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  シルクロードの今を征く Now on the Silk Road

はじめに(Preface)

青山貞一
Teiichi Aoyama  
池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料などに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています。 

はじめに

 ここでは、青山貞一、池田こみちによる現地調査で撮影した写真やWikimedia Commons、トリップアドバイザーなどの写真それにWikipedia の解説などから現在のシルクロードの要所から要所を旅してみたいと思います。題して、「シルクロードの今を征く」です。

 なお、シルクロードのルートには、草原の道、オアシスの道、その他海路などの諸説がありますが、ここでは主に草原の道及びオアシスの道を想定しています。

 掲載した写真の大部分は現地で撮影したもの以外にWikimedia、Wkipedia、トリップアドバイザーなどのクリエイティブ・コモンズと一部NHKBS3のシルクロードの静止画です。また地図はグーグルマップ、グーグルアース、グーグルマップストリートビュー及びそれらをもとに解説を付けたものです。写真、地図、地図にはそれぞれ出典をつけています。

 進む前にお話しておきたいことがあります。

 米国ワシントンに30年以上滞在し世界の政治経済外交を調査研究する伊藤貫さんは、歴史的に見ると人間の全営為のうち、その60%が経済的な営為であり、残りの40%が文化的な営為だと言います。そもそも「文化」はエンタメなどとはことなり、最低でも三代以上続いてはじめて文化と言えるものであるとも言っています。

 たとえば茶道、書道、陶芸、絵画、彫刻、書、民族音楽、楽器はもとより、景観、街並み、建築様式、住まいなど、文化はどれをとっても、最低でも数100年の歴史の上に形作られた人間の歴史的営為であると言えます。さらに哲学、宗教などの人間の精神的営為も重要な文化です。

 その観点から見ると、今の米国人はもとより日本人の大部分は、仮にいくら富裕であっても経済活動がほとんどで、文化的な営為、活動はないも同然であると伊藤さんは厳しく指摘します。

 その点、欧州人は文化を大切にしてきたと言えますが、残念ながら現在はグローバル経済のなかで、科学や技術を含め経済的営為に終始しており、後世の世代に残せる文化的な活動は見る影もなくなっていると言えます。

 今回、私達が敢えて「シルクロードの今を往く」を企画、実行したのは、1000年以上も営々と続く中国、中央アジア、イタリアなどの歴史と文化を学ぶことにより、人間の「文化」的営為の大切さを再確認することにあります。 


シルクロードとはへつづく