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ドイツ・ザクセン州短訪

アルテ・マイスター絵画館2

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
現地視察:2004年9月5日、掲載月日:2021年9月6日
独立系メディア E-wave Tokyo
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◆アルテ・マイスター絵画館
ー2

歴史

コレクション



ザクソン選帝侯アウグスト1世, ルイ・デ シルヴェストル画(1718年)
Source:Wikimedia Commons
パブリック・ドメイン, リンクによる


 絵画のコレクションは、16世紀にザクセン選帝侯が自身の「驚異の部屋」を設立したのが最初です。しかしながら絵画の重要度は低く、科学関連、絵画以外の芸術作品などのほうが、より積極的に収集されていました。

 絵画を系統立てて収集し始めたのは、ザクソン選帝侯アウグスト1世とその息子アウグスト2世です。


『黒いベレー帽を被り髭を生やした男の肖像』と『真珠で飾った帽子を被る男の肖像』 『黒いベレー帽を被り髭を生やした男の肖像』と『真珠で飾った帽子を被る男の肖像』
Source:Wikimedia Commons
パブリック・ドメイン, リンクによる



『黒いベレー帽を被り髭を生やした男の肖像』と『真珠で飾った帽子を被る男の肖像』
Source:Wikimedia Commons
レンブラント・ファン・レイン - The Yorck Project (2002年) 10.000 Meisterwerke der Malerei パブリック・ドメイン, リンクによる


 1720年代にポーランド王室から多くの絵画が不法にコレクションに加えられました。レンブラントの『黒いベレー帽を被り髭を生やした男の肖像 (1657年)』、『真珠で飾った帽子を被る男の肖像 (1667年)』もポーランドから不法に収奪された絵画で、もともとはワルシャワ王宮 (Royal Castle, Warsaw)に所蔵されていたものです。

 1745年にはモデナ公フランチェスコ3世・デステの私有コレクションから、価値ある100枚の絵画が追加されました。このような絵画コレクションの急速な増加によって、より大きなスペースが収蔵と展示のために必要となる。聖母教会の近くに、選帝侯居城(シュタールホーフ)が建造され、1747年からはそこで絵画が展示されるようになりました。

 このコレクションはヨーロッパでも価値あるものとして認められるようになり、イタリア、パリ、アムステルダム、プラハなどヨーロッパ各地から、絵画がコレクションに加えられています。

 特に1754年に加えられたラファエロ作の『システィーナの聖母(サン・シストの聖母)』は、コレクションの価値を増大させました。

 第二次世界大戦で、それまで絵画が展示されていたギャラリーが1945年2月13日のドレスデン爆撃で深刻な被害を受けました。しかしながら絵画は別の場所に移管されており、ほとんどの絵画は無事でした。

 この模様は洞窟に隠されているのを赤軍が発見したと、ソ連・東ドイツ共同制作の映画『ドレスデンの五日間』(Five Days, Five Nights)に共産党のプロパガンダ風に描かれています。

 第二次世界大戦終了後、ドレスデンはソヴィエトの占領下となり、このときに多くの絵画がモスクワやキエフへと持ち去られました。これらの絵画は1955年、1956年にドイツ民主共和国(東ドイツ)へ返還されましたが、多数の絵画が行方不明になり、中には破棄されてしまったものもあります。再建工事の結果、1960年に美術館として再開館しました。


アルテ・マイスター絵画館<3>へつづく