびいてしまい、民主党の政権奪取など夢の夢となるだろう。 .... 国のありかた(政治経済制度、民主制度)はじめ外交、経済、社会、教育、エネルギー、農業、環境などの主要分野において、自民党との違いが見えない。世界のなかで日本を主導する理念、政策が見えないことが致命的だ。おそらく小泉政権にいいようにあしらわれ、選挙で劇的に惨敗したのもそれが原因である。 さらに言えば、メディア戦略でも民主党はだめだ。 政権与党に媚びへつらう大メディアと冒頭に書いたが、しっかりとしたメディア戦略をもっていないこともある。まさに場当たり的だ。 自民のメディア戦略jは、やらせミーティングで分かったように総じて「情報操作による世論誘導」的である。としたら、民主党は、本来、ここでも戦えるはずだ。単なる愚直、実直だけでなく、それなりのメリハリのある戦略と戦術を練らねばだめだ。 日本の民主主義の程度は、まさに北朝鮮を嗤えない状態にあることを認識し、一から情報公開、国民参加の道を模索すべきである。 いずれにしても、民主党が第2の自民党を脱却、脱皮しない限り、格差社会は拡大するばかり、戦争ができる普通の国にひた走るばかりとなり、国民は浮かばれない。 その重要な柱は、成長の限界をわきまえた小日本主義的な国家像の構築にあると思う。 必要なのは、21世紀を貫く理念と政治哲学、政策、それに現場主義とパッションそして徹底的なアウフ・ヘーベンだ。 |