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   東南アジア最後の秘境 ミャンマー

幻の臨海線トラム


青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年8月4日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
(19) 幻の臨海線トラム@  (20) 幻の臨海線トラムA  (21) パズンダンの地域パゴダ
(22) ボータタング・パゴダ  (23) ヤンゴン川河口


 翌、6月2日の朝、ホテルで朝食。

 前日同様焼トマトといんげん豆のトマト煮、これは大好物で、スコットランドで毎朝たべたイギリス風の朝食と同じです。

 ほかに、三種類の麺と色々な野菜の入ったスープや、野菜がたっぷり入ったオムレツも目の前で作ってくれたものも頂けます。池田は、さらにたっぷりの生野菜のサラダも毎日食べていました。

 一昨年行ったマレーシアでも同じですが、東南アジア諸国の食文化は多種多様で日本人にとっても、とても口にあうと思います。

 朝食後、池田がぜひ、ヤンゴン川を見たいというので、川まで行くルートをいろいろと検討しました。もっとも簡単なルートは下の地図にあるようにホテルからまっすぐ歩いて南下することです。ただ、これではヤンゴン川に流れ込む支流に出るだけで、大河、ヤンゴン川はその下流になります。


出典:グーグルマップ 

 もう少し広域的に見てみると、下図のようになります。どうせヤンゴン川を見るなら、2つの川の合流後のヤンゴン川を見たいのです。


出典:グーグルマップ 

 ちなみにヤンゴン川(Yangon River)は、その昔ラングーン川、ライン川としても知られており、バゴー川とミッマカ川の合流域に形成された河川のひとつです。

 河口域はヤンゴン(旧ラングーン)から始まり、アンダマン海マルタバン湾に流れ込みます。ヤンゴン川は外洋船が航行可能な航路になっており、ミャンマーの経済で重要な役割を担っていきました。

 トゥワンテ運河を通じて「アジアのライスボール」といわれたイラワジデルタ(エーヤラワディデルタ)で合流しています。ヤンゴン川流域には1,000平方マイル (3,000 km2) の豊かなチーク林地とマングローブの茂る湿地帯がありましたが、米の生産のために伐採されてしまったそうです。


 そこで、東京から持参した「地球の歩き方 ミャンマー編」をマジマジと見たところ、ホテルの近くにあるヤンゴン環状鉄道線のパンライン駅からヤンゴン川の本流近くまで、臨海線トラムの軌道があることが分かりました。確かに下の地図の左上のAから右下のDまで臨海線トラムの軌道があります。AからHは筆者は別途追記入したものですが、地図をよく見てもらうと、左上のAから臨海域を通り、DそしてCさらにBに及ぶ鉄道路線があるのです。

 地図では臨海線の軌道を太くなぞっているので、わかると思います。もし、この臨海線トラムに乗れば、ヤンゴン川をゆっくり走るので思う存分ヤンゴン川が見られると思ったのです。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 下は「地球の歩き方 ミャンマー編」に掲載されていた臨海線トラムの写真です。ここにも、日本から譲渡される車両が導入されるとあります。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 下は「地球の歩き方 ミャンマー編」に掲載されていた臨海線トラムの時刻表です。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 これはヤンゴン川を車窓から見るにはもってこいだ、ということになり舞い上がり、時刻表をじっくりと見ることなく、まずはA地点の駅に行ってみようということになりました。Aの駅はパンラインです。

 そこで、ホテル近くの駅からパンラインまで入れの環状電車で向かいました。下は切符を買う池田です。料金はわずか約20円です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 これが20円です。ミャンマーにはどうもコインがないようです。ミャンマーのチャットの額を10で割ると日本円になるので、100K2枚で約20円となります。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 車内は5月31日に乗ったとき同様、寝ている人もいます。なんとものんびりとした社内風景です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 そうこうしているうちにパンラインに到着しました。しかし、どう見てても、乗換駅ではありません。そもそも臨海線のレールがありません!


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 この駅は、目的とした駅ではないようです。

 そこで駅で係員に聞くと、地元の住民が次々に寄ってきて、下の写真のようにそれぞれがあれこれ教えてくれるのですが、どうも、目的駅はひとつ先の駅のようです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 それにしても、ミャンマー人は、見知らぬ外国人に本当に親切です。日本なら逃げて行ってしまうところですが、次々に集まってきて、あーでもない、こーでもないと相互に議論してくれます(笑)。

 結局、目指すべきパンライン駅は、下の地図にあるように、下車したパンライン駅には入らず、次の駅(地図中、本来の駅)でヤンゴン循環鉄道の駅に入ることが分かりました。


出典:グーグルマップ 

 次の電車を待つとかなり先になるので、歩いて次の駅(チーミインダイ駅)に行くことにしました。歩いていると地元の買い物帰りの女性が、案内してくれるというのでついてゆきます。下の写真で左側が鉄道の軌道、池田が立っているのが次のチーミインダイ駅への近道です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 ミャンマーに着いた日の5月31日、鉄道の車窓からすさまじいゴミを見ましたが、この日は、なんとそのゴミの近くを歩く羽目になってしまいました。すごい不法投棄の山です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 やっとのことで、次のチーミインダイ駅に到着しました。超おんぼろの駅です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 見れば確かに臨海線トラムの軌道は、この駅に入ってきていますが、プラットホームはありません。

 またまたそこで、再度、駅の係員にきいてみました。

 すると、今度も近くにいたビルマ人の男性が数人寄ってきて、地図を見ながらあれ大騒ぎとなりました。

 そのうち、流ちょうな英語を話す男性が寄ってきました。

 その男性によると、この臨海線はかなり前に貨物専用となっており、従来の路線のうち、貨物専用線部分が終えたトーリーグェ駅から東側が臨海線トラムとなっており、一般客も乗れるのではないかと丁寧に教えてくれました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-2

 そこで再度、「地球の歩き方」を見てみると、確かに今いるチーミインダイ駅とトーリーグェ駅の間は、臨海線トラムは乗客を乗せていない貨物線であることが分かったのです。がっかりです。以下の時刻表は、「地球の歩き方」に青山が書き込んだB→C→D→トーリグェ駅までのものとであり、トーリグェ駅から今いるチーミインダイ駅までは含まれていませんでした。


出典:地球の歩き方 ミャンマー編

 しかし、これはこの日のトラブルの幕開けにすぎませんでした(笑)。

 このあと、私達はチーミインダイ駅から上の時刻表にあるパズンダウン駅までヤンゴン循環鉄道で行くことにしました。

 
つづく