東マレーシア・サバ州現地予備調査 ボルネオ島の概要 Borneo Is. 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2015年2月7日 独立系メディア E−wave Tokyo |
<全体目次> ◆ボルネオ島 ボルネオ島(Borneo Island, インドネシア語: Pulau Kalimantan)は、東南アジアの島であり南シナ海(西と北西)、スールー海(北東)、セレベス海とマカッサル海峡(東)、ジャワ海とカリマタ海峡(南)に囲まれています。 インドネシア・マレーシア・ブルネイ、この3か国の領土であり、世界で最も多くの国の領地がある島となっています。面積は725,500km2で日本の国土の約1.9倍の大きさがあります。世界の島の中では、グリーンランド島、ニューギニア島に次ぐ、面積第3位の島です。 出典:Wikipedia ボルネオ島の標高 出典:Wikipedia ボルネオ島の国々(マレーシア、ブルネイ、インドネシア) 出典:グーグルマップ ボルネオ島の行政区分 ボルネオ島はインドネシア、マレーシア、ブルネイの3国が領有しています。 インドネシア共和国 東カリマンタン州 西カリマンタン州 南カリマンタン州 中部カリマンタン州 北カリマンタン州 マレーシア連邦 サバ州 サラワク州 ラブアン(連邦政府直轄領) ブルネイ・ダルサラーム国(ブルネイ) ボルネオ島の人口 全島の総人口は、約1750万人です。 インドネシア領 - 11,419,398人 東カリマンタン州 - 2,750,369人 (2004) 西カリマンタン州 - 3,740,000人 (2000) 南カリマンタン州 - 3,054,129人 (2002) 中部カリマンタン州 - 1,874,900人 (2002) マレーシア領 - 5,706,880人 (2009) サバ州 - 3,202,880人 (2009) サラワク州 - 2,504,000人 (2009) 連邦領ラブアン - 86,908人 (2010) ブルネイ・ダルサラーム国 - 400,000人 (2008) 以下は主に東マレーシア・サバ州・サラワク州の主要地区を示しています。 マレーシアの主要地区 ボルネオ島の野生生物種 ボルネオ島にはオランウータン、テングザルなど希少な動植物、絶滅危惧種がたくさんおります。 以下の出典:http://www.geocities.jp/kozurevacation/borzukan.html 写真入りの詳細は、<サバ州、コタキナバルの野生生物> に紹介しています。 ○ボルネオ・オラウータン/絶滅危惧種(EN)/ボルネオ固有種 オランウータン(マレー語で「森の人」という意味)は、アジアで唯一の大型類人猿。かつて東南アジアとインドシナに広く分布していましたが、今は、ボルネオ(カリマンタン)島とスマトラ島の熱帯雨林だけに生息しています。 オランウータンは長い間、一種と考えられていましたが、現在ではボルネオ島に生息するボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)と、スマトラ島に生息するスマトラオランウータン(Pongo abelii)の二種に分類されています。 オランウータンは、体毛の密度が低く、長くて荒く、赤みをおびています。雄は成長すると体毛が非常に長くなり、また頬の肉ひだが大きく発達し、特徴的な顔になります。スマトラオランウータンは、ボルネオのものに比べると顔が細長く、体毛が長く少し淡い色をしています。 20世紀初頭には18万頭いたと言われていますが、現在は4万頭にまで減っており、保護の重要性が叫ばれています。 *ボルネオオランウータンはさらに、島北西部(主にサラワク州)に生息するP.p,pygmaeus(3000頭)、北東部(サバ州からカリマンタンにかけて)棲むP.p.morio(13000頭)、南部(カリマンタン南部)にいるP.p.wurmbii(25000頭) の3つの亜種に分けられています。 ○ボルネオピグミーエレファント/絶滅危惧種(EN)/ボルネオ固有種 ボルネオゾウは丸い体つきで、大陸に住むアジアゾウやアフリカゾウと比べると、ひとまわりこぶりです。顔は小さく角張っていて、尾は地面に着きそうなほど長く、牙はまっすぐに伸びています。 18世紀にボルネオへ導入されたゾウであるとの仮説が長い間支持されてきましたが、2003年のDNA検査により、少なくとも1万8千年をかけてボルネオで独自に進化してきたゾウであることが判明しました。 現在1,000 頭から 2,500 頭のみの生息が確認され、生息域も非常に限定、細分化されており、ボルネオ島北東部の5%の地域に限られています。 そのわずかな生息地さえ、伐採やプランテーションへの転換などのために急速に減少しており、これに加え、ゾウの殺戮や捕獲といった脅威にもさらされています。 ○ミューラーテナガザル(ボルネオギボン)/絶滅危惧種(EN)/ボルネオ固有種 ミューラーテナガザル/ボルネオギボンは、ボルネオピグミーエレファントと並んで、最も姿を見ることが難しい動物です。もともと個体数が少ないうえ、地上30〜40mの葉が生い茂る樹上で暮らしているためです。 早朝のジャングルでは、ボルネオギボンの歌声が響き渡るのを、容易に聞くことができるでしょう。 ボルネオ島の熱帯雨林に生息するミューラーテナガザルは、長い腕で「枝わたり」(ブラキエーション)をして林冠を移動して生活しています。 1夫1妻で、子供を含めた4頭程度の群れを形成し、主にカップルのオスとメスが交互に叫びあいながら、複雑なフレーズを取り混ぜたデュエットを行います。この歌は家族間の絆を深めたり、他の群れに対してなわばりを主張したりすることに役立っていると考えられています。 うっそうと繁る熱帯雨林のジャングルに、ボルネオギボンの歌声が響き渡る様は、とても幻想的で心癒されるものがあります。 ○テングザル/絶滅危惧種(EN)/ボルネオ固有種 天狗のような長い鼻を持つ事から名付けられたテングザルは、その姿だけでなく、生態もユニークです。水辺の熱帯雨林やマングローブ林、湿地林などに生息し、1頭のオスと、複数のメスからなる群れを形成し生活しています。群れの結びつきは弱く、雌雄ともに群れから群れへ行き来します。 テングザルは、高い木の上から川へダイビングジャンプをし、泳いだり、水深の浅い場所では直立して歩行します。猿の仲間でこれほど水を怖がらないのはとても珍しいことです。 夕方になると、木の枝に腰掛けて、頭を垂れてまるで落ち込んでいる人みたいな姿で寝ます。1本の木にたくさんのテングザルがうなだれて動かない様は、猿の人形の型をした木の実がたわわに実っているようで、とても奇妙で印象的です。 ○キタカササギサイチョウ ボルネオには8種類のサイチョウの仲間が生息していますが、そのすべての種類がスカウ/キナバタンガン川流域に生息しています。リバークルーズの途中、大きな木の枝にとまってこちらを見下ろすサイチョウの姿を、たびたび目にするでしょう。 ○ヒヨケザル/ボルネオ固有種 日中は前後足で木の枝にぶら下がって眠るヒヨケザルは、夜になるとまるで傘を広げたような姿で100m以上の距離を滑空します。ヒヨケザルの特徴は、ムササビやモモンガが前脚と後脚の間にしか飛膜を持たないのに対して、アゴの先から尾の先端まで全身が飛膜に包まれていることです。 顔がキツネザルに似ていることから「サル」の語が付いていますが、実はサルの仲間ではなく食虫目やコウモリ類に近い動物です。フィリピンヒヨケザルとボルネオのマレーヒヨケザルの2種のみが現存しますが、夜行性ののため、その詳しい生態はまだほとんど解明されていません。 ○カニクイザル カニクイザルはニホンザルと同じマカク属で、とても近い種類のサルです。見た目もほとんどそっくりですが、カニクイザルのしっぽが長いのに対し、ニホンザルのしっぽはとても短いので簡単に見分けることができます。 カニクイザルといっても、カニだけを食べるわけではなく、植物の果実や種子、それ以外にも葉、花、根、小鳥、トカゲ、カエル、魚などさまざまな動植物を捕食します。群れをなして生活し、通常1つの群れに2-5頭のオスが含まれます。群れの大きさは餌の豊富さなどに依存し、群れでのランクは成熟したオスがメスより上位となります。 ○イリエワニ ボルネオのワニは,ほとんどがワニの中で最も凶暴なイリエワニです。イリエワニはインドから中国亜熱帯地域、マレーシア半島、フィリピン、ボルネオ、ニューギニア、オーストラリア北部に分布し、池沼や大きな川、塩分を含んだ水域でもみられます。時には外洋へも出ることもあります。 ワニは水中では、わずかに目と鼻を出すだけで水面下に浮かんでいますが、からだの安定を保つために胃の中に石が入っています。特に頭でっかちの子ワニは、この石がないと釣り合いがとれないようです。 生まれてから1年は、カエルやカニなどの小動物を食べますが、成長すると、それだけでは食欲を満たせなくなり、貝類や魚類も食べるようになります。成体では魚類のほかに哺乳類や鳥類、まれに人も襲うことがああります。 ○ボルネオオオカブト/ボルネオ固有種 ボルネオオオカブト(モーレンカンプオオカブト)はコーカサスオオカブトと比べると大きさでは敵いませんが、独特の3本角のバランスは雰囲気がありとてもかっこ良いです。大きさ45〜110mmで、日本のカブトムシと比べるとふたまわりくらい大きいですね。 男の子はカブトムシが大好きなので、こんなのが何匹も捕まえられるボルネオは、天国と感じるでしょう。 出典:http://www.geocities.jp/kozurevacation/borzukan.html つづく <全体目次> |