シルクロードの今を征く Now on the Silk Road 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、2020年7月31日公表予定 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
| 総合メニュー(西アジア) エルズムル1 エルズムル2 エルズムル3 アララト山 ノアの方舟1 ノアの方舟2 次はトルコのアララト山です。 ◆ノアの方舟 ![]() 『洪水』(ミケランジェロ・ブオナローティ画、イタリア・システィーナ礼拝堂蔵) ミケランジェロ・ブオナローティ - The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., パブリック・ドメイン, リンクによる Source:Wikimedia Commons ノアの方舟(ノアのはこぶね、英語: Noah's Ark)は、旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する、大洪水にまつわる、ノアの方舟物語の事を指します。または、その物語中の主人公ノアとその家族、多種の動物を乗せた方舟自体を指します。 「はこぶね」は「方舟」のほか、「箱舟」「箱船」などとも記されています。 『クルアーン』にも類似の記述があり、「ヌーフの方舟」と呼ばれています(11章 フード)。 『シュメルの洪水神話』(粘土板)における記述 壁のかたわらで、わたしはおまえにひとこと話そう。わたしのいうことを聞きなさい。わたしの教えに耳をかたむけなさい。われわれの……により、大洪水が聖地を洗い流すだろう。人類の種をたやすために……。これが神々の集会の決定であり、宣言である。……あらゆる嵐、しかもはなはだ強大なのが、ひとたばになって襲ってきた。同時に、大洪水が聖域を洗い流した。七日と七夜、大洪水が国中を洗い流し、大舟は嵐のために大波の上でもてあそばれた。そののち、太陽神ウトゥがあらわれ、天と地を照らした。ジウスドラは大舟の窓をひらいた。英雄ウトゥは光を大舟のなかにさしこませた。王ジウスドラはウトゥの前にひれ伏した。 『ギルガメシュ叙事詩』における記述 アシの小屋よ、アシの小屋よ、壁よ。アシの小屋よ聞け、壁よ察せよ。ウバルトゥトゥの子、シュルッパクの人よ。家をこわし、舟をつくれ。持物をあきらめ、おまえのいのちを求めよ。品物のことを忘れ、おまえのいのちを救え。すべての生きものの種を舟に運びこめ。おまえがつくるべき舟は、その寸法をきめられたとおりにせねばならぬ。その幅と長さとをひとしくせねばならぬ。(その(底面の)表面積は1イクー(60m×60m)、その4壁の高さは10ガル(60m)、その覆い板の幅はそれぞれ10ガル(60m)。 つまり文字通りの箱舟(立方体)でした。舟は七階建てで、各階には九室あったようです。)七日目に舟は完成しました。 洪水が起こると、彼は全財産、つまり銀や金、生きもの、家族、身よりの者、職人たちをすべて舟に乗せました。すると、七日と六夜、風と洪水がおしよせ、嵐が国土を吹きまくりました。七日目になると、洪水をもたらした嵐は戦いに負けまし。それは軍隊の攻撃のような戦いでした。 海はしずまり、嵐はおさまり、大洪水はひきました。空模様を見ると、まったく静かでした。そしてすべての人間は粘土に変わっていました。 見わたすかぎり屋根のように平らになっていました。天窓をあけると、光がわたしの顔にさしました。わたしはうなだれ、坐って泣きました。涙がわたしの顔をつたって流れました。わたしは広々とした海を見回して岸を探しました。十二の場所に陸地があらわれました。船はニシル山につきました。山は船をとらえて動かさなかったのです。 このようにして船は六日間ニシル山にとまっていました。 七日目に、ウトナピシュティムはまず鳩をはなしました。鳩は休み場所が見あたらずにもどってきました。つぎは燕をはなしたが同じ結果になりました。そのつぎには大烏をはなしたところ、水がひいていたので餌をあさりまわって帰ってこなかったのです。そこで彼は山頂に神酒をそそぎ、神々に犠牲をささげました。 『創世記』における記述 ![]() 『方舟を出た後のノアによる感謝の祈り』(1901年までの間に制作、ドメニコ・モレッリ) ドメニコ・モレッリ - Dorotheum, パブリック・ドメイン, リンクによる Source:Wikimedia Commons 先述の旧約聖書『創世記』による物語の要約は以下の通りです。 主は地上に増えた人々の堕落(墜落)を見て、これを洪水で滅ぼすと「主と共に歩んだ正しい人」であったノア(当時500~600歳)に告げ、ノアに方舟の建設を命じました。 方舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていました。方舟の内と外は木のタールで塗られました。ノアは方舟を完成させると、妻と、三人の息子とそれぞれの妻、そしてすべての動物のつがいを方舟に乗せました。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくしました。水は150日の間、地上で勢いを失わなかったのです。その後、方舟はアララト山の上にとまりました。 40日後、ノアは鴉を放ったが、とまるところがなく帰ってきました。さらに鳩を放しましたが、同じように戻ってきました。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきました。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかったのです。 ノアは水が引いたことを知り、家族と動物たちと共に方舟を出ました。そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を主に捧げました。主はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫たち、そして地上の全ての肉なるものに対し、全ての生物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約しました。主はその契約の証として、空に虹をかけました。 形状 創世記版での方舟は「長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビト」で3つのデッキを持っています。これは、タバナクル(テント式神殿)の3倍の高さであり、タバナクルの前庭の3倍の広さとなっています。この大きさによって、神の考えにおける人類の魂の救済という意味が同時にこめられていることを聖書の著者が念頭においていたことが示唆されます] 。 さらに長さ300キュビトは60の5倍、高さ30キュビトは60の半分であり、このサイズには、60という数字が根底にあると言われています。(1キュビトを伝統に従って、メートル法で44.5cmとして換算すると、およそ「長133.5m、幅22.2m、高13.3m」となります。) またこの「長:幅:高=30:5:3」の比率は、現在のタンカーなどの大型船舶を造船する際に、最も安定しているといわれる比率とほぼ同じとなります。 ノアの方舟2へつづく |